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2022年10月10日 (月)

リムスキー・コルサコフ夫人の肖像

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    フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター(1805-1873)の作品に「リムスキー・コルサコフ夫人の肖像」(1864)というロシア上流貴婦人を描いた名画がオルセー美術館にある。日本人からの観光客が見て誰もが驚く。女優の名取裕子に激似なのだ。リムスキー・コルサコフはロシア五人組の作曲家とは別人である。ロシアの名取裕子Madame Barbe(1833-1878)は、このとき 31歳で、45歳で亡くなっている。

2022年5月 1日 (日)

セーヌ河のイエナ橋

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 ゴーギャン セーヌ河のイエナ橋 1875年

   色彩も線もまだゴーギャンの特徴はみられない。広大な展望と緻密な描写による静寂な雰囲気がある。イエナ橋はパリのシンボル、エッフェル塔の下に架かる橋であるが、エッフェル塔が1889年に建設されたのでもちろん描かれていない。セーヌ河畔の名物ブキニスト(古本屋)が現れるのも20世紀になってからである。

 

 

 

2021年7月27日 (火)

この名画はジャンヌ・ダルクではない

Marianne20de20delacroix フマキラーのゴキブリ革命のCM。教科書にも載っているドラクロワの有名な絵画「民衆を導く自由の女神」が使用され、「フランス革命」というナレーションがつけられる。これは間違い。フランス革命より40年くらい後の1830年7月27日に起こった七月革命に想を得て描かれた作品である。もっと酷いのはジャンヌ・ダルクに間違われることがある。広瀬すずの ドラマ「学校のカイダン」第7話。謎の男、雫井彗を演ずる神木隆之介がドラクロワの絵を指して「ジャンヌ・ダルクも下からのし上がってきた」と説く。このドラマには仏百年戦争の英雄ジャンヌ・ダルクの名前がしばしば引き合いに出される。ジャンヌ・ダルクにしては乳房が豊満すぎるし、百年戦争当時はまだフランス国旗や銃はなかった。ルーヴル美術館にあるこの絵画を観て、なぜかジャンヌ・ダルクだと勘違いしている日本人観光客は多いという。三色旗を持っている女神は、フランスという国家自体を擬人化したマリアンヌという架空の人物といわれる。一説によると、戦闘で弟を失い、仇を討とうと奮戦したアンヌ・シャルロットという洗濯女の伝説をモデルにしているともいわれる。なおミュージカル「レ・ミゼラブル」で描かれる暴動もフランス革命ではなく、この六月暴動と七月革命である。(7月27日)

 

 

2021年6月 1日 (火)

日本にある印象派シスレーの絵画

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「サン・マメス6月の朝」
1884年 ブリジストン美術館蔵 

    印象派の巨匠シスレーの「サン・マメス六月の朝」は東京・ブリヂストン美術館の至宝である。6月の朝の光のさわやかさを、遠近法のうちに、鮮やかな光と影の入念な描き分けによって惜しみなく表現している。樹葉のひろがりに点綴された色斑の筆触も制御されたものであり、色彩も豊潤である。サン・マメスはパリ近郊の田舎町で何度も描いているが、シスレーは一度も住んだことはなかった。

   「彼はすぐれた空の画家であり、エーテルの奥行きを表現し、この広がりの中に雲の群れを浮ばせることを知っていた。彼は、晴れやかな自然への愛をもって、ある一日の風景の魅力や穏やかさを彼なりに表現した」(ギュスターヴ・ジェフロワ)

東京のブリジストン美術館にはほかに2枚のシスレーの作品がある。

 

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 「シュレーヌのセーヌ河」1879年

 

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 「森へ行く女たち」 1866年

2021年5月11日 (火)

ダリの窓

Img_0013 窓辺の人物 1925年

 

   本日はサルバドール・ダリ、1904年の誕生日。この絵はダリがマドリードの美術学校を退学処分された青年時代の作品。キリコのような不可解で不安をかきたてるような雰囲気。少女がうしろ向きで外の景色をながめているが、何を思っているのだろう。モデルはおそらく妹のアナ・マリアであろう。動物的本能で窓辺よりも女性のお尻に目がいってしまう。(5月11日)

 

 

2020年8月17日 (月)

今日の名画

Photo シニャック ヴェニス、サルーテ教会 1908年 宮崎県立美術館

 

サンタマリア・デラ・サルーテ教会は17世紀に建てられたバロック式の建物(1681年完成)で、サン・マルコ寺院の対岸にある。

 

 

2020年6月25日 (木)

風景画家リチャード・ウィルソン

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   ウィルソンは英語圏で一般的な人名。広辞苑には8人のウィルソンが掲載されている。アンガス・ウィルソン(小説家)、チャールズ・ウィルソン(物理学者)、コリン・ウィルソン(小説家)、エドワード・ウィルソン(文芸批評家)、ハロルド・ウィルソン(政治家)、ケネス・ウィルソン(物理学者)、ロバート・ウィルソン(天文学者)、トーマス・ウッドロウ・ウィルソン(米大統領)。18世紀のイギリスの風景画家リチャード・ウィルソン(1713-1782)は掲載なし。彼はロイヤル・アカデミーの創立の1人であり、名声をほしいままにしたが、晩年は酒に溺れ、その気難しい性格で人気は急落した。「リン・ナントル湖から見たスノウドン山」(1765年)は彼の代表作で、古典主義の伝統にのっとった理想化と調和を、自然主義的な実際の景観と渾然一体にすることに成功している。リチャード・ウィルソンは長い間評価されなかったが、今日ではターナーやコンスタブルに大きな影響を与えた、最初の偉大なイギリス風景画家とみなされている。

2020年6月 7日 (日)

今日の名画

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ホルマン・ハント 雇われ羊飼い  1852年  マンチェスター市立美術館

 

ウィリアム・ホルマン・ハント(1827-1910)19世紀イギリスのラファエル前派の画家。

 

 

2020年5月28日 (木)

今日の名画

Img_0010 ブーオ  テュイルリー 1813年

    セーヌ川左岸からテュイルリーの庭園を望む風景。右手のテュイルリー宮は1871年のパリ・コミューンで焼失したが、手前の部分パヴィヨン・ド・フロールは今日ルーヴル美術館の一部として再建された。エティエンヌ・ブーオ(1780-1862)は、王政復古時代に風景画で人気を博した。

 

 

2020年5月14日 (木)

漱石と西洋美術

6b988d99   夏目漱石の初期の小説、例えば「坊っちゃん」「草枕」などには西洋絵画の新しい芸術に関する記述が多くみられる。文学の世界ではそれがどのような絵であるのか、読む者の想像でしかない。「夏目漱石の美術世界展」(2013年5月14日~7月7日)では現実には存在しない絵を当代の一流画家に再現させて、漱石の美的世界を楽しもうという趣向である。佐藤央育の「森の女」(推定試作)が展示作品中、とくに注目される。「三四郎」に登場する原口画伯は黒田清輝をモデルにしているといわれ、里見美禰子をモデルにしたこの絵は小説の主要なモチーフともいえる。

「三四郎」では三四郎と美禰子が上野の博物館へ、深見という画家の遺作展を訪れる。数多く展示された水彩画は地味ではあるが、筆致に滞りがなくさっぱりしていると三四郎は感じた。この深見画伯は浅井忠のことで、留学中の漱石と同宿したこともあり、親交があった。

 

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 浅井忠 「ベニス」 1902年 東京国立博物館蔵

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