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2024年10月 9日 (水)

衆議院解散

307_2  石破首相は、きょう衆議院を解散する。首相就任から8日後の解散は戦後最短記録の更新となる。 歴代短命内閣といえば羽田孜、石橋湛山、宇野宗佑で各64日、65日、69日であった。衆議院解散には、さまざまな事情があって、奇妙な通称名がある。吉田茂「バカヤロー解散」(1953)、鳩山一郎の「天の声解散」(1955)、佐藤栄作の「黒い霧解散」(1966)、大平正芳の「ハプニング解散」(1980)、中曽根康弘の「死んだふり解散」(1986)、宮沢喜一の「うそつき解散」(1993)、小泉純一郎の「郵政解散」(2005)、安倍晋三の「アベノミクス解散」(2014)。野田佳彦は「近いうち解散」なのか「バカ正直解散」なのか統一した呼称がまだない。石破内閣は「裏金かくし解散」か。

   宇野内閣が短命という印象が強いのは女性問題からか。竹下登の後釜総裁に登用したクリーンな文人タイプだった。ハーモニカ、ピアノはプロ級で、俳人として3冊の句集がある。剣道五段で高校時代は全国制覇も成し遂げた。絵画も描くし、著書「ダモイトウキョウ」は映画「私はシベリアの捕虜になった」(1952)の原作にもなったという。いまでは宇野はワイドショーの犠牲者と見る意見もある。

 

 

2024年9月27日 (金)

次の総理は誰に?

 秋風の吹く季節になると、国民はスポーツから政治へと関心が移る。きょう自民党新総裁が決まる。つまり実質的に次期の内閣総理大臣が決まるということだ。石破茂、加藤勝信、上川陽子、小泉進次郎、河野太郎、小林鷹之、高市早苗、林芳正、茂木敏光ら9人の候補者による選挙戦となる。政治改革、物価高、憲法改正、税制改革、靖国問題などしっかりと政策の違いなどを確認したい。結局、予想どおり石破茂に決まった。10月1日に、石破氏は第102代首相に選出される。

 

 

2024年5月17日 (金)

深刻な高齢社会の問題

 先日、大阪市で「父親の介護に疲れた」と90歳の父親の首をロープで絞め殺害したため61歳の息子が逮捕されるという痛ましい事件があった。令和5年の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は約3割で、80歳以上は約1割である。この割合はさらに厳しくなる。2025年問題という言葉がある。いわゆる団塊の世代800万人が後期高齢者になる75歳に達する超高齢社会のことである。医療費や介護費の増大で、若者の負担がさらに増加する。認知症や要介護者数は急増し、老人ホームの部屋が不足し、介護職の確保も難しくなる。このような社会保障制度の課題は2025年にならないでも今現在でもすでに始まっている。核家族の進行によって、一人暮らしのお年寄りが増加している。年金だけで暮らしていけるのか、都会では地域との繋がりも希薄で孤独死もみられる。わが国の高齢社会の状態は今後100年続くといわれている。大地震や感染症対策も大切だが、徐々にしのびよる高齢社会に対応した社会基盤を整備をすることが求められている。

2024年4月14日 (日)

ラーメン一杯、千円の壁

1  「B級グルメ」、「庶民の食べ物」として長らく愛されてきたラーメンだが、今や1杯1000円前後する店も増えてきた。ラーメンを構成する肉類や魚介類、調味料、小麦など、あらゆる食材の価格が上がっており、これまでの価格を維持することが困難になってきたからだ。昭和45年ころのテレビドラマを見ていたら、コーヒー1杯がちょうど100円だった。コーヒー1杯の値段で戦後の物価の変遷がわかるだろう。昭和29年頃は50円。昭和45年頃は100円。昭和50年頃は200円。昭和62年頃は300円。現在は400円ぐらい。もちろん高級店はいくらもあるだろうが。ちなみに週刊少年マガジンが昭和34年創刊当時、40円で現在は360円。戦後から今日までの78年間、価格が変わらず安定しているのは鶏卵だけである。下のグラフは昭和35年から平成22年までの食品を主にした物価の推移を示すものであるが、「卵は物価の優等生」といわれていることがよくわかる。

  新聞代は昭和55年頃2195円(月額)だったが、3190円(平成2年)、3925円(平成12年)、4344円(令和2年)と急騰している。タクシー初乗り456円(昭和61年)、620円(平成9年)。あんぱん1個(100g)は、71円(昭和57円)、85円(平成5年)、83年(平成15年)、78円(平成25年)、喫茶店におけるコーヒー代は294円(昭和62円)、370円(平成9年)、383円(平成19年)、404円(平成29年)。

  丸田勲によると、江戸時代、卵は現代の価格になおすと約1個400円くらいだった。しかし昨年末から、卵の価格が高騰し、現在も値上がりが続いている。甲子園名物「かちわり氷」は1袋200円、甲子園のビールは1杯750円。東京ドームの生ビールはなんと900円。

 

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2024年4月 9日 (火)

ヒンクリー地下水汚染事件(1993年)

 クロム化合物のうち、酸化数が+6を含むものを六価クロムと呼んでいる。六価クロム化合物は、強い毒性を持ち大気汚染防止法に基づいて有害大気汚染物質とされている。アメリカ・カリフォルニア州ヒンクリーに工場がある大手企業PG&Eは1952年から1966年にわたる14年間にわたって発電のため、その冷却塔の防錆剤として六価クロムを使用し、汚染水を大量に投棄し続けていた。周辺住民に癌などの健康被害が多発したことから、シングルマザーのエリン・プロコビッチはPG&Eを訴え、1993年に集団訴訟を起こして勝訴した。

2024年2月12日 (月)

死人に鞭打つようなもの

    「死屍に鞭打つ」という言葉がある。亡くなった人を悪く言う。死後など、その人の悪口を言う。また、むごいことをする意のたとえ。SNSの時代、離婚など元カレ、元カノの悪口にもつかわれる。言葉の起源は中国の伍子胥の故事にある。中国でもっとも不道徳な行為とされた「墓あばき」や復讐心をいだき父と兄の讐にむくいた「臥薪嘗胆」の故事にまつわる武将である。古代のバビロニアの律法には、人がもし他人の生命を奪ったときには、その生命でもって償わせ、目を傷つけたときには目でもってそれを償わせるという掟があった。さきごろの日本人の世論調査によると、「凶悪犯罪は命で償うべきだ」という考えの人が年々増加しているらしい。死刑容認は85.6%と高い。これは国際的な流れからみると驚くべき高さである。いまの世界の趨勢は死刑廃止に向かいつつあるが、日本の国民感情は独自の方向に進んでおり、2008年に国連規約人権委員会が「世論に関係なく廃止を検討すべきだ」と勧告しているが、「将来も死刑は廃止しない」という意見が国民の間には根強い。死刑容認の理由としては「廃止すれば被害者や家族の気持ちがおさまらない」ということが一番大きいように思える。日本人とキリスト教が根底にある国との違いがその点にあるように思える。キリストは「目には目を」に対して、そういうことをしていては、恨みがいつまでも続くと考えた。彼は復讐を認めない。「汝の敵を愛せよ」というキリストの根本の教えは永遠に日本人には受け入れられないだろう。日本人にはキリストよりも伍子胥を支持する者が多いようだ。

レトルトカレーの日

 昭和43年のこの日、日本初のレトルトカレー「ボンカレー」が発売された。最近あまり動向を聞かない政治家、小沢一郎。カナリア、インコ、文鳥など、小沢一郎が自宅で飼っている小鳥は40羽以上いる。これらの小鳥のえさやりなど世話をするのは、住み込みしている書生たちの仕事である。小沢邸では働いている秘書や書生は常時20人ほどいる。午前5時に起こされて、庭の草むしり、犬の散歩、小鳥の世話、朝食の準備、と目の回る忙しさ。あるとき小沢はゴミ箱から封を切らないレトルトカレーを見つけた。「お前はボンカレーを捨てただろう」と書生にいった。「先生、賞味期限を1ヵ月も過ぎていました」と書生は答えた。「実際に食べてみてダメだと思ったら捨てろ。食べてもいないのに表示だけを信じるな」と小沢は注意した。人の噂やレッテルをむやみに信じず、自分で体験して納得したことだけを信じろと諭したのである。(2月12日)

 

2024年1月17日 (水)

阪神大震災きょうで29年

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 以前に放送されたNHKのニュース番組で放送された小さなお話。

    神戸市長田区の写真屋Aさんは震災でお店が全壊した。すでに60歳を超えていたAさんは店の再建を断念した。手許には1月17日の数日前に撮った成人式の晴着姿の記念写真があった。Aさんはノートを頼りに14年間、現住所を調べて記念写真をお客様に届けた。だが14年たった今も行方のわからない写真が2枚あった。それも今年Aさんの努力が実ってようやく振袖姿の写真を渡すことができた。14年後に受け取った女性の喜びはどんなであろうか。その女性は受け取り書を今も大切に保管していたという。当たり前の話で小さな話だが視聴者にも大きな感銘が伝わってくる。写真屋Aさんのほっとした表情がなにより印象的であった。

2023年3月 4日 (土)

国家と戦争

Img_0014 ホッブズ「リヴァイアサン」扉絵

 

  歌人というのは一般人より言語感覚に鋭いのだろう。道浦母都子の朝日新聞2009.9.13付論稿「国家戦略局、違和感ある政治用語一新を」は考えさせられるものがある。民主党新政権が作り出した新しい機関「国家戦略局」という名称が戦争を想起させるもので政治用語として適切でないという趣旨である。決して機関設立そのものへの異議ではない。単なる言葉だけの問題ではあるが、歌人ならではの意見であろう。同様の趣旨は朝日新聞の投稿欄「声」にもあった。国家は国家総動員法を想起させるとのことであった。しかし単に「国家」がいけないのであれば、「国家公務員」「国家賠償法」「国家補償」「国家法人法」などいくらでも使用例があり、一笑にふされるであろう。現在、地球上の民族は国家を一つの単位として国家を構成し、国権の発動する機関であるので、「国家」の政治用語としての使用に関しては全然問題がないといわざるをえない。

   しかしながら、歴史家の立場として考えてみると国家と戦争とは常につきまとうのも事実である。中世封建社会の変化により、ヨーロッパの各国では国王による中央集権化が進み、近代市民社会への過渡期にあたる絶対主義体制が成立した。16世紀におけるスペイン、イギリス、17世紀のフランスがその典型であるが、18世紀初めのスペイン継承戦争によりスペインが没落し、かわってオーストリア、プロイセン、ロシアが登場した。これら諸国はヨーロッパの覇権をめぐってたえず争いを続けた。とくに17世紀に覇をとなえたフランスは、たびかさなる戦争で財政難をおこし、18世紀後半に革命を起こすに至った。ナポレオン戦争後の19世紀のヨーロッパは、自由主義と国民主義、そして帝国主義へと移行した。近代化に遅れた日本も明治国家となって帝国列強に加わるようになる。そして日清、日露戦争に勝利する。帝国主義の時代は、まさに現代史の玄関口といえる。

   歌人・与謝野晶子には二つ年下の籌三郎という弟がいる。明治37年秋、晶子は旅順に出征している弟に「君死に給ふこと勿れ」とよびかける詩を「明星」に発表した。「旅順の城はほろぶとも、ほろびずとも何事か」と決然といいきった。非国民と非難されても、晶子は「少女と申す者は誰も戦争ぎらいに候」と答えたという。国家よりも肉親の情が大事であることはいつも世も変わりない。やはり「国家戦略局」は陳腐な名称である。2011年3月11日に東日本大震災が発生し、その対応のために法律案はいったん撤回され、その後自然消滅した。

2022年9月19日 (月)

予測困難な「ブーカの時代」、30年後あなたは生き残れるか?

 2022年の世界は、相次ぐ気候変動と大規模な自然災害と新型コロナ感染症の蔓延、そして世界の政情不安。たとえば大国主義に復帰しているロシアがウクライナへ軍事侵攻、中国ナショナリズムが拡大し、東アジア安定の脅威となっている。グローバル複合危機と多様化の世界の中で、人口減少、少子高齢化、新型ウイルスの蔓延、IT技術の急速な進歩、諸物価の高騰と貧富格差・・・私たちを取り巻く環境が目まぐるしく変化するとともに、複雑になってきます。先行き不透明で、将来の予測が困難な、いわゆる「ブーカの時代」が到来します。VUCAとは、英語の変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の頭文字をとった略語で、元々は1990年代後半に軍事用語として発生した言葉ですが、冷戦が終結した後の複雑化した国際情勢において、戦局の見通しがしずらい状況に対して使われていました。今年起こったロシアによるウクライナ侵攻や、国内で起こった安倍晋三暗殺事件などはまさしく「ブーカの時代」の到来を象徴するかのような出来事です。長年日本を牽引してきた強いリーダーを失った日本は今後どうなるのか。急速に進む円安の影響が秋の物価高を生む中、岸田首相は安倍氏の国葬を強行し、その支持率は急降下している。まるで幕末、桜田門の変のような激動の時代のうねりが起こっている。上級国民だけが得をして、若者たちは非正規や派遣で低所得で苦しむ社会格差に対して怒りが爆発するであろう。今後、マイナス成長が常態化した場合、2050年には、推計人口は9500万人で、生産年齢人口と老年人口が逆転し、債務残高GDP比は約500%まで拡大し、国民保険制度や年金制度の維持は困難となるだろう。まあ、わたしは100歳になっているので、この世にはいないが。

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