中秋の名月
陰暦8月15日の夜。新暦では9月中旬の頃。この夜の月を中秋の名月・芋名月という。古来、観月の好時節とされ、昔は月下に酒宴を張り、詩歌を詠じ、月見だんご、芋・枝豆・栗などを盛り、神酒を供えて月をながめた。
陰暦8月15日の夜。新暦では9月中旬の頃。この夜の月を中秋の名月・芋名月という。古来、観月の好時節とされ、昔は月下に酒宴を張り、詩歌を詠じ、月見だんご、芋・枝豆・栗などを盛り、神酒を供えて月をながめた。
孔子は魯の都曲阜の郊外昌平郷陬邑に生れた。現在の山東省曲阜市城東南尼山付近。尼山の麓にある「夫子洞(坤霊洞)」は、孔子の出世地だといわれている。孔子の出生年月日については、諸書で記述が異なっているため、キリストや釈迦のように盛大に祝うという習慣があまりない。中国や台湾では9月28日を孔子の誕生日(孔聖誕)として祝っている。(なぜかウィキペディアでは孔子の誕生日は10月9日となっている。)
誕生日が一定しないのは周と魯とで暦が異なるため古来より幾人もの偉い学者が調べてみたがはっきりとわからないためである。春秋公羊伝では襄公21年(前552年)、史記・孔子世家では襄公22年である。今日、史記の説をとり、孔子の誕生年を紀元前552年とする記述が多い。ところが「史記集解索隠正義礼記」は周の正月は11月なので、22年は実際には21年になるという。つまり現在の暦法に換算すると、孔子の誕生日は紀元前551年9月28日とするのが妥当であろう。
昭和29年9月26日、青函連絡船洞爺丸(3898トン)は乗客・乗員1314人を乗せて函館港を定刻(14時40分)の4時間遅れの18時39分で就航した。船長の近藤平市は18時頃から風雨が弱くなり晴れ間が見えてきたのを台風の目と判断したのだ。ところが、これは実は閉塞前線のいたずらであった。本当の台風15号の中心は、その時、函館西方の日本海上にあった。結果的に、洞爺丸船長の判断は間違っていたことになる。当時こうした判断はすべて船長一人の決断にゆだねられていたのである。
同じ頃、青森発16時30分の羊蹄丸の船長の佐藤昌亮は出航を見送る判断をした。「なぜ船を出さぬ」「優柔不断で日和見だ」という乗客たちからの罵声に耐えに耐え、台風と闘った。その羊蹄丸は、洞爺丸が沈没した翌朝、青森からの再開第一便としてうそのように穏やかに函館湾に入ってきた。
近藤船長は海難で殉職され、洞爺丸沈没の本当の真相ともいうべき船長の行動や心理状態については、まったく不明である。羊蹄丸船長だった佐藤昌亮は、間もなく宇高航路へ転じ、国鉄を定年退職後は海難審判の補佐人(刑事裁判の弁護人にあたる)をつとめた。
死者行方不明者1155人。わが国最悪の海難事故を契機に青函トンネル計画が具体化された。昭和63年9月19日で青函連絡船は、明治41年3月開業以来80年の歴史を閉じた。
万年筆はイギリスで19世紀の初めころから使われていた。1809年のこの日、イギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが金属製の軸内にインクを貯蔵できる筆記具、今日の万年筆を考案し、特許をとった。のち1883年、アメリカのルイス・エドソン・ウォーターマン(1837-1901)が万年筆の実用化に成功した。鉛筆は1565年にスイスのコンラート・ゲスナーが自家製鉛筆を使用していた。1858年アメリカの画家ハイマン・リップマンが消しゴム付き鉛筆の特許を取得した。シャープペンシルの原理は1822年にイギリスのホーキンスとモータンによって考案されたが、1917年にアメリカのチャールズ・キーラン(1883-1948)がエバーシャープという実用的な筆記具を販売した。ボールペンは1943年、ハンガリーの新聞校正係だったラディスラオ・ビロ(1900-1985)が考案した。(9月23日)
ドイツ厭世主義の哲学者ショーペンハウエルは1860年9月21日、フランクフルトで死去した。享年72歳。彼の風貌は、背は普通。骨格頑丈、胸広く、輝く青い瞳、薄赤いちちじれた髪、整った鼻、長く広い口、音声強大、手は細く敏活。好男子とはいえなかったが、人を惹きつける魅力があった。オシャレで、人前に出るときはいつも盛装だった。妻子もなく、同胞もなく、1人の友もいない。晩年は愛犬のアートマンが唯一の話相手だった。夕暮れになると愛犬を連れて散歩をする。歩き方は若々しくて速い。太い竹のステッキを持ち、葉巻を吸う。午後8時頃にレストランで夕食。冷肉と赤ワイン。帰宅後、キセルで煙草を一服。英独仏の新聞を読む。音楽は好きでベートーベンを聴く。就寝前にウパ二シャッドを読む。部屋には純金の釈迦像がある。ショーペンハウエルはキリスト教よりも、ウパニシャッドや仏教を哲学に取り入れようとしていた。(Schopenheuer)
紀元前480年のこの日、サラミスの海戦でアテネは大勝利をおさめた。ペルシアのクセルクセス王の大軍を目前にして、アテネではテミストクレスの建策により、北に逃げるとみせて狭い海峡に入った。これを追ったペルシアの大艦隊は、操船技術に優れ機動力を発揮するギリシア海軍にかき乱され、狭い海峡の中で互いに衝突しあい惨敗を喫したのである。
アテネの名門の子供たちが学ぶ校庭での話。みんなが楽しく詩や音楽の話をしていたが、テミストクレスという少年だけは、大志を抱き政治の演説をするのであった。「自分はリュラ(琴)の調子を合わせたり、プサルテリオンを弾いたりすることには疎いが、名もない小さな国を引き受けて、大国に仕上げることは心得ている」と言った。この少年こそ、サラミスの海戦でペルシア艦隊を破った古代ギリシアのアテネの政治家テミストクレス(前528?-前462?)である。しかし、彼の晩年は不遇で、前470年、陶片追放(オストラキスモス)により失脚し、ペルシアに逃れた。牡牛の血を飲んで自殺とも伝えられる。(Salamis,Themistokies、9月20日)
正岡子規(1867-1902)は慶応3年9月17日に伊予国温泉郡藤原新町で生まれた。ただしこれは旧暦で新暦では10月14日となる。父は松山藩御馬廻加番正岡隼太で、名は常規(つねのり)、幼名は処之助(ところのすけ)でのちに升(のぼる)と改めた。明治35年9月19日、わずか35歳で東京根岸に生涯を閉じた。死の2日前まで「病牀六尺」を書き続け、その前日、「糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな」「をととひの糸瓜の水も取らざりき」「痰一斗糸瓜の水も間に合わず」の三句を絶筆として残した。墓は田端の大龍寺にある。獺祭書屋主人と号した。子規忌を獺祭忌ともいう。獺祭(だっさい)とは「かわうそまつり」。①かわうそが自分の捕らえた魚を四方に陳列すること。②作詩文に数多の参考書を座右に広げること。詩文を作るのに多くの故事を引くこと。つまり、獺祭書屋主人とは、書斎で学者が周囲に参考書を積み重ねることに由来するのであろうか。
夏嵐机上の白紙飛び尽す
雀より鶯多き根岸かな
もみち葉の色もかわるや秋の空
大水の引きて雨なし秋の空
塀こけて家あらはなる野分哉
本日は 「白鳥(しらとり)は哀しからずや 空の青海のあをにも染まずただよふ」(第一歌集「海の声」)などの歌で知られる若山牧水(1885-1928)1928年の忌日。43歳。牧水は宮崎県東臼杵郡郷村字坪谷に医師若山立蔵の長男として生まれた。有名な「白鳥は」の歌の初出(明治40年12月号「新潮」)は「白鳥(はくてう)は哀しからずや海の青そらのあをにも染まずただよふ」だった。そして第三歌集「別離」では「女ありき、われと共に安房の渚に渡りぬ。われその傍らにありて夜も昼も絶えず歌ふ」という詞書がある。この歌は「波間に漂っている白いかもめ鳥はかなしくはないのか。空も青、海も青、そのまっさおな色にまぎれることなく漂っている姿をみると、何ともいいようのない悲しさがわたしの胸にあふれてくることだ」という通釈であるが、制作状況から判断して園田小枝子への恋愛の哀歓がモチーフになっていると考えてさしつかえないだろう。小枝子という女性は「牧水よりも一つ年上である。生まれたのは瀬戸内海のある海岸町、まことに不思議な両親をもち、まだ何もわからぬ幼女時代に既に幾回となくその戸籍が転々としているような数奇な運命の下に成人した。そして16、17歳ぐらいで結婚し、二人の子供さえもっていたが、胸を病み、家を離れて須磨の療養所に入った経験があった。彼女はそれから家庭にかえらず、明治40年の春あたり東京に出て来たのであるが、彼女は非常に美しかった」(大悟法利雄「若山牧水伝記篇」)とある。園田小枝子の郷里は広島県竹原市忠海と福山市鞆町の二説あるが、幼少期転々としていたのかも知れない。ともかく牧水は24歳のとき、病弱の人妻に恋をし、千葉県安房根本海岸に10日余り滞在し、多くの感傷歌が生まれた。しかしこの恋はうまく行くかず、牧水は大いに悩み5年のちに恋は破局する。
小枝子への熱い想いがあらわれた歌
「わが小枝子おもひいずればふくみたる酒の匂いのさびしくあるかな」「恋人のうまれしといふ安芸の国の山の夕日を見て海を過ぐ」「山を見よ山に日に照る海を見よ海に日には照るいざ唇を君」「幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく」
(9月17日)
応徳3年のこの日、「後拾遺和歌集」が完成する。八代集の第四番目の歌集。20巻、総歌数は1218首。勅命は白河天皇、選者は藤原通俊。ただし通俊は優れた歌人とはいえないという理由から、古くから通俊選者となつたことを不審とする説がある。(9月16日)
物おもへば沢の蛍も我が身より あくがれ出づる魂かとぞみる(和泉式部)
現代語訳:物思いをしていると、沢を飛び立っている蛍の火も、自分の身から離れ、さまよい出た魂ではないかと見えたことだ
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