「ブス」とはトリカブトの毒のこと
「1円玉ブス」とは1984年の流行語で、それ以上崩しようがないほどのブサイクな女性のこと。「ブス」という言葉は近年ほとんどテレビでも使われなくなったが放送禁止語というほどではなく自主規制の段階か。作楽ロウの漫画に「ブスに花束を」がある。むかし不美人のことを「附子(ぶす)」と呼んでいた。それはトリカブトの毒のことで、この毒が傷口に入ると、感情や思考力が停止し、まったく無表情になってしまう。そこで、この無表情になった状態のことを「ブスだ」といい、転じて、表情のない人、美しくない人のことを、「ブス」と呼ぶようになった。「東海道四谷怪談」お岩さんが飲まされたのもこのトリカブトの毒である。
トリカブトはキンボウゲ科の多年草。秋には紫碧色の美しい花が咲く。英名はモンクスフード。その毒はむかしから知られており、アイヌは矢にこの根の汁を塗ってクマ狩りに用いたという。1991年夏、トリカブトの毒を使った保険金殺人事件がワイドショーを賑わしていた。ドラマ「トリカブト殺人事件、疑惑の女」はこの事件をモデルに犯人を女性に置き換えている。フリーライターのマリー(早見優)は、石垣島を取材中に、釣り客の神木の突然の死に遭遇した。夫の死を聞きかけつけた妻・涼子(増田恵子)が、神木の弟から、飲ませていたカプセルが原因ではないかと責められているのを目撃した。涼子は神木との結婚が3度目だったが、3人の夫はいずれも病死で、3人とも涼子の勧めで薬を飲んでいたことが分かった。また涼子が神木に多額の保険金を掛けていたことも判明し、疑惑が深まっていく。実際のトリカブト事件は有罪が確定しているが、当時は係争中であったので、ドラマは疑惑のままで終わっている。神谷にトリカブトの鉢を販売した植物商の証言や大量のフグを購入していたところを目撃した情報もあり、状況証拠の積み重ねにより有罪となった。トリカブトは即効性であるが、フグの毒を混ぜることにより、時間を遅らせることができるという。これによって神谷のアリバイが崩れたといわれるが、まるで推理小説より奇怪な事件である。(monkshood)







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