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2009年11月26日 (木)

天空海闊

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  天空海闊(てんくうかいかつ)とは、広々と広がっていること。天が・むなしく、海が・ひろい、のと同じだ、という。度量が広い場合にも用いる。

    現在それぼど頻繁に見られる四字熟語ではないが、夏目漱石の「吾輩は猫である」に「人間とは、天空海闊の世界を我れからと縮めて、おのれの立つ両足以外には」と使用例がある。中国語では「海闊天空」の形で用いられ、日本では「天空海闊」の形で用いられる。

    漢語というのは数千年の歴史があり、奥が深いことはいうまでもない。高額のテキスト代を支払い、その中から出題された難しそうな漢語を正解し合格したといっても、漢字の世界を極めたことにはならない。その人が努力したご褒美というものではないだろうか。むしろ、漢語を日常生活の中で生かして使用し、また漢語で精神を培い、思考することが大切である。先日、「剣豪」という漢語を調べたら、それほど古い言葉ではなく、昭和の初めにある小説家が創作した漢語らしい。漢語は古くから伝統として読み方や意味も決まっているものであるが、日本流の漢語も生まれることがあり、日々変化していく現代表記なのである。

漢字テスト

次のカタカナの語を漢字に直しなさい。

 ①風景をカンショウする

 ②絵画をカンショウする

 ③事務をカンショウする

 ④政治にカンショウする

 ⑤退職をカンショウする

  *  *  *  *  *  *  *

答え①観賞②鑑賞③管掌④干渉⑤勧奨

2009年11月25日 (水)

漢字とビジネス産業

Img_0015 「礼記」楽記

    朝日新聞夕刊のニッポン人脈が面白い。本日からの新シリーズは「漢字の森深く」。ずいぶん難しい漢字を勉強している若い人がいるものである。「諸橋大漢和」が家にあるという。貧乏なケペルには、とても高価で買えない。代わりに中国で刊行された「漢語大詞典」がある。こちらのほうが語彙は多い。「嫗伏孕鬻」も収録している。「鬻」は「育」と同じ。「鳥や獣が子を産み育てること」出典は「礼記」楽記にある。ところで読み方だが、新聞には「うふうよういく」とあるが「うふくよういく」と素直に読めばいいように思うのだが、「うふうよういく」が正解だそうだ。手許に大漢和がないので確認できないのだが、もともと儒家の経典にある語なので、日本人がどのように読むかは古来からの慣例に従うしかない。漢字検定一級レベルの「四字熟語」問題だそうだが、ひっかけ問題みたいでもある。広辞苑や手許の四字熟語の辞典には見当たらないので、「四字漢語」といったほうが近い。思考するに、エコノミックな日本人は神聖なる儒教の経典の語句やら漢字そのものをビジネス市場化したようで哀しいかぎりである。諸橋轍次がこのような事実を知ったら如何に嘆くことであろうか。だがこのように難しい漢語もおそらく、江戸から明治までは漢学者は、さっと礼記を引きずり出して講釈をしたであろう。もちろん漢字を知っているとかが問題ではなくで、もっと本質的なもの、訓詁学、字句の解釈が問題なのである。今日のような検定試験で知識を競うことにどんな意味があるのか疑問だ。ところがいくら検定料が高額でも希望者は多い。ライセンス社会なのだろう。そもそも漢字を学ぶことは無料でだれでもが使用できるものなので、検定料とか、テキスト代とかを費やすことは愚かしいことである。無料で寺子屋(漢学塾)で学べるような社会にもどればいいと思う。金とかライセンスとか博学を誇示するためでなく、知ることを愛する精神を大切にしたい。

2009年11月20日 (金)

書字痙直

   しばしば学界などに参加するとき、氏名を自分で記帳させられることがある。ところが生来の悪筆を恥ずかしく思い、筆がふるえて書けなくなることがある。この症状を「書痙」という。手指の動作に支障はなく、器官的な異常も認められない。心因性のものである。うまく字が書けないのではないかという不安をもつことから起こるらしい。

    ケペルは漢字の書き取りは苦手である。今からでも遅くない。漢字の書き取りを勉強したい。自分で漢字問題を考えた。ただし常用漢字外の漢字も含まれる。

    次のカタカナの語を漢字に直しなさい。

① ショウヨウとして死に就く

② 郊外をショウヨウする

③ ショウヨウで上京する

④ 出馬をショウヨウする

⑤ 善行をショウヨウする

      *  *  *  *  *  *  *

答え ①従容②逍遥③商用④慫慂⑤称揚

2008年11月17日 (月)

沈魚落雁

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    「忘れじの午後8時13分」の川上康子

    「広辞苑」によると、沈魚落雁(ちんぎょらくがん)とは、「(荘子に、人間が見て美しい人でも魚や鳥はこれを恐れて逃げるとあるのを、後世、魚や鳥も恥じらってかくれる意に転用して)美人の容貌のすぐれてあでやかなこと」をいうようになった。

    例えば、「情婦の一笑は千金以上だ。花もしぼみ、月も隠れ、魚も沈み、雁も落ちるような美女は、もたれなくても心を奪われるものだ」という。羞花閉月、閉月羞花、羞月閉花、閉花羞月も、美女の形容に用いる。

    ところで「花も恥らうような女性」といえば、女優でいえば誰であるのか、なかなか思い浮かばない。山本富士子のようなゴージャスな感じよりも、折原啓子、宮城野由美子、川上康子のような清楚な感じの女性をイメージする。当世風であれば、「イノセント・ラヴ」の堀北真希だろうか。

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                     宮城野由美子

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                       折原啓子

2008年11月16日 (日)

楽しく難読語を学ぶ

   日本語の植物・動物・日常生活などのことばのなかには、むずかしい漢語もたくさんあります。漢字の学習を学生時代だけでなく、生涯をつうじて一歩一歩、コッコッと学んでいけば、見るからに歯の立たなかった漢字や字画の多い漢字が頭の中にうかんでくることがあります。

 さて、次の漢字、読めますか。

 胡乱

  ・

 忸怩
  ・

 剽軽

  ・

 端倪

  ・

 矍鑠

  ・

 卓袱

  ・

 雪花菜

  ・

 鱲子

 <答え>

うろん(不確実であるさま。あやしく疑わしいこと)

じくじ(自分の行いなどについて、自分で恥ずかしく思うさま)

ひょうきん(軽率で滑稽なこと。気軽でおどけること)

たんげい(推測すること)

かくしゃく(年老いても、丈夫で元気なさま)

しっぽく(そば、うどんに、蒲鉾、きのこ、野菜などの具をのせ、かけ汁をかけた料理の名)

おから(豆腐の滓)

からすみ(ボラなどの卵巣を塩漬けにしたあと干し固めた食品)