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2020年3月28日 (土)

韓国映画史 「義理的仇討」から「パラサイト」まで

  韓国の映画の日は、10月27日。これは韓国映画史上、最初の映画である金陶山監督の作品「義理的仇討」という映画が1919年にソウル鐘路にある映画館・団成社で上映された日を記念して制定された。ほかに代表的な「ハングン・ヨンファ(韓国映画)」を記す。

 

「青春の十字路」 1934年 アン・ジョンファ監督

 

「半島の春」 1941年 イ・ビヨンイル監督

 

「下女」 1960年 キム・ギヨン監督

 

「ロマンスパパ」 1960年 シン・サンオク監督

 

「春香伝」 1961年 ホン・ソンギ監督

 

「誤発弾」 1961年 ユ・ヒョンモク監督

 

「霧」 1967年 キム・スヨン監督

 

「糞礼記」 1971年 ユ・ヒヨンモク監督

 

「星たちの故郷」 1974年 イ・ジャンホ監督

 

「馬鹿たちの行進」 1975年 ハ・ギルチョン監督

 

「森浦への道」 1975年 イ・マニ監督

 

「旅譜」 1978年

 

「風吹く良き日」 1980年

 

「馬鹿宣言」 1983年

 

「赤道の花」 1983年

 

「鯨捕り」 1984年

 

「ディープブルーナイト」 1984年

 

「桑の葉」1985年 イ・ドゥヨン監督

 

「キルソドム」 1985年

 

「黄真伊(ファン・ジニ)」 1986年

 

「シバジ」 1986年

 

「アダダ」 1987年

 

「大人たちは判らない」 1988年 イ・ギュヒョ監督 キム・ヘス

 

「風の丘を越えて 西便制」1993年 イム・グォンテク監督

 

「太白山脈」 1994年 イム・グォンテク監督

 

「八月のクリスマス」  1998年 ホ・ジノ監督

 

「シュリ」 1999年 カン・ジェギュ監督

 

「我が心のオルガン」 1999年 イ・ヨンジェ監督

 

「猟奇的な彼女」 2001年 クァク・ジェヨン監督

 

「永遠の片思い」 2002年 イ・ハン監督

 

「ラブストーリー」 2003年 クァク・ジェヨン監督

 

「シルミド」 2003年 カン・ウソク監督

 

「私の頭の中の消しゴム」 2004年 イ・ジュハン監督

 

「僕の、世界の中心は、君だ」 2005年 チョン・ユンス監督

 

「トンマッコルへようこそ」 2005年 パク・クァンヒョン監督

 

「四月の雪」 2005年 ホ・ジノ監督

 

「グエムル 漢江の怪物」 2006年 ポン・ジュノ監督 

 

「高地戦」 2011年 チャン・フン監督

 

「建築学概論」 2012年 イ・ヨンジュ監督

 

「王になった男」 2012年 チュ・チャンミン監督

 

「ザ・タワー超高層ビル大火災」 2012年 キム・ジフン監督

 

「FLU運命の36時間」 2013年 キム・ソンス監督 チャン・ヒョク スエ

 

「アトリエの春、昼下りの裸婦」 2014年 チョ・グニョン監督

 

「国際市場で逢いましょう」 2014年 ユン・ジェギュン監督 ファン・ジョンミン

 

「インサイダーズ」 2015年 ウ・ミンホ監督 イ・ビョンホン

 

「王の運命」 2015年 イ・ジュンイク監督 ソン・ガンホ

 

「隻眼の虎」 2015年 パク・フンジョン監督 チェ・ミンシク

 

「愛を歌う花」 2016年 パク・フンシク監督 ハン・ヒョズ

 

「男と女」 2016年 イ・ユンギ監督 コン・ユ、チョン・ドヨン

 

「不汗党 悪い奴らの世界」 2017年 ピョン・ヒョンソン監督 ソル・ギョング

 

「軍艦島」 2017年 リュ・スンワン監督

 

「共犯者たち」 2017年 チェ・スンホ監督

 

「ときめき♡プリンセス婚活記」 2018年 ホン・チャンピョ監督 シム・ウンギョン

 

「ゴールデンスランバー」 2018年 ノ・ドンソク監督 カン・ドンウォン、ハン・ヒョズ

 

「リトル・フォレスト春夏秋冬」 2018年 イム・スルレ監督 キム・テリ

 

「神と共に、罪と罰」 2018年 キム・ヨンファ監督

 

「パラサイト 半地下の家族」 2019年 ポン・ジュノ監督 ソン・ガンホ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月26日 (木)

木曜のシネマ・イブ

 ハリー杉山&コトブキツカサのおススメ映画情報番組。残念ながら本日で終了。番組で紹介された作品の中から第1位をあげる。「ファントム・スレッド」(2017)ダニエル・デイ・ルイス、ビッキー・クリープス。「斬」(2018)塚本晋也監督、池松壮亮、蒼井優。3月26日放送▽「ハリエット」奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの伝記映画。シンシア・エリヴォ。▽「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男」ホセ・ムヒカ。3月19日放送▽「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」マーゴット・ロビー。▽「ドクター・ドリトル」ロバート・ダウニーJr.▽「弥生、三月・君を愛した30年」波瑠。▽「ナイチンゲール」アイスリング・フランシオン。3月12日放送▽「2分の1の魔法」ディズニーのピクサー。▽「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」グザヴィエ・ドラン監督 キット・ハリントン▽韓国時代劇「ムルゲ王朝の怪物」キム・ミョンミン▽「無敵のドラゴン」マックス・チャン、アンデウソン・シウバ。3月5日放送▽「ジュディ虹の彼方に」レネー・ゼルウェガー▽「Fukushima50」渡辺謙、佐藤浩市▽「シェイクスピアの庭」ケネス・プラナー、ジュディ・デンチ▽「仮面病棟」坂口健太郎、永野芽郁▽「星屑の町」のん。2月27日放送▽「黒い司法0%からの奇跡」▽「娘は戦場で生まれた」2月20日放送▽「スキャンダル」シャーリーズ・セロン▽「チャーリーズ・エンジェル」▽「ミッドサマー」フローレンス・ピュー▽「名もなき生涯」テレンス・マリック監督▽「ダンサーそして私たちは踊った」レヴァン・ゲルバビアニ2月13日放送▽「1917命をかけた伝令」ジョージ・マッケイ、ディーン・チャールズ・チャップマン▽「影裏」綾野剛、松田龍平▽「グッドバイ」大泉洋、小池栄子▽「ふたりのJ・Tリロイベスト・セラー作家の裏の裏」クリスティン・スチュワート、ローラ・ダーン▽「ドミノ復讐の咆哮」ニコライ・コスタ・ワルド、カタス・ファン・ハウテン2月6日放送▽「ハスラーズ」コンスタンス・ウー、ジェニファー・ロペス▽「グッドライアー/偽りのゲーム」▽「プロジェクト・グーテンベルク 贋札王」チョウ・ユンファ、アーロン・クォック▽「グリンゴ/最強運男」デヴィッド・オイェロウェ、シャーリーズ・セロン▽「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」シャイア・ラブーフ、ダコダ・ジョンソン1月29日放送▽「ナイブス・アウト 名探偵と刃の館の秘密」ダニエル・グレイグ 、アナ・デ・アルマス▽「パッド・ボーイズフォー・ライフ」ウィル・スミス▽「AI崩壊」大沢たかお、広瀬アリス▽「男と女 人生最良の日々」アヌーク・エーメ、ジャン・ルイ・トランティニャン。1月16日放送▽「リチャード・ジュエル」クリント・イーストウッド▽「ジョジョ・ラビット」ローマン・グリフィン・デイビス▽「ラストレター」広瀬すず、福山雅治、松たか子。12月19日放送▽「「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」デイジー・リドリー▽「男はつらいよ/お帰り寅さん」吉岡秀隆▽「テッド・バンディ」ザック・エフロン▽「THE UPSIDE」ケヴィン・ハート、ブライアン・クランストン。12月12日放送▽イギリスのアニメ「ひつじのジョージUFOフィーバ!」▽「家族を想うとき」クリス・ヒッチュン、テビー・ハニーウッド▽「ぼくらの7日間戦争」12月5日放送▽「ジョン・テロリアン」リー・ペイス▽「ラスト・クリスマス」▽「ルパン三世THE FIRST」▽「ゴーストマスター」三浦貴大、成海璃子▽「隠れビッチやってました」佐久間由衣。11月28日放送▽「ドクター・スリーブ」▽「ファイティング・ファミリー」フローレンス・ピュー▽「シティハンターTHE MOVIE」11月21日放送▽「アナと雪の女王2」▽「ゾンビランド・ダブルタップ」ウッディ・ハレルソン、エマ・ストーン▽「テルアビブ・オン・ファイア」カイス・ナシェフ▽韓国で大ヒット「EXIT」ユナ、チョ・ジョンソク11月14日放送▽「エンド・オブ・ステイツ」ジェラルド・バトラー▽「ベル・カント」ジュリアン・ムーア、渡辺謙▽「オーバー・エベレスト陰謀の氷壁」役所広司▽「影踏み」山崎まさよし、尾野真千子▽「LORO欲望のマリア」ト二・セルヴィッロ、エレナ・ソフィア・リッチ11月7日放送▽「ターミネーター・ニューフェイト」アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン▽「グレタ GRETA」イザベル・ユペール、クロエ・グロース・モレッツ▽「ひとよ」佐藤健、松岡茉優▽「国家が破綻する日」キム・ヘス、ホ・ジュノ▽「永遠の門ゴッホの見た未来」ウィレム・デフォー、ルパート・フレンド 10月31日放送▽「IT/イット THE ENDそれが見えたら終わり」ジェイデン・リーベラー▽「マイ・ビューティフル・デイズ」ティモシー・シャラメ▽「キューブリックに愛された男」▽「最初の晩餐」染谷将太 10月17日放送▽「マレフィセント2」アンジェリ―ナ・ジョリー▽「フッド・ザ・ビギニング」▽「楽園」綾野剛▽「スペシャル・アクターズ」上田慎一郎監督▽「ガリーボーイ」ランビール・シン 10月10日放送▽ダニー・ボイル監督作「イエスタデイ」▽吉永小百合・天海祐希「最高の人生の見つけ方」▽「アップグレード」ローガン・マーシャル・グリーン▽「15ミニッツ・ウォー」▽「クロール凶暴領域」カヤ・スコデラーリオ 10月3日放送▽「ジョーカー」ホアキン・フェニックス▽「ジョン・ウィック」キアヌ・リーブス▽「蜜蜂と遠雷」松岡茉優▽「エンテバ空港の7日間」ダニュエル・プリュ―ル、ロザムンド・パイク▽「毒戦」チョ・ジタン、キム・ジュヒョク 9月26日放送▽「大脱出3」シルヴェスター・スタローン▽「ホテル・ムンバイ」デブ・パテル、アーミー・ハマー、ナザニン・ボニアデイ▽「ハミングバード・プロジェクト」ジェシー・アイゼンバーグ、アレクサンダース・スカルスガルド、サルマ・ハエック▽「ヘルボーイ」デビッド・ハーバー、ミラ・ジョボビッチ▽「任侠学園」西島秀俊、西田敏之、葵わかな▽9月19日放送▽「エイス・グレード世界でいちばんクールな私へ」エルシー・フィッシャー▽「アド・アトラス」ブラッド・ピットはこの作品で主演・制作を務める▽「葬式の名人」前田敦子・高良健吾▽アニメ「Hello World」声は北村匠海、松坂桃李、浜辺美波▽「シンクロ・ダンディーズ」ロブ・ブライドン、ジェーン・ホロックス

2020年3月10日 (火)

東京大空襲

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  テレビなどマスコミでもほとんど触れないが、本日は東京大空襲があった日だケペルの両親はすでに他界したが、東京大空襲のとき、墨田区に住んでいた。姉和子(当時3歳)と3人で暮らしていた。母から断片的に聞いたことはあるが、詳しく聞いたことは一度も無い。こんな悲惨な経験をしていたのかと思うと、何ともいえない感情になる。両親がもし空襲で死んでいたら、今の自分はこの世に存在していないのだから…。家を失い、父の田舎へ疎開したが、都会育ちの母は疎開先での暮らしに馴れなかった。

   昭和20年3月10日未明、グアム、サイパン、テニアンから飛来した米軍のB29爆撃機279機が、低空で東京上空に侵入、江東、墨田、台東区を中心に2時間あまりにわたって東京下町一帯を爆撃した。約10万人以上の尊い命が一夜にして奪われた。

 

 

2020年2月 9日 (日)

ハリウッド「名声の歩道」

   ハリウッドの観光名所の一つ、ウォーク・オブ・フェーム。映画・テレビ・ラジオ・音楽などハリウッド・エンタメ界で活躍した著名人の名前が星型のプレートに5㎞に渡り歩道に刻まれている。1960年のこの日に女優のジョアン・ウッドワードが最初の星を獲得した。チャールズ・チャップリン、ダグラス・フェアバンクス、ルドルフ・ヴァレンティノ、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒ、ゲーリー・クーパー、ジュディ・ガーランド、フランク・シナトラなどなどハリウッドのスターの歴史である。20世紀のセックス・シンボル、マリリン・モンローは謎の死を遂げる2年半前、1960年2月8日、星が贈られ式典が行われた。ハリウッド商工会議所は2016年の映画部門に三船敏郎を選出した。これまで日本関係では早川雪洲、マコ岩松、ゴジラが「星」に選ばれている。「世界のミフネ」何をいまさら、遅すぎる、という感じがする。最近では2019年にアン・ハサウェイが仲間入りした。現在、2500以上の星がある。(2月9日)

 

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2020年1月30日 (木)

「巴里祭」と「舞踏会の手帖」

  トーキー黎明期、フランスの新鋭監督ルネ・クレールがトーキーに取り組んだ第一作が「巴里の屋根の下」(1930年)である。クレールは、アメリカの初期のトーキーの通弊ともなっていた台詞と音楽の乱用の愚を見て取り、映画はたとえトーキー作品になっても映像が優先すべきだという主張のもとに情緒的なパリの下町を見事に描いた。3年後の「巴里祭」(1933年)では前作を遥かにに凌ぐ作品となっている。主題歌の「巴里恋しや」は、登場人物の誰にも歌われない歌であるが、タイトル・バックから全編にコーラスや演奏で繰り返しあらわれる。この歌を作曲したのはモーリス・ジョベール(1900-1040)という新鋭の作曲家で、「舞踏会の手帖」(1937年)などでも知られるが、第二次世界大戦に従軍し、40歳で戦死したことが惜しまれる。

「巴里恋しや」や「舞踏会の手帖」のエレガントなワルツは今聞いても華やかな夢のような若い頃を思い出させてくれる。

 

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 モーリス・ジョベール

 

 

 

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  巴里祭

 

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  舞踏会の手帖






 

 

2020年1月14日 (火)

ボギーあんたの時代はよかった

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  ハンフリー・ボガート(1899-1957)は死後半世紀以上がたつが男のダンディズムの象徴になっている。だが彼の初期の出演作29本のうち半分は殺されるか死刑になる役だった。共演者といえば、ジェームズ・ギャグニー、エドワード・G・ロビンソン、ジョージ・ラフトといったギャングスターばかり。恐いという印象がある。ところが実際のボガートは「とても傷つきやすく、穏やかな人だった。そして嘘と名のつくものはすべて嫌った」とローレン・バコールはいう。「マルタの鷹」(1941年)の探偵サム・スペード役で大スターとなった。3度離婚し、最後の妻はローレン・バコール。1957年1月14日、咽喉ガンで死去。

 

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  ハードボイルド映画で花をそえたヒロインたち。ベティ・デイビス(化石の森、札つき女、倒れるまで、愛の勝利)、シルビア・シドニー(デッド・エンド)、ジョーン・ブロンデル(身代わり花形)、プリシラ・レーン(彼奴は顔役だ)、メアリー・アスター(マルタの鷹)、アイダ・ルピノ(ハイ・シエラ)、イングリッド・バーグマン(カサブランカ)、ローレン・バコール(脱出、三つ数えろ、潜行者、キーラーゴ)、バーバラ・スタンウィック(第二の妻)、キャサリン・ヘプバーン(アフリカの女王)、ジェニファー・ジョーンズ(悪魔をやっつけろ)、エヴァ・ガードナー(裸足の伯爵夫人)、オードリー・ヘプバーン(麗しのサブリナ)。

 

 

2020年1月 8日 (水)

気になる老婆

   日本映画チャンネル「九十九本目の生娘」を見る。新東宝の1959年の作品。妖刀を鍛えるために処女の生き血を捧げるという猟奇的な因習の残る山村を舞台に部落民と菅原文太ら警察との闘いが見せ場。だが事実上の主役は、娘を浚うお歯黒の老婆の怪演が印象的である。演じるは原泉かと思ったが、クレジットで五月藤江と確認。

 

2019年12月31日 (火)

リチャード・キンブル

  リチャード・キンブルという名前は、「リチャード・キンブル。職業医師。正しかるべき正義も時として盲しいる事がある。」というナレーション(日本語訳では矢島正明)で始まるアメリカABCのテレビ番組「逃亡者」(1963~1967)の主演デビッド・ジャンセンが演じた役名であるが、「スーパーマン」のクラーク・ケントや「ベン・ケーシー」とともに日本人にもなじみの深いアメリカ人名のひとつである。

  妻の殺害という無実の罪で死刑を宣告されたが、州立刑務所へ移送中に列車事故でからくも脱走した。無実の罪を自らの手で晴らすために、ジェラード警部(バリー・モース)の執拗な追跡をかわしながらも、なぞの真犯人「片腕の男」を捜す。「孤独と戦いながら、今日を、そして明日を生きるために」。毎回の逃避行のスリリングな展開とキンブルの知的で物静かな態度に女性ファンが魅了された。声優の睦五郎も適任だった。

      *

 デビッドジャンセンが好きだった。知的で物静かな態度、口元のかげりと微笑み、よみがえる踏切のシルエット。

逃げゆく後ろ姿、無実を晴らす孤独の旅路、深夜のバス停留所。

夜霧にサイレンが泣いている。盲しいる正義の申し子ジェラードの追跡をかわしながら、なぞの真犯人「片腕の男」を捜す。窮地をさ迷うキンブル。

名前を変えたあなたを手配書の届かぬ小さな町でずっと守ってあげたかった。

デビッドジャンセンが好きだった。(永山キヨテルさんの作品を一部改稿)

          *

  この「逃亡者」のテレビ・シナリオには実際の事件をヒントに書かれたらしい。モデルとなった医師サム・シェパードは1954年のオハイオ州の自宅で妻を殴り殺した罪で、有罪を宣告された。最高裁はマスコミの報道に陪審員が影響されたとして、1966年では証拠不十分で無罪になっている。

 

   

2019年11月26日 (火)

ヒッチコック「鳥」の恐怖

  アルフレッド・ヒッチコック。人間心理に根ざした恐怖を晩年まで描き続けてきた監督は彼をおいていない。スリラー映画の神様は研究してもしつくせない奥行きがある。代表作は「鳥」(1963) サンフランシスコの近郊にある漁村。ある日、一羽のカモメが若い女性の額を襲った。翌日、大群のカモメが押し寄せ、暖炉からは無数の小鳥が侵入してくる。やがて鳥の大軍が小学生たちを襲い、逃げまどう。町の人々は原因がわからず、若い女性は「あなたがこの町に来てから災いが起こった。魔女だ」と皆から責めたてられる。主演はティッピ・ヘドレン、スザンヌ・プレシェット、ロッド・テーラー。新聞社の社長令嬢ティッピと小学校の女教師スザンヌは対照的に描かれている。スザンヌはロッド・テーラーの元彼女。母親の反対で引き裂かれたらしい。スザンヌは鳥の襲撃に遭い死ぬ。完全なる美の持ち主であるティッピは都市社会の現代文明の象徴である、自然の象徴である鳥との対立構造が基本になっている。しかしティッピとスザンヌの2人の女性も対照的である。やや倦怠感が感じられるスザンヌはタバコをふかし、虚ろなまなざしをしている。人工的なものは自然の脅威の前には無力であるというメッセージが感じられる。

 

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2019年11月 9日 (土)

お涙頂戴式の映画史

95ca00e4   オペラ・映画・ドラマなどで地球上どこかでいつも上演や放送されているのはデュマの「椿姫」(1848)だそうだ。美しくて若い女性と青年がふとしたことで出合い愛し合う。やがて真実の愛が生れる。だが、病魔は着実にヒロインの身体を蝕んでいく。このようなストーリーを難病ものという。通俗的な物語も多いが、最も多くの人に愛される話である。その証拠には、「椿姫」を基本パターンとした物語は数限りなくある。もちろんドキュメンタリー風なものや手記のようなものも多くある。日本では「不如帰」(1898)や「野菊の墓」(1906)が元祖か。映画にもなった「絶唱」や「愛と死を見つめて」は純愛ブームといわれた。21世紀になって、「世界の中心で、愛をさけぶ」「1リットルの涙」「タイヨウのうた」「余命1ヶ月の花嫁」などヒロインが不治の病に侵される話は多い。「恋空」は男性が他界する映画だった。「世界の終わりに咲く花」はまだ見ていない。最近は一家の柱である父親が幼い子どもを残して死ぬという話も涙をそそる。古くは「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」、最近では「天国で君に逢えたら」がある。韓国映画は「八月のクリスマス」「私の頭の中の消しゴム」など難病ものは多数ある。

    洋画で難病+純愛といえば、「ある愛の詩(ラブストリー)」(1970)が決定版である。それまでの恋愛映画では「哀愁」は戦争&交通事故、「慕情」は男が戦場での不慮の死だった。西洋では不治の病は「椿姫」と重なるので、さける傾向にあったといえる。英語ではtearjerkers(お涙頂戴式の映画)。

 

 

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