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2017年4月20日 (木)

海上述林

   「海上述林」(かいじょうじゅつりん)。中華民国初期の革命家、瞿秋白(1899-1935)の著作。瞿秋白と魯迅の間には深い交流があった。秋白が逃亡中に逮捕された際、魯迅は彼を救おうと努めたが果たせず、魯迅は瞿秋白の処刑後の遺稿である「海上述林」を編集、民国28年(1939)刊行した。

2017年4月15日 (土)

みんなの本屋へようこそ

   NHKにっぽん紀行。北海道留萌。人口2万人ほどの小さな町むに、住民から「宝箱」と呼ばれ愛されている一軒の本屋がある。本屋さんはいろいろな文化の発信地で町の人たちの支えがあって成り立つ。塚田さんご夫婦はボランティアでここに勤めている。絵本「はなのすきなうし」を子供たちに読み聞かせ。本屋にも何冊も置いている。岩波書店の本で買い取り制なので本屋にとってたいへんだろうけど店長もがんばってるね。ほっこりする心あたたまる番組である。

2017年3月26日 (日)

外題学問

   小説、ドラマ、映画などタイトルが大事だろう。いかに読者(視聴者)の関心や興味をひきつけるか。最近、「亀は意外と速く泳ぐ」「亀も空を飛ぶ」「人のセックスを笑うな」「ニワトリはハダシだ」「暗いところで待ち合わせ」「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」など長いタイトルで内容がわからないものがウケているようだ。昔なんだか分からないタイトルには名作が多かった。「熱いトタン屋根の猫」「欲望という名の電車」「月曜日には鼠を殺せ」「逃げるは恥だが役に立つ」などなど。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」には郵便配達夫は登場しない。運命はさけられない、という意味らしい。ひところ流行った「○○物語」とかヒロインの名前のもの、などありふれたタイトルは影をひそめている。小津安次郎の「東京物語」、今井正の「純愛物語」など名作にあやかり、「早春物語」「愛情物語」「仔鹿物語」「国東物語」「子猫物語」「南極物語」「タスマニア物語」「花物語」「パンダ物語」が続々公開された。女性ヒロインをタイトルにするのは、NHKの朝の連続テレビ小説が得意だが昭和58年の「おしん」では大ヒットだったが、以降、「チョッちゃん」「ノンちゃんの夢」「純ちゃんの応援歌」「和っこの金メダル」「ひらり」「かりん」「ぴあの」「あぐり」「あすか」「さくら」「こころ」「つばさ」と逓減している。思うに「○○物語」とか「つばさ」とか、作品のコンセプトがタイトルにでていない。書名も洒落たタイトルには名作がある。好きなタイトル。「ちょっとピンボケ」(写真家ロバート・キャパ)、「ツァラトゥストラはかく語りき」(ニーチェ)、「死にいたる病」(キルケゴール)、「五体不満足」(乙武洋匡)、「狭き門」(ジッド)、「サラダ記念日」(俵万智)。

   数年前に映画「魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE」という映画が封切り前になって、元巨人のウォーレン・クロマティから無断で名前を使用されたというパブリシティ権の侵害が東京地裁に仮処分申請があった。「実在の人物とは無関係」というテロップを入れることで合意した。その後、損害賠償に関する動きについては不明である。原作は既に7年間も少年マガジンに連載されたものであるので、日本側では今さらの感がなきにしもあらず、という一件だった。スポーツ漫画は伝統的に実名が登場するのが当たり前になっている。つかこうへいの「長嶋茂雄殺人事件」(昭和61年)などもとくに問題にはならなかった。過激なタイトルを求めるあまり、とこまでが許容されるのかいろいろ問題を含んでいるようだ。

2017年3月19日 (日)

最近よく読まれている本

Img_01   読書家には大きく2つのタイプに分けられる。新刊派と古典派である。新刊派は直木賞や芥川賞といった話題の小説を読んだり、マスコミで取り上げられる新刊書ばかりを漁る。一方の古典派は自己の研究分野の資料だけを求めて、世間の流行の本には無関心である人が多い。わたしは、古典派であるが、やはりトレンドは知っておくに損はない。数年経って出版回顧の時にリアルな記憶があるのとないのとでは違うからである。今よく読まれている本は、「どんな体がかたい人でもベターツと開脚できるようになるすごい方法」「住友銀行秘史」「えんとつ町のプペル」「嫌われる勇気」「はじめての人のための3000円投資生活」「成功している人は、なぜ神社に行くのか?」「やめてみた。本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方」「こころの匙加減」。

2017年3月10日 (金)

不安な時代を生き抜くには

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   あれから6年。いま世界中で巨大地震が発生するという予言で、人びとがつねに不安に怯えている。まして日本は大震災の余震と、原発への恐怖など心やすまる日々はこない。テレビや雑誌を見るとさらに不安は増幅される。ある日、古い雑誌を気まぐれに読んでみた。そには麻生太郎がさいとうたかおなどと漫画論議をしていた集会であった。ああ、平和で暢気な時代があったことを忘れていた。あの頃はなんとおバカなニュースばかりだったことか。それに比べ今はどうすることもできない深刻で一個人ではどうすることもできない暗い話題が多すぎる。精神的には古い雑誌を読むに限る。

2017年2月23日 (木)

グーテンベルク「ワインと印刷」

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  アメリカの書誌学者ダグラス・C・マクマートリーは「人類の文化史上、重要さの点で活版印刷術の発明に勝る大きな出来事はない」と言い、イギリスの評論家トーマス・カーライルは「近代文明における偉大な3要素は、火薬と印刷と新教徒の宗教である」と言っている。

   長い間いろいろな説があったが、今日では、ドイツの金属職人ヨハネス・グーテンベルク(1399-1468)を印刷術の発明者とするに異議をはさむ者はほとんどいない。グーテンベルクが発明した印刷機は、オリーヴやブドウの搾り機からヒントを得て、木製の平圧式印刷機を作った。金属の活字にインクを付け、紙に押しつける、この技術がブドウ搾り機によく似ている。その実用化は一般に1445年頃とされる。これを企業化させたのは、ヨハン・フスト(1400-1466)とペーター・シェッファ(1430頃-1503)で、彼らはグーテンベルグから未完のまま引き継いだ「グーテンベルグ42行聖書」(1455年刊)を完成させ、「聖詩篇」(1457年刊)、「48行聖書」(1462年刊)、その他数多くの書物を刊行した。(2月23日、Johannes Gutenberg)

2017年2月19日 (日)

本と読書に関する名言・ことわざ・文献集

346385602_b82b599e99   印刷術が広くゆきわたるまで、写本図書の利用は一握りの学者に限られていた。刊本の図書がその数を増すにつれて、書物は万人のためにあり、民主主義の精神にとって重要であることがわかってきた。ここでは、古今東西の本と読書に関する格言・箴言・名言・文献を集めてみる。

有益な書物とは、読者に補足を要求せずにはおかれぬような書物のことである。(ボルテール)

三日、書を読まざれば、語言味わいなし。(世説新語)

単に知るのみならず、その知識に従って行動せよ。(フィヒテ)

どの時代にもそれぞれの課題があり、それを解くことによって人類は進歩する。(ハイネ)

人生の至楽は読書にあり。(永井荷風)

書物はひもとかなければ、一片の木片にすぎない。(イギリスのことわざ)

A closed mind is like a closed book,just a block of wood.

閉じられた本は塊でしかない

A book that is shut is but a block.

すべて良き書物を読むことは、過去の最もすぐれた人々と会話をかわすようなものである。(デカルト)

書を読みて栄える者を見たり、書を読みて落ちぶれる者を見ず。(金言童子教)

機知に富みうちとけた言葉は永久に生命を持つ。(ゲーテ)

身体には鍛錬、心には読書。(アディソン)

この世のあらゆる書物もお前に幸福をもたらしはしない。だが書物はひそかにお前自身の中にお前を立ち帰らせる。(ヘッセ)

書物なき部屋は魂なき肉体のごとし。(キケロ)

私の実際的な読書の法則は三つある。
1.一年を経過していない本はどれも読まないこと
2.有名な本のほかは読まないこと
3.好きな本のほかは読まないこと(エマーソン)

私は人生を知ったのは人と接したからではなく、本と接したからである。(アナトール・フランス)

人生は短い。この書物を読めばあの書物は読めないのである。(ラスキン)

人の品格はその読む書物によって判断できる。それはあたかも、人の品格がその交わる友によって判断できるがごときものである。(スマイルズ)

読書百遍、義自(ぎおのずから)見(あら)わる。(魏志)

万巻の書を読み万里の路を行けば自ずと胸中に自然が映し出されるようになる。(董其昌)

読書とは、著者の魂との邂逅である。(亀井勝一郎)

読書は人間としての純粋な時間である。(亀井勝一郎)

インドの全財宝をあげても、読書の楽しみには換え難い。(エドワード・ギボン)

書物は友人と同様、数多くあるべきであり、そしてよく選択すべきである。(フラア)

読書のほんとうの喜びは、なんどもそれを読み返すことにある。(ロレンス)

読書に費やしただけの時間を、考えることに費やせ。(アーノルド・ベネット)

書物は一冊一冊が一つの世界である。(ワーズワース)

用例なき辞書は骸骨である(ヴォルテール)

書物を読むということは、他人が辛苦してなしとげたことを、容易に自分に取り入れて自己改善する最良の方法である。(ソクラテス)

本は知性のさまざまな機能に働きかける(フランシス・ベーコン)

おろかな学者は、おろかな馬鹿者よりも、ずっとおろかである(モリエール)

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   書物に関する文献目録

図書の部
倭板書籍考 幸島宗意撰 1702
官板書籍解題略 杉山精一訳 1847
日本書籍考 林羅山撰 1850
文芸類纂 榊原芳郎 1878
古梓一覧 西村兼文 1882
本朝書籍刊考 黒川真頼 1895
日本訪書誌 楊守敬 1897
国書解題 佐村八郎 1897
日本印書考 中根粛治 1899
明治出版史話 三木佐助 1901
古文旧書考 島田翰 民友社 1905
漢籍解題 桂五十郎 明治書院 1905
近藤正斎全集 近藤守重 1907
日本古刻書史 朝倉亀三 1907
徳川幕府時代書籍考 牧野善兵衛 1912
朝鮮図書解題 朝鮮総督府 1914
江戸物語 和田維四郎 1915
慶長以来書賈集覧 井上和雄編 1916
嵯峨本考 和田維四郎 1916
訪書余禄 和田維四郎 1918
製本術 島屋政一 1918
図書学概論 田中敬 冨山房 1924
典籍叢談 新村出 岡書院 1925
敦煌石室の遺書 石浜純太郎 懐徳堂 1925
書庫之起原 植松安 間宮書店 1927
京阪書籍商史 蒔田稲城 1928
書物装釘の歴史と実際 庄司浅水 1929
思想名著解題 春秋社 1929
本邦書誌学概要 植松安 図書館研究会 1929
書物の敵 庄司浅水  1930
書誌学とは何か 寿岳文章 ぐろりあそさえて 1930
装釘の常識 三村清三郎 岡書院 1930
日本訪書志補 王重民 1930
修訂建武年中行事註解 和田英松 明治書院 1930
中国図書館事業的史的研究 馬宗榮 中華学藝社編 商務印書館 1930
製本術 ブレガー著 赤坂・庄司訳 ブックドム 1931
日本蔵書印考 小野則秋 文友堂 1931
書誌学 小見山寿海 芸艸会 1931
宋元版の話 内藤虎次郎 名古屋市立図書館 1931
正徹本徒然草 川瀬一馬 文学社 1931
善本影譜 長沢・川瀬編 日本書誌学会 1931~35
好書雑載 高木文 井上書店 1932
西洋書誌学要略 橘井清五郎 図書館事業研究会 1932
粘葉考 田中敬 巌松堂 1932
成簣堂善本書目 川瀬・長沢 民友社 1932
成簣堂善本書影七十種 川瀬・長沢 民友社 1932
舊刊影譜 川瀬・長沢 日本書誌学会 1932
嵯峨本図考 川瀬・長沢 一誠堂  1932
漢籍解題1 漢文学講座2 長沢規矩也 共立社 1933
書誌学論考 長沢規矩也 松雲堂書店 1937
書誌学序説 長沢規矩也 吉川弘文館 1960
漢籍分類目録 集部東洋文庫之部 東洋学文献センター連絡協議会 東洋文庫 1967
書林清話 葉徳輝 世界書局 1968
書林掌故 葉徳輝等撰 中山図書公司 1972
書林清話・書林雑話 楊家駱主編 台湾・世界書局 1974
書誌学序説 長沢規矩也 吉川弘文館 1979
江浙蔵書家史略 呉辰伯 中華書局 1982
中国古代蔵書与近代図書館史料 春秋至五四前後 李希泌、張椒華編 中華書局 1982
書籍装幀芸術簡史 邱陵編著 黒龍江人民出版社 1984
目で見る本の歴史 庄司浅水、吉村善太郎 出版ニュース社 1984
造紙の源流 久米康生 雄松堂 1985
書物に関する名句・名言・名文 エンカイリーディオン アリグザーンダー・アイアランド編 タングラム 1986
簡明中国古籍辞典 呉楓編 吉林文史出版社 1987
中国古代図書館事業史概要 来新夏 天津古籍出版社 1987
中国図書和図書館史 謝灼華編 武漢大学出版社 1987
中国蔵書史話 焦樹安著 商務印書館 1997
図書及び図書館史 寺田光孝ほか著 樹村房 1999
図説図書館の歴史 スチュアート・A・P・マレー 原書房 2011

論文の部
写本時代と板本時代とに於ける支那書籍の存亡聚散 市村瓚次郎 史学雑誌第13編1・3号 1902
唐以前の図書 那波利貞 歴史と地理2-2  1918
支那における図書館事業 岡野一郎 支那研究5 1923
書帙の歴史 那波利貞 歴史と地理19-3・4・5 1927
支那書籍小史 1・2・3 長沢規矩也 書誌学1-4・5・6 1933
清代図書館発展史 譚卓垣著 西村捨也訳 図書館研究14(2)~(4) 1941
中国図書館の沿革及び現況 兪爽迷 書香128  1941
国立北京図書館の概況に就いて 法本義弘 支那文化雑攷 1943
毛沢東戸図書館 平和彦 読書春秋4-11 1953
中国図書館の揺籃時代 松見弘道 図書館界6-5  1954
中国の文教政策 内田幸一 日本及び日本人 1954
転期に立つ中国の図書館活動 図書館雑誌51-3  1957
記録の文化史 小倉親雄 図説世界文化史体系別巻 1961
年表図書館物語 矢島玄亮 東北地区大学図書館協議会誌13,14,15  1962-63
図書・図書館の歴史(断章) 中村初雄 早稲田大学図書館紀要4  1963
唐本の値段 餘自録 大庭脩 東洋史研究24-4  1966
洛図洛書の一考察 原田正己 早大・東洋文学研究6  1967
支那における図書館の誕生 長沢規矩也 書誌学11  1968
中国図書館学史序説 加納正巳 静岡女子大研究紀要3  1970
中国における著作意識の発達 石田公道 図書館界21-5~23・4 1970~71
香港の図書館 木村宗吉 日本歴史270  1970
古代中国図書史 木村靖 文化史学26  1971
図書館に就いて 内藤湖南 大阪朝日新聞明治33年11月29・30日 (内藤湖南全集3所収)  1971
北周の麒麟殿と北斉の文林館 山崎宏 鈴木由次郎博士古稀記念東洋学論叢所収 1972
清代の官書局の設置について 大西寛 長沢先生古稀記念図書学論集 1973
書禁と禁書 宮崎市定 アジア史研究2所収 1974
中国に於ける図書館事業史(1) 漢代の図書館事業 宮内美智子 青葉女子短期大学紀要1  1976
中国本ものがたり1~8  劉国鈞著 松見弘道訳 東海地区大学図書館協議会誌22  1977~78
中国の図書館事情 各地の図書館を参観して1 中原ますえ びぶろす29-11  1978
中国における図書分類法 井坂清信 参考書誌研究17  1979
図書館起源小記 黎紅 広西大学学報1979年第3期 1979
秘閣図書の源流について 神田喜一郎 「芸林談叢」所収 1981
洛陽の紙価 小池秋羊 東西交渉1 1982
中国に於ける刻書事業 宮内美智子 青葉女子短期大学紀要7 1982
禁書に関する二三の資料 長崎聖堂文書研究1 大庭脩 史泉40 1970
篠崎小竹旧蔵の「欽定四庫全書拾遺目録」について 大庭脩 近世大阪芸文叢談 1973

2017年1月16日 (月)

蔵書家、林若樹

  書誌学の森銑三(1895-1985)は、林若樹(1875-1938)のことを三田村鳶魚(1870-1952)、三村清三郎(三村竹清、みむらちくせい1876-1950)と並ぶ江戸通と賞賛している。

   林若樹は、本名を若吉といい、明治8年1月16日、東京麹町四番町に生まれる。父の林研海は、明治15年パリで病没し、さらに母もまもなく死亡。病弱であった林若吉は、叔父の林董(はやしただす、1850-1913)に養育されたらしい。しかし学業は中学中退で、以後趣味人としての人生を歩む。

   彼が今日その名を知られるのは「若樹文庫」という蔵書印のある貴重な古典籍のためである。その収集は、鳶魚によれば「天下の愚書をもってゐなければ、蔵書家とは云へない」といったもので広範にわたったという。また、その大半を一通りは読了していたといわれ、三村竹清は「所謂の蔵書家と伍すべき人ではない、寧ろ、読書家といふ可きである」と記している。類稀な学識の持ち主であったようだが、残念ながら林若樹自らが書き残した文章は極めて少ない。死後、若樹文庫は古書で売買され散逸した。現在「若樹文庫収得書目」(青裳堂)が刊行されている。

2017年1月 2日 (月)

朝日・毎日の全国制覇(大正末期)

    関東大震災によって、東京を本拠とする新聞社・国民新聞、時事新報・報知新聞などは大きな打撃を被った。ところが、東京朝日・東京日日は、本社が大阪にあるので、復興もはやかった。東京朝日新聞社は、ただちに編集局を帝国ホテルに置いて発行をつづけた。朝日新聞社は、大正14年、日本ではじめての訪欧飛行を実施し、二機の朝日新聞社機が、中国・シベリアを経由してローマへ飛んだ。大阪毎日新聞は、大正13年1月1日付で、部数100万部突破の社告を出す。大阪朝日新聞も同年1月2日付で100万部突破の社告を出した。朝日・毎日は、このころから名実ともに全国紙としての地位にのし上がった。

    昭和2年、数寄屋橋に朝日新聞社が竣工した。のちに、隣に日本劇場が建ち、有楽町は銀座の中心としての地位を確立する。同じころ、大阪には朝日会館が竣工した。展示会場とホールを備え、大阪文化の中心となる。

2016年12月11日 (日)

長いタイトル、短いタイトル

Photo_3     楽曲や映画、小説にとって、そのタイトルをどう付けるか、というのは言うまでもなく大問題。2013年12月11日に発売されたAKB48のタイトルがやたらと長かった。「鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」。何と76字ある。miwaの新曲「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」は22字。

   小説では2014年刊行の村上春樹の新作も長かった。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年に」は20字。2010年のベストセラー「もしドラ」は33文字あった。2011年の「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」や浅田次郎のエッセイ「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」は19文字。奇抜で刺激的なタイトルで人の目をひこうという魂胆がみえる。ワンセンテンスがタイトルとなるのは片山恭一の「世界の中心で、愛をさけぶ」あたりからの流行だろうか。作家が小説のタイトルをつけるには、それなりの思い入れがあるのだろうが、こうしてダラダラと長いタイトルが出てくるのだが、むしろ漢字一文字という題名が、ことさら強い印象がのこる。漱石「心」「門」、芥川龍之介「鼻」、森鷗外「雁」、長塚節「土」、谷崎潤一郎「卍」「鍵」、丹羽文雄「顔」などなど。

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