第40代米大統領ドナルド・レーガン。大統領予備選挙のとき、日本のマスコミは「リーガン候補」と報じていた。映画俳優としての経歴を持つ彼は、日本の映画雑誌などではずっと「リーガン」と表記されてきた。ところが、彼の名前の発音は「レーガン」であると、本人自身からクレームがついた。そのため、マスコミ各社も統一してレーガンと表記し、呼ぶようになった。
第16代大統領リンカーンも少し呼び名が変わっている。1990年代になって日本では、「リンカン」と表記されるようになった。教科書はもちろん、小学館や偕成社から刊行される伝記でも「リンカン」と変わっている。
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第二次世界大戦のことがマスコミなどでよく取り上げられる。最近はヒトラーのちょっとしたブームで世界恐慌から奇跡的な経済復興をとげたヒトラーの経済政策を評価した本も出版されている。先日ドイツの古い実写フイルムがテレビで流されていた。ときは1933年の5月10日の夕刻。学生たちはゲッペルスの言葉に応え、積みあげた薪のうえに、本をつぎつぎと投げ込んでいた。レマルクの「西部戦線異状なし」。トーマス・マンの「魔の山」、ホイヒトバンガーの「成功」、アルノルト・ツバイクの「グリシャの軍曹」、ブレヒトの「パール」や、その他の本が焼かれた。ジークムント・フロイト、エミール・ゾラ、プルースト、H・G・ウェルズ、アプトン・シンクレア、ヘミングウェイ、アンドレ・ジッドの作品も炎に投ぜられた。全部で、2万冊以上の本が灰と化した。なかでも象徴的だったのがハインリッヒ・ハイネの詩集であった。ハイネといえば日本でも明治以来、恋愛詩人として知られているが(実際は恋愛詩だけではないが…)、ドイツでは必ずしも人気があるとはいえなかった。その理由はナポレオンを崇拝したからか、否、ハイネがユダヤ系だからか。ともかくもむかしから反ドイツ的とみられていたらしい。ヒトラーの反ユダヤ主義は狂気じみていたし、民衆もその狂気を支持していた。本を焼くことは、狂気の沙汰である。フランスのサルコジ大統領は「クレーヴの奥方」を非難して国民から顰蹙をかった。アフガン駐留兵がコーランを焼却したり、集団が特定の本を攻撃することはしばしばみかける。
ところでヒトラー(Hitler)という姓を名乗る人は現在いるのだろうか?戦後のドイツの法律でヒトラーと名乗ることは禁じられている。もともとヒトラーはオーストリア人だった。ヒトラーの父、アロイスの母親の結婚した相手が「Huettier」の姓を持っており、「ヒュットラー」あるいは「ヒードラー」に近い訛った発音だった。その後、成人したアロイスは私生児である過去を嫌って、「ヒトラー」とした説がある。したがって、ドイツにはヒトラーはいないもの、Huettierの姓をもつ人は他国にもいる可能性はある。最近、オーストリア北部レオンディングにあるヒトラーの両親の墓が撤去された。ドイツのバイエルン州ブンジーデルにあるルドルフ・ヘスの墓も昨年7月、撤去されたという。
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人物の姓氏から家系の起源や分布を調べるとき、太田亮(1884-1958)の労作「姓氏家系大辞典」を利用する。姓氏には地名からとったものが多い。佐賀県で例をあげると、「一番ヶ瀬」という地名が佐賀県神埼市にある。社会福祉学者、一番ヶ瀬康子の遠祖は佐賀か。タレントのKABAの本名は椛島永次。肥前国椛島(武雄市北方町)。佐賀市には薬師丸という地名がある。女優薬師丸ひろ子の遠祖は佐賀出身なのだろうか。「○丸」という名字は、多くは藤原氏の関係者に多い。九州には、いろんな「○丸」姓がある。綾瀬はるかの本名は蓼丸綾という。遠祖は九州だろうか。
悪役俳優で知られた須賀不二男は本名を蜂須賀昭行という。蜂須賀といえば阿波(徳島県)を連想するが、須賀は淡路島出身。江戸時代淡路は阿波国に属したが、稲田騒動で明治になって兵庫県に属した。姓氏が家系の由来をあらわしたと言えるだろう。
夏目漱石は渾名の命名にかけては名人級だろう。「赤シャツ」「野だいこ」「うらなり」「山嵐」「マドンナ」いずれも個人の容貌、性質、言動などの特徴をとらえて、いまも生きているような清々とした感がある。もし漱石が生きていれば当世政治家はどんな渾名が付けられるだろうか。
時の宰相野田佳彦は自らの渾名を「どじょう」と称して庶民ぶりをアピールしているが、明治の頃は「どじょう」は下級官吏のことだった。菅直人は気むずかしい性格からマスコミから付けられた渾名が「イラ菅」。鳩山由紀夫には「宇宙人」「ルーピー鳩山」という嘲笑風の渾名がある。ルーピー(loopy)とは、耳慣れない単語だ。「愚か者」という意だそうだが、学習用の辞書には見えない場合も多い。ウェブスターには「a slightly crazy」とある。ほんとうかどうかわからないが、loopは「輪」なので、「くるくる回る」、つまり「くるくるパー」だという説明をしている記事が見える。foolish、stupid、crazy、loopy、英語の使い分けは難しい。使わないほうがよさそうだ。
一国の宰相はもっとも愛称がつけられやすい。ビスマルクは「鉄血宰相」、サッチャーは「Iron Lady(鉄の女)」。わが国では、円満な容貌と楽観的性格から高橋是清は「だるま」、人情味あふれる正義感から濱口雄幸は「ライオン宰相」、グロテスクなビリケンのような禿頭から寺内正毅は「ビリケン宰相」と呼ばれた。小渕恵三は「冷めたピザ」。
「♪恋というもの知りたくて、あの娘の名まえを呼んでみたら、俺の心のかたすみを、冷たい夜風が吹きぬけた~」(にしきのあきら「もう恋なのか」)
男にとって女の名まえには、いとおしさ、せつなさがつきものである。「ひとみちゃん」(神戸一郎)、「江梨子」(橋幸夫)、「純子」(小林旭)、「順子」(長渕剛)、「SACHIKO」(ばんばひろふみ)とヒット曲も多数ある。最近はなぜか本名で勝負する女優が多いが、むかしはほとんどが芸名をつけた。「100メートル先から見ても、実にきれいだ」という美人女優ばかりを集めた。次の本名は誰でしょう?
①会田昌江②平山秀子③加藤和枝④旭爪明子⑤河野美保子⑥加治信子⑦香川阿都子⑧大鷹淑子⑨倉成直子⑩牧野香子⑪浅井信子⑫富沢住恵⑬西山都留子⑭坂爪セツ子⑮菱田美恵子⑯蓼丸綾
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①原節子②高峰秀子③美空ひばり
④月丘夢路⑤越路吹雪⑥乙羽信子
⑦浜木綿子⑧李香蘭⑨津島恵子
⑩香川京子⑪浅丘ルリ子⑫桂木洋子⑬轟夕起子⑭若山セツ子⑮丘さとみ⑯綾瀬はるか
世志凡太(せしぼんた)の芸名はフランス語の「セシボン」(それは素敵だ)からきている。むかしシャンソンの「セ・シ・ボン」がアメリカのジャズでヒットし、世界的に流行した。それにしても、粋でシャレていてクスっと笑える芸名だ。このように「駄じゃれ」「もじり」「あやかり」をベースに「クスっと笑える」のような芸名を探してみる。
昭和を代表するコメディアン益田喜頓は、アメリカの喜劇王バスター・キートンに由来するが、やはり芸名に風格というか気品が漂う。山茶花究(さざんかきゅう)も九九の「3×3=9」がベースとなっているが、こどもの頃は「山茶花」が読めなくて「やまちゃばな」と言っていたのを思い出す。山茶花究と同じ「あきれたぼーいず」の芝利英はモーリス・シュバリエだそうだ。谷啓もアメリカのミュージカルスター・ダニー・ケイのもじり。久石譲もクインシー・ジョーンズのもじりだとは知らなかった。漫談師の森野福郎は、ほのぼの系の芸名でクスっと笑える。はせさん治は「馳せ参じる」(大急ぎで参上する)からくる。漫才師の南都雄二も「何という字?」から来ているらしい。味のある演技の右左田一平は酒好きで「そうだ、1杯やろう」から。二枚目の加勢大周は勝海周の語呂合わせらしい。佐藤B作は政治家・佐藤栄作のあやかり。反町隆史はボクサーの龍反町に因む。「およげ!たいやきくん」の子門真人はイエスの弟子シモン(ペテロ)からくる。キートン山田はバスター・キートンからくる。二つの芸名をかけあわす方法はよく使われるが、桜田聖子は桜田淳子+松田聖子。さくらももこは桜田淳子+山口百恵。歴史上人物のあやかりは、藤原釜足(藤原鎌足)、西郷輝彦(西郷隆盛)、ガッツ石松(森の石松)、根津甚八(真田十勇士の一人)など多い。駄じゃれ系としては本名をもじることが多い。モロ師岡、寺門ジモン、浅越ゴエ、たかたかし、のこいのこ、段田男など。
たけし軍団にもユニークな芸名は多いが下品で侮蔑的なニュアンスがあり、クスっと笑えない。いまではメディカル・ドラマは多いが、その先駆となったのが「ベン・ケーシー」。白衣を着た医療漫談・ケーシー高峰は名前を聞いただけで、思わずクスっと笑える。
作家の江戸川乱歩はエドガー・アラン・ポーのもじりということは有名であるが、花登筐がイギリスの劇作家バーナード・ショウに由来することはあまり知られていない。
映画「群衆」を見ていたら、ホームレスのゲーリー・クーパーがジョン・ドゥー(John Doe)という名前。よくわからないが、名無しの権兵衛という意味だそうだ。
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