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2023年3月27日 (月)

ナマズの話

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 ナマズは北海道以南の各地の川や湖沼の砂泥底に住み、古来から広く知られている魚である。ナマズの原語は「ナマツ・ナマヅ」であり、その語意は、「体表の滑らかな、大きな頭の魚」ということか。一般には「ナマズ」と呼ぶが、東京付近では小形のを「チンコロ」と呼ぶ。下卑な感じのこの魚を、私娼・酌婦にたとえて、「チンコロ」とよぶのではないだろうか。その他の地方名に「ヒョオタンゴ」(佐賀)、「ショゲンポオ」(三重)、「ヘコキ」(滋賀)、「ナマダ」(千葉)、「モンダイ」(島根)、「ジシンノコ」(静岡)などがある。ジシンノコは暴れると地震が起きるという俗説から生まれたのだろう。よく知られた地震予知のことわざに、「ナマズが騒ぐと地震あり」との俗諺がある。生物の動きと地震との関係については、ナマズが地震を起こすとの説が江戸時代からあり、とくに安政2年の江戸大地震以後、「ナマズ絵」などでこの説が広まった。昔、椋平広吉が、地震の前には特殊な虹がでる、といい、「椋平虹」といわれたことがある。そのほかにも、「キジが鳴けば地震あり」とか「アリの大群が移動すると地震がある」、「馬の尻尾が動かないと大地震がある」、「牛が腹這いになると地震か噴火がある」などの伝承があるが、たしかなものは一つもない。  

ナマズは日本だけではなく中国・朝鮮半島・台湾など東アジアにも多い。中国語では「鮎魚」(ニエンユイ)、韓国語では「メギイ Meggie」と呼ばれる。

ナマズの仲間は世界におよそ2867種類いるといわれ、約半数がアマゾン河流域に生息するといわれ。大きいナマズは長さ3m、体重200㎏にも達する。これらの巨大ナマズのほかに、南アメリカの水域には、長さ1.2mから1.5mのやや小型のナマズもたくさんいる。またわずか2.5㎝くらいの、さらに小型のものが数百種類いる。

ヨーロッパには有名なナマズはドナウ川流域のSiturus glanisであろう。だいたいナマズのことを「シルーロ」「シルールス」「シルーロス」と発音する国が多い。なぜ英語は「キャットフィッシュ」なのだろうか。ナマズのひげと猫とを連想されるのであろうか。

2023年2月14日 (火)

「鰈」 何と読むの?

  魚の名前として使われる漢字には、難しいものがたくさんあります。 同じ漢字でも中国と日本では意味が異なることが多い。「鮭」は中国では「ふぐ」の意味である。

鮎魚女  あいなめ
浅利    あさり
鯵     あじ
穴子    あなご
鯇     あめのうお 
雨虎    あめふらし 
鮎     あゆ
鮑     あわび
鮟鱇    あんこう
烏賊    いか
墨魚    いか 
鶏魚    いさき 
石首魚  いしもち
伊富魚  いとう
金糸魚  いとよりだい
疣鯛    いぼだい

鰯     いわし
岩魚    いわな
鯎     うぐい
鱓     うつぼ
鰻     うなぎ
海胆    うに
潤目鰯  うるめいわし
鰾     えい
狗母魚  えそ
虎魚    おこぜ
大鮃    おひょう
牡蠣    かき
笠子    かさご
鰍     かじか
旗魚    かじき
鰹     かつお
蟹     かに
魳     かます
鱲子    からすみ
鰈     かれい
皮剥    かわはぎ
鱚     きす
吉備奈仔 きびなご
垢穢    くえ
水母    くらげ
鯉     こい
小女子  こうなご
鯒     こち
鰶、鮗   このしろ
小鰭    こはだ
氷下魚  こまい
鱓     ごまめ 
鮴     ごり
栄螺    さざえ
鯖     さば
鮫     さめ
鱵     さより
鰆     さわら
秋刀魚、青串魚 さんま
鱰     しいら 
蜆     しじみ
柳葉魚  ししゃも
蝦蛄    しゃこ
鯱     しゃち
鱸     すずき
鮬     せいご
鰖     たかべ
蛸     たこ
太刀魚  たちうお
駄津    だつ
鱮     たなご
鱈     たら
胡獱    とど
泥鰌    どじょう
飛魚    とびうお
海鼠    なまこ
鯰     なまず
鰊     にしん
鯡     にしん
鰣     はす

鯊     はぜ
鱩     はたはた
蛤     はまぐり
魬     はまち
鱧     はも
鮠     はや
鰉     ひがい
鯷     ひしこ
鮃     ひらめ
鱶     ふか
河豚、鰒   ふぐ
鮒     ふな
鰤     ぶり
遍羅    べら
鯔     ぼら
鮪     まぐろ
鱒     ます
翻車魚  まんぼう
鯥     むつ
目仁奈  めじな
山女    やまめ
公魚    わかさぎ
稚海藻  わかめ
鰐     わに
稚鰤    わらさ

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
 
 
 
 

 

 

 

2016年12月 3日 (土)

恐怖の人喰いサメ

   1916年7月1日、米国ニュージャージー州のリゾート地の海岸で、遊泳中の男性がサメに襲われて死亡した。しかし、当時の認識では鮫が人を喰うということは考えられなかった。それから2週間の間に4人がサメに喰われて死んだ。この事件を新聞が大々的に報じたため、海水浴客が来なくなり、現地のリゾート地は大きな打撃を受けることとなる。この事件はのちにピーター・ベンチリーが「ジョーズ」の題材として取り上げられた。

2016年4月 8日 (金)

オイカワ魚名論争

Oikawa

淡水産の小魚オイカワは釣り人の最も好む魚種の一つである。東京ではヤマベまたはハヤ、栃木の一部ではアカバラ、関西ではハス、ハイ、ハエなど呼名が多い。和名オイカワの語源には古来から論争がある。①河で、魚を追い上げて漁をすることから「追河」となった(広辞苑)②水中でお互いに尾を追いて闘うことから「追川」となった(大言海)③和漢三才図会には「この魚、京洛の大堰川に多し。京にて俗に「オイカワ」という。大堰川は嵐山付近の川をいう。大堰川説が最も有力である。

2016年2月17日 (水)

生きていたシーラカンス

   シーラカンスは今から3億8000万年も前の古生代デボン紀に栄え、恐竜とともに絶滅した古代魚と思われていた。ところが1938年、アフリカのコモロ諸島の近くで、生きた個体が発見された。研究の結果、3億年前からからだの基本的なつくりかたがほとんど変化していない原始的な魚で、まさに生きた化石といえることがわかった。その後1991年には、26匹の胎児をもっためすがモザンピーク沖で捕えられ、1997~8年には、インドネシアのスラウェシ島沖でも似た魚が発見された。これはコモロ諸島のものとは別種で、インドネシア・シーラカンスとも呼ばれている。 coelacanth

2016年2月16日 (火)

ヒイラギ

020086   ヒイラギと聞けば、クリスマスの飾りなどに用いられる棘のある樹木をおもいうかべる。しかしスズキ目ヒイラギ科に分類される小型魚もある。体型が木の葉の形で周囲に棘があることからこの名が付けられたそうだ。

2013年8月 8日 (木)

マンボウ放浪

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    「翻車魚」と書いて「まんぼう」と読む。「翻車」は水車のこと。むかしの本では、「萬寶」「萬歳楽」と表記することもある。温帯および熱帯の海域に分布、日本近海では北海道以南の各地で見られる。背鰭を振りながらのんびりと泳ぐ丸い姿は、愛くるしくも感じられる。しばしば海面に浮く。一度に極めて多数の産卵をする。マンボウの語源については定説はない。マンボウは方形なので満方の意か。榮川省三「魚名考」には、マンは、「円い」意味で、「ボウ」は、「魚(ウオ)」の転訛語であるから、マンボウとは、円型の魚ということであろう、とある。「マンボウ」は古くから、浮いている木を連想させる様子から「うきき」(浮木、浮木魚)と呼ばれることが多い。日本書紀には「枯査」と記される。正式学名は「モラ・モラ(Mola mola)

2011年12月21日 (水)

シイラと万作

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    英語で「dolphin」といえば、イルカを意味するが、実は「シイラ」という魚の名前でもある。ほとんど全世界の暖流に分布し、わが国では対馬暖流域に多い。体長1.5mの大形魚だが、味はまずく、主として塩干品にする。シイラの語源は、この魚の体皮が厚く、薄身で肉が少ないことから、米麦の結実しない籾のことをいう「粃」(しいら)の意とされている。愛媛・島根では、粃の名を忌み、縁起のよい反語「万作・満作」(マンサク)と呼んでいる。

2011年7月18日 (月)

ハゼのなかま

ハゼは漢字で書くと、「鯊」。淡水・海水・汽水に産し、多くは全長20cm以下で、2100種類以上ある。日本近海でもおよそ300種が生息している。腹びれが吸盤状になっているものが多く、主に水底で生活している。

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