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2024年8月 5日 (月)

段ボール箱とロバート・トンプソン

Pappkarton1    本日は「ハコの日」。段ボール箱や空箱を常備しておくといざという時に便利だ。900mlのペットボトル12本入りサイズが年寄りにも運ぴやすくてよい。厚紙は19世紀のイギリスで作られたが、1856年これをシルクハットの内側に巻き、汗取り用として使ったところ大ブームとなった。1871年、アメリカのアルバート・ジョーンズが包装材として段ボール紙を使った。その数年後、1874年オリヴァー・ロングが片面段ボールを開発した。1880年、現在と同じような形の段ボール箱がロバート・H・トンプソンによって開発された。日本では1909年、井上貞次郎(1881-1963)が東京で三盛社を創業、国産ダンボール紙を作った。(cardboard box,Albert Jones,Oliver Long,Robert H.Thompson、8月5日)

 

 

2022年9月15日 (木)

緑色なのに「青信号」と呼ぶのはなぜ?

  英語で「信号機」はなんと言う? 答えは「traffic light」。 信号機の色は「赤、黄、青」の3色で国際共通である。英語では「グリーンライト」というが日本語では「青信号」と呼ぶ。緑色なのになぜ「青信号」と呼ばれるのか。もともと、日本の古来の色名は「赤、青、黒、白」の4色で、この「青」には現在の「緑」の両方が含まれていた。つまり「青」と「緑」は厳密に区別するという考え方はあまり強くなかった。日本に最初の信号機が日比谷交差点に設置された1930年の交通に関する法令では「緑信号」と書かれていた。しかし、信号機の設置を紹介する当時の新聞記事などで「青」と記された事により青の呼び方が広まったと考えられている。その後、法令も「青」と書きかえられた経緯がある。

2020年5月30日 (土)

砂漠を緑に変えた男

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   中国内モンゴル自治区にある広大なタクラマカン砂漠を緑化しようとした日本人がいる。遠山正瑛(1906-2004)はトングリ砂漠にブドウ園をつくり、モウス砂漠にポプラ100万本を植林した。恩格貝の砂漠開発規範区には遠山の銅像が立っている。タクラマカンの意味は諸説あるが、ウイグル語で「死」や「無限」などを意味する合成語で、「一度入ったら出られない」の意味らしい。

遠山正瑛の著作目録

  <単行書>

砂丘の幻想 淡交社  1970

よみがえれ地球の緑 佼成出版社 1989

沙漠緑化に命をかけて TBSブリタニカ  1992

 

    <論文>

山陰地帯のナシの栽培1・2 農耕と園芸5(7)(9) 1950

ナシ栽培の今後経営についての問題 富民22(7)  1950

梨の樹型 果実日本 1950

トマト青枯病の発生 育種と農芸5((8)  1950

躍進する砂丘地園芸 農耕と園芸7(11)  1952

果樹の砂丘地栽培法 農業および園芸28(1) 1953

二十世紀梨果実の発育に就いて 鳥取農学会報10(1,2)  1953

砂丘地の園芸的利用に関する研究 1 鳥取農学会報10(3) 1954

砂丘地の園芸的利用に関する研究 2 農業および園芸29(6) 1954

砂丘地農業と畑地灌漑法 1・2  農業および園芸31(8)(9)  1956

和梨果実の発育に関する研究1,2 園芸学会雑誌25(4)  1957

砂丘地高度利用の実例 農業および園芸33(1)   1958

砂丘地の天恵と開発の推進 農業技術21(2)   1966

シルクロード、タクラマカン沙漠の農業開発 砂丘研究27(2)  1980

中国山地の地域開発を実践する 地域開発182  1979

砂丘利用開発研究の軌跡 砂丘研究30(1)  1983

ポプラ100万本中国・クブチ砂漠を緑に変えよう 省エネルギー47(8)  1995

NGO第一線 第116回中国 日中に緑の懸け橋を 世界週報78(41) 1997

 

 

2019年12月 7日 (土)

東海道新幹線の車体が青と白なのは?

 五歳の女の子の素朴な疑問「なんで東海道新幹線の車体の色は青と白なのか?」チコちゃんは知っています「色を決める会議の席にあったタバコの箱が青と白だったから」

  1964年東海道新幹線が開業した。その数年前のこと。車体の色を決める会議で赤派と白派が対立していた。ある幹部が机の上に置かれたタバコの箱をみて、「この色、いいんじゃない」と言った。当時人気があった「ハイライト」の白と青のシンプルなデザインはスピード感ある色合いだ。すぐに青と白の二色を参考にデザインすることに決定した。この挿話は新幹線の当時の内部資料にも残っているらしい。

2016年3月 4日 (金)

ロープの結び目から生まれた「ノット」 

   ノットは船と飛行機の速度に使われ、時速1.852km(1海里)に当たる。昔、船のうきの綱につけた結び目で、移動した距離を計ったことによる。それが船の速力を表わす単位として使われるようになったのは16世紀頃のイギリスでのこと。

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ハンドログ(測定具)と砂時計

 

2015年1月 3日 (土)

バスと人生

Photo_4   時刻表にもとづき電車やバスは毎日全国各地を運行している。朝も昼も夜も、多くの人々が利用し、それぞれの人生がある。テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」はとても面白い。今回、大阪から金沢の旅だが、汽車や高速バスを利用せず、路線バスだけとなると乗り継ぎがむずかしい。途中、バス路線がなく数キロの雨中行軍や、トンネル工事のため、やむをえずロケ車移動もあったが何とか時間内にゴールできた。この番組の醍醐味は太川陽介や蛭子能収の珍道中にあるが、実はバスの運転手や案内所の職員や旅館の女将、あるいは行きずりの市井の人であるような気がする。ラスト近くでダメかと思われたが、案内所の職員の機転で裏技が発見された。「松本清張のミステリーみたい」という言葉が印象的だった。

2014年10月 3日 (金)

JISマークの考案者は高橋重

    昭和24年に工業標準化法が制定されて、日本工業規格の検査に合格している製品に付けることできる印を考案することになった。当時通産省工業技術院の職員だった高橋重(たかはししげ)が図のようなマークを考案した。2005年には横書きに改定されたが、高橋の考案したマークが50年も使われていた。(参考:旬刊時の法39,1,23.№486)

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上山英一郎

Photo   上山英一郎(1862-1943)は除虫菊から殺虫剤の製造を研究していた。1890年に仏壇線香からヒントを得て、棒状の蚊取り線香を考案した。しかし、棒状では燃焼時間が短い。妻ゆきは「渦巻き型にすれば長持ちするのでは」というアイデアから棒状を改良し、1902年、世界初の渦巻き型蚊取り線香を開発した。

2014年6月23日 (月)

紙綴器の歴史

B84b76e6   日本で指先で簡単に紙が綴じられるホッチキスが現れたのは、1952年7月、山田興業(現マックス)がハンディタイプのホッチキス「STC10」を発売した。価格は200円。それまでは重量のある卓上型のホッチキスか、キリで穴をあけ、和紙でよった紙縒りで綴じるのが一般的であった。この小型のホッチキスが販売される以前も我が国ではすでに紙綴器を「ホッチキス」と呼んでいたらしい。1903年、伊藤喜(現イトーキ)が最初に輸入販売した製品ケイズ・ディに「HOTIKISS.№.1」と刻印していたからである。ホッチキスとは商品名(会社名)で英語ではステープラーと呼ばれる。ホッチキスの起源には諸説ある。①機関銃の弾丸送出機構をヒントにベンジャミン・バークレー・ホッチキス(1826-1885)が考案したとする②ベンジャミンではなく、弟のエーライ・W・ホッチキスが発明したとする③そのどちらでもなく、イギリスのアーサー・W・ホジキンスが発明したとする。

   真相は現在もわからず、語源が人名にあることだけは確実なようである。広辞苑には「ホッチキスの名は兵器発明家ベンジャミン・バークレー・ホッチキスに因む」とあるが、彼は1885年に没しており、会社創設は1895年であることから、弟である可能性が高い。19世紀の半ば頃には今日の卓上型の紙綴器が存在していたらしい。

  最近は、針を使わず、紙を紙でとじる「針なしホッチキス」が話題である。あまり分厚く綴じられないことや、小さな穴があくことが難点である。(stapler,K'sDee)

Photo

2014年4月26日 (土)

近代産業化遺産

4976_204976_160x160cut   群馬県の富岡製糸場が世界文化遺産に登録するようイコモスの勧告があったという。日本の産業近代化に貢献した建造物や製造品、機器、文書など、多様な物件を対象に近代化産業遺産の価値ある場所が多数存在する。旧集成館(鹿児島県)、足尾銅山(栃木県)、端島(長崎県)、エッセル堤(福井県)、勝鬨橋(東京都)、北海道庁旧本庁舎(北海道)、日本橋(東京都)、観音崎灯台(神奈川県)、橋野高炉跡(岩手県)、生野鉱山寮馬車道(兵庫県)、別子銅山第四通洞跡(愛媛県)、多田銅山悠久の館(兵庫県猪名川)。画像は沖縄県島尻郡北大東村の旧東洋精糖燐鉱石貯蔵庫跡。

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