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2017年4月25日 (火)

珍しい苗字の一般化

   剛力彩芽は珍しい苗字であるが、芸名ではなく本名だそうだ。本人は「1回で覚えてもらえるラッキーネーム」といっている。「日本姓氏語源辞典」によると、「静岡県三島市。高力の異形。修験者に従って荷物を運ぶ従者の呼称の強力は、剛力とも表記した」とある。忽那汐里もいまでは「くつな」と誰でも読める。

   1980年前後、薬師丸ひろ子や荻野目慶子がデビューしたころ、漢字3文字の珍しい苗字が話題となったが、今ではあまり珍しいとも感じなくなった。芸能人が苗字を一般化するのに大きく貢献することがある。東海林と書いて「しょうじ」と読むのは、よく知られている。おそらく歌手の東海林太郎の存在があるからだろう。もともと山形では「とうかいりん」、秋田では「しょうじ」と読む。

    左右田一平の芸名由来は酒好きで、「そうだ、一杯(いっぺい)やろう」の洒落だったが、左右田(そうだ)姓の一般化に貢献している。

    歴代内閣総理大臣の名前を見ると、伊藤・加藤・吉田・田中など平凡な苗字が多い。幣原喜重郎の苗字は「しではら」と読む。現在でも一般化しておらず、読める人は少ない。つまり芸能人やスポーツ選手のほうが政治家より苗字は一般化しやすい傾向にある。

    市毛(いちげ)、蛭子(えびす)、忍成(おしなり)、神代(くましろ)、設楽(しだら)、梵(そよぎ)、筒香(つつごう)、蜷川(にながわ)、羽生(はぶ)、毒島(ぶすじま)などの珍しい苗字がスラスラ読めるのも、市毛良枝、蛭子能収、忍成修吾、神代辰巳、設楽りさ子、梵英心、筒香嘉智、蜷川幸雄、羽生善治、毒島章一など各界に著名人がいるからであろう。

2017年4月20日 (木)

読みにくい名前はなぜ増えたのか

Tumblr_m6479nkhbp1qbrdqeo1_400     「雄」と書いて「らいおん」と読む。「亜人夢(あとむ)」、「瑠美衣(るびい)」、「希空(のあ)」、「澄海(すかい)」、「柊希(しゅうき)」「心陽(こはる)」・・・アニメキャラクターのような名前の子供が増えている。ある親が小学生の名簿を見てびっくりした。女子の名、「○子」は100人のなかで、わが娘たった一人だった。少子化のため親は我が子に個性的な名前をつけるようになった。比較的平凡な感じがする「子」のつく女子名は避けるようになった。古風というか、真面目という感じが将来どのように捉えられるか親が不安であり、「子」を避けるようになったのであろうか。2016年の新生児で「〇子」はわずか3%にすぎない。

   女子の名に「子」とつけるのが流行するのは明治33年頃に急増する。津田梅子(1864-1929)は、初名は「うめ」であるが、明治35年に漢字表記を「梅子」に改めている。与謝野晶子(1874-1942)も本名は「志ょう(しょう)」であるが「晶」(しょう)、そして「晶子(あきこ)」という筆名を使用している。「〇子」という命名は女性が輝くシンボルとなった。

   武者小路実篤の明治41年の処女小説「芳子」に次のような下りがある。「兄は「なんという名をつけよう」「しる子がいい」「団子がいい」「きな子がいい」などふざけてはいたがいい名が考え出せない。」 この当時、すでに女子に「○子」は一般的になっていたらしい。だが子が付く女子は昭和39年、高度成長期の頃から次第に減少していった。背景にはテレビの普及とアイドルタレントによる影響があるらしい。

最新の「キラキラネーム」ベスト5。皇帝 しいざあ、一心 ぴゅあ、大海 おーしゃん、姫星 きてい、愛羅 てぃあら。(参考:佐藤稔「読みにくい名前はなぜ増えたか」、橋本淳治・井藤伸比古「子のつく名前の誕生」)

2017年4月18日 (火)

難読人名あれこれ

 「指原(さしはら)」「神志那(こうじな)」「川栄(かわえい)」。AKBグループで初めて知った苗字は多い。苗字の数はおよそ29万件もあり、その種類の豊富さでは世界一といわれる。日本人の名前は苗字と名の組み合わせ。名の読み方もさまざまある。名前を間違って覚えていたり、知ったかぶりしていたケースもある。名前の読み方が分からない芸能人ランキングで1位は、小澤征悦。「おざわゆきよし」と読む。プロ野球を観戦していると難読人名に出会う。横浜DeNAの4番、筒香嘉智。「つつごう よしとも」と読む。巨人の内野手、辻東倫。「はるとも」と読む。スポーツ界や芸能界は難読名・珍名の宝庫である。諸口十九、野羅久良夫(岡田時彦の変名)、関根達発、横尾泥海男、帰山教正、いずれも日本映画草創期のスターや監督だが、今では名前すら読むことは難しい。「もろぐちつづや」「せきねたっぱつ」「よこおでかお」「かえりやまのりまさ」と読む。終戦直後の女優「木匠久美子」は「もくしょうくみこ」と読む。現役の俳優でも珍しい苗字がたくさんある。温水洋一は売れっ子になったので「ぬくみず」と読めるが、珍しい。香椎由宇(かしいゆう)の「香椎」は古く香椎宮から知られる。香椎園子という帝国キネマの女優もいた。「龍馬伝」で千葉佐那の役で評判の貫地谷しほりの「貫地谷」も珍しい。「リンゴの唄」で知られる作曲家万城目正(まんじょうめただし)。小説家の万城目学は「まきめまなぶ」と読む。気象予報士の虫鹿里佳「むしかりか」は愛知県一宮市出身。犬山市には虫鹿神社がある。日本文化研究家のドナルド・キーンが日本国籍を取得した。日本名は漢字表記(通称)で「鬼怒鳴門(キーン・ドナルト)」とした。戸籍名は片仮名で「キーン・ドナルド」。

  難読人名一覧

歴史上人物
阿弖流為  あてるい
打它公軌    うつだ きんのり(江戸初期の豪商)
正親町天皇 おおぎまち てんのう
大仏宗宣  おさらぎ むねのぶ
樺山資紀  かばやま すけのり
宜湾朝保  ぎわん ちょうほ
日柳燕石  くさなぎ えんせき
佐野利器  さの としかた
鹿都部真顔 しかつべ まがお
向象賢    しょう しょうけん
千々石ミゲル ちぢわ みげる
沈南蘋    ちん なんびん
莅戸太華   のぞきど たいか
曲直瀬道三 まなせ どうさん
箕作阮甫   みつくり げんぽ
村上霽月   むらかみ せいげつ
余熊耳    よ ゆうじ
慶滋保胤   よししげの やすたね

芸能・スポーツ関係
松坂桃李   まつざか とおり
鞘師里保   さやし りほ
布袋寅泰   ほてい ともやす
伊原剛志   いはら つよし
内藤剛志   ないとう たかし
生田斗真   いくた とうま
六平直政   むさか なおまさ
柳楽優弥   やぎら ゆうや
忍成修吾   おしなり しゅうご
宇梶剛士   うかじ たけし
忍足亜希子 おしだり あきこ
高岡蒼甫    たかおか そうすけ
井ノ原快彦  いのはら よしひこ
小澤征悦    おざわ ゆきよし
金本知憲   かねもと ともあき
岡田彰布   おかだ あきのぶ
梵 英心   そよぎ えいしん
蛭子能収    えびす よしかず
伊武雅刀    いぶ まさとう
寺田農      てらだ みのり
辻萬長    つじ かずなが
崔岡萌希   つるおか もえき
内村光良   うちむら てるよし
内野聖陽    うちの まさあき
田中マルクス闘莉王 たなかマルクストゥーリオ
九十九一  つくも はじめ
丹古母鬼馬二 たんこば きばじ
大森南朋  おおもり なお
神代辰巳  くましろ たつみ
森本稀哲  もりもと ひちょり
今給黎教子 いまきいれ きょうこ
井口資仁   いぐち ただひと
堀口一史座 ほりぐち かずしざ
錦織圭    にしこり けい
錦織一清   にしきおり かずきよ
小林可夢偉 こばやし かむい
槇原敬之   まきはら のりゆき
中村 中   なかむら あたる
浜田雅功   はまだ まさとし 
板尾創路   いたお いつじ
田中聖    たなか こうき
羽生結弦    はにゅう ゆづる
村主章枝   すぐり ふみえ
城 南海   きずき みなみ
前田亘輝   まえだ のぶてる
菅田将暉   すだ まさき

政経・学芸関係
葦津 珍彦  あしづ うずひこ
愛宕 松男  おたぎ まつお
飯島 魁   いいじま いさお
一万田尚登 いちまだ ひさと
井深大    いぶか まさる
五百旗頭真 いおきべ まこと
伊波普猷   いは ふゆう
上田萬年   うえだ かずとし
冲方 丁   うぶかた とう 
小汀利得   おばま としえ
木村栄    きむら ひさし
久曽神昇   きゅうそじん ひたく
巨智部忠承 こちべ ただつね
塩野七生   しおの ななみ
菅原通済   すがはら みちなり
百々武    どど たけし
平出鏗二郎 ひらで こうじろう
朋誠堂喜三二 ほうせいどう きさんじ
森 恪     もり つとむ
毛利子来   もうり たねき
和田清    わだ せい
角川歴彦   かどかわ つぐひこ
内田樹    うちだ たつる
互盛央    たがい もりお
西原理恵子 さいばら りえこ
魚返善雄   おがえり よしお
妻鹿加年雄 めが かねお
内藤濯    ないとう あろう
弓削達    ゆげ とおる

2017年4月15日 (土)

なぜ仮名は山田太郎なのか?

P2090002_convert_20100222131035   「ぼくの渾名を知ってるかい。朝刊太郎と言うんだぜ~♪」山田太郎のさわやかな青春歌謡が町に流れていたのは、昭和40年のことであった。テレビドラマ「山田太郎ものがたり」は高校生の山田太郎(二宮和也)。貧乏家族で6人もの弟妹たちの給食費を稼ぐため、アルバイトをして、節約し、貯金をためる。このドラマでは山田太郎はビンボー人の代名詞となっている。時代は変われど、山田太郎というありふれたネームは、ごく一般の庶民というイメージから、なんとなく親しみやすく、ユーモラスな感じのある日本人名前の典型となっている。いつ頃から山田太郎がありきたりな名前、仮名として使われたのか?なんと現実に全国でおよそ200人も山田太郎さんがいるという。NHK人名探求バラエティー「日本人のおなまぇ!」ではなぜ山田太郎が代表的な名前になったのかを徹底解明する。文書の記入例に多い説、ドカベン主人公説などこれまでの俗説を否定する。NHKが全国1896の市区町村に電話取材したところ、住民票の記入例に山田太郎を使用しているところは、わずか0.9パーセントであることがわかった。そして1963年デビューの「新聞少年」を歌った山田太郎が「山田=平凡説」のきっかけになったと結論する。当時、平凡の意味が今とは異なり、良いイメージだったという。本当に歌手山田太郎が代表的な名前となったルーツなのか、あるいは、それ以前から山田太郎が平凡名の典型だったのか、今後もさらに検証を要する課題である。個人的な記憶では昭和30年頃すでに山田太郎が典型的な形式の日本人の名前として、書類の記入例などに良く用いられていたと思う。戦前の作家、牧逸馬の短編小説「浴槽の花嫁」には「これも山田太郎的に、変名で候という変名だ」とあることから、昭和初期には山田太郎は典型的な仮名だったことがわかる。

 

 

2017年4月10日 (月)

名前の意味

Kureopatora    古今東西、いかなる国においても名前には通常意味がある。古代エジプトの最後の女王クレオパトラの名はギリシア語で「父の栄光」を意味する。チンギス・ハーンの幼名テムジンはモンゴル語で「鉄をつくる人」の意味。ソ連の政治家スターリンは「鋼鉄の人」という意味。レーニンは「レナ川の人」。ケマル・アタテュルク。「アタテュルク」とは「父なるトルコ人」。

ボッティチェリ  小さな樽

ティントレット  染物屋

エル・グレコ  ギリシア人

   プラトンの本名はアリストクレス。体格が立派で肩幅が広かったため、「プラトン」(広いという意味)という渾名で呼ばれていた。▽イギリスの舞台俳優ジャック・ホーキンス(1910-1973)は映画でも「ピラミッド」「ベン・ハー」など将軍役がふさわしい。ホーキンス家といえばイギリス海軍史に名を連ねる提督を輩出しているが、彼がそのホーキンス家の一門なのか確証はないが、いかにも相応しい名前である。

2017年4月 9日 (日)

父と同じ名前

   西郷隆盛の父の名は西郷吉兵衛隆盛。現在の戸籍法では、子は親と同じ名をつけることはできない。海外では父と同名は認められている。トランプ大統領の長男はドナルド・トランプ・ジュニア。クリント・イーストウッドの本名はクリントン・イーストウッド・ジュニア。作家のヘンリ―・ジェイムズの父もヘンリー・ジェイムズ。

「齋藤」日本の苗字

   NHKの新番組「日本人のおなまえっ!」第一回は「さいとう」姓。斉藤、斎藤、齋藤、齊藤などさまざまな字体があり、戸籍コンピーター会社によると85種類あるらしい。ルーツは伊勢神宮の神様を迎えるため身を清めた役職、斎宮頭(さいぐうのかみ)に由来する。10世紀の中頃、斎宮頭に任ぜられた藤原利仁の子、藤原叙用(のぶもち)は、官職名と姓に因んで(斎宮の斎、藤原の藤)「齋藤」を号し、子孫は齋藤氏となり自身は齋藤氏の祖となる。明治初期の戸籍作成のとき、手書きのため誤字かそのまま登録され、多くの字体がーに別れる一因になった。斉藤姓で一番知られるのは、戦国の武将、斎藤道三。近年の研究によれば美濃の国盗りは道三一代のものではなく、その父松波基宗(または松波庄五郎)との父子2代にわたるものではないかと考えられている。コンサイス日本人名事典によれば斎藤姓は歌人の斎藤茂吉以下50人ほど掲載されているが、それほかの人名を調べる。斎藤達雄(1902-1968)は独特の存在感を持つ飄々とした演技で戦前戦後の喜劇映画に多数出演した。番組中では壇蜜の本名および旧芸名が齋藤支静加であることが等身大パネルを使って紹介されたが、わたし世代としては天地真理の本名が齋藤真理であることのほうがインパクトが大きい。ゲストも齋藤司、斉藤慶子ならば、乃木坂の斎藤飛鳥がベストかな。

2017年4月 8日 (土)

難読・奇名・珍名アラカルト

Photo   九(いちじく)、十八女(さかり)、九十九(つくも)、小鳥遊(たかなし)、一口(いもあらい)。世の中は広く、意外な奇名・珍名の人がいる。モデルの尻無浜冴美。「しなはま」と読む。鹿児島県阿久根市に多い苗字だそうだ。 ラクビ―の五郎丸歩。サッカーの手倉森誠。プロ野球を見ていると珍しい名字の選手がいる。横浜の筒香(つつごう)、西武の十亀(とがめ)。家具店のニトリ、創業者の苗字は似鳥。下條アトムは芸名ではなく本名である。下條アトムが生まれたのは「鉄腕アトム」が連載開始よりも前である。また、ウランという名前の女の子(しかも彼女の苗字は「賀来」であり、字を変えれば「核ウラン」)が偶然にも下條の小学校時代の同級生におり、NHKの「私の秘密」に2人が出演している。

  「読めない漢字の読本」(小学館)に「日本人の姓氏」がのっている。四十物(あいもの)、安形(あがた)、圷(あくつ)、足助(あすけ)、女部田(うえだ)、雨車(うるま)、興梠(こうろぎ)、五月女(そおとめ)、八月一日(ほづみ)、四月一日(わたぬき)。

毎日新聞社の「雑学事典」に面白い珍名が載っている。42年も前の本だがけっこう貴重な記述である。「東京浅草に住む宮本武蔵がテレビに登場したと思ったら、新宿の佐々木小次郎も名乗りをあげた。以下、実在の人物を紹介する。左行規則=サギョウヨシノリと読む。長崎の弁護士さん。石倉金庫=金貸しではない。中等教員合格者である。留守勝=うっかり表札なんか出しておくと、コソ泥に狙われそう。名古屋の国鉄職員。行方不明=どういたしまして、東京は神田の生まれ。執行猶予=れっきとした裁判所の判事さん。北海道庁=やっぱり北海道に住んでいる。千葉太郎=文字どおり千葉に住んでいる。無敵達人=武蔵さんも小次郎さんも、これにはかないそうにもない。佐賀県人。佐々木正月十三日=ササキマツキトサヒと読む。倅の生年月日を忘れぬために命名したらしい。宮城県在住。一二三四五六=ヒフミシゴロクと読む。某生命保険の加入者名簿にのっている。日本国民=ヤマトクニオウと読む。甲府の農家の人。仕入安=易者にみてもらったら、商売をやるとよろしいなんていうかも。千葉県市川市在住。六間間口=さぞや大きな家に住んでいることであろう。大阪市港区の人。三国一=おおむこうから声がかかりそう。彦根市にいる。富士山=鎌倉市在住。佐藤藤佐(1894-1985)=サトウトウスケと読む。逆立ちしても同じ。ご存知、元検事総長である。外国人名では、ショーン・オチンコ、フランク・マンコビッチ、モブツ・セセ・セコ(コンゴ民主共和国の大統領)など。参考:「難読稀姓辞典」高信幸男編

2017年3月27日 (月)

競走馬の名前が9字以内の理由は?

  馬主にとって最大の楽しみは、自分の持ち馬に名前をつけることだそうです。シンボリクリスエス、ダップダンスシチー、ディープインパクト、メイショウサムソン、ダイワスカーレットと、いろいろな名前がある。だが、よく見てみると名前は、みんな9文字以内になっている。それは日本中央競馬会には、馬名は2字以上、9字以内という規定があるからだ。ではなぜ9字以内に決められたのか、はっきりした理由はわからない。おそらく競馬の先進国であるイギリスやフランスにあるパリ協約で競走馬の馬名はアルファベットで18文字以内と決められていることによると思われる。

2017年3月21日 (火)

ペンネーム、芸名にまつわる話

 名前には不思議な力が宿る。井原西鶴、太宰治、司馬遼太郎、レーニン、トロッキー、スターリン、魯迅などはみな本名ではなく筆名である。第48代横綱大鵬には本名の納谷幸喜( なやこうき)のほかに、イヴァーツ ・ボリシコというロシア名がある。小説家は、小説の精神をそのまま具現化して読者に伝える主役や脇役の名前の命名に苦心を払うらしい。かの文豪シェイクスピアがハムレットやオフィーリアをどのように生み出したのか興味深い。ところで名前は平凡な名前と珍しい名前のどちらかに二分される。山田太郎、鈴木一郎、ジョン・スミス、ウイリアム・ウィルソンなどは平凡な名前、ありふれた名前の代表格だろう。

    対照的に珍しい名前、珍名、奇名、難しい名前などはインパクトがあるので小説などによく使われる。けれども不思議なもので何度も聞くうちに、めずらしくなくなって、ひとつの存在としてのアイデンティテーを確立してしまう。星飛雄馬などは梶原一騎が考案した最高のネーミングだろう。このようにスター性のある人にはなにかしら名前そのものにパワーがあるから不思議だ。「純と愛」に出演している吉田羊や「鈴木先生」の土屋太鳳もインパクトある名だ。

   「しりあがり寿」「辛酸なめ子」、女性器をテーマにした作品で知られる「ろくでなし子」など珍名は漫画家に多い。お笑い、寄席芸人にも珍名は多い。ケーシー高峰は医学漫談でアメリカのドラマ「ベン・ケーシー」に因む。高峰は高峰秀子のファンだから。桜金造も桜田淳子に因む、あこがれ型芸名。プリティ長嶋は長嶋茂雄に由来。珍しい芸名では丹古母鬼馬二。「たんこばきばじ」と読む。珍名といえば「たけし軍団」がとくに目立つ。そのまんま東、ガダルカナルタカなどは著名人だが、なかにはヒドイ芸名をつけられたという被害者もいる。阿部定忠治(のち鳩山来留夫に改名)、無法松、お宮の松、玉袋筋太郎、犬神クヒオ、ガンビーノ小林、マダ村越。

    歴代相撲の四股名では、猫又三吉、三毛猫泣太郎、自動車早太郎、文明開化、凸凹大吉、ヒーロー市松、成瀬川土左衛門、山本山。ボクシングでは、ガッツ石松、ベンケイ藤倉、牛若丸あきべぇ。

    珍しい名前といえば、「玄武岩」という名を見て驚いた。ヒョンムアン(玄武岩)さん(北海道大学大学院准教授。1969年生まれ。)ペンネームには変わった名前が多い。団鬼六、吉田戦車、荻原魚雷、わかぎゑふ(若木F)、などは一度聞いたら忘れないほどインパクトがある。

    珍しい芸名が裁判になったこともある。高知東急という俳優が、1996年、東京急行電鉄から「高知に東急が進出したと誤解を受ける」と芸名使用停止を求められた。裁判で敗訴し、その後、「高知東生(たかちのぼる)」と改名している。企業のかなりコジツケのような言いがかりだったが、裁判所は一個人命名の自由よりも大企業に贔屓したとみている。

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