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2017年7月29日 (土)

戦後イタリアの映画と音楽

   映画「家族日誌」(ヴァレリオ・ズルリーニ監督)が日本で公開されのは、東京オリンピックが開催されていた昭和39年のことだった。ラスト近くで病気で衰弱した弟のロレンツォ(ジャック・ぺラン)がオレンジ・マーマレードが食べたいと言い、兄のエンリコ(マルチェロ・マストロヤンニ)が雨の中を探し回るが見つけることができなかった。「この時ほど戦争を恨んだことはなかった」

   イタリアは日本と同じ敗戦国。小市民生活の哀歓を描く作品も多く、ハリウッド映画と異なり、庶民が共感できる映画が多かった。「靴みがき」「自転車泥棒」(ビットリオ・デ・シーカ監督)、「にがい米」(ジュゼッペ・デ・サンテス監督)、「無防備都市」(ロべルト・ロッセリーニ監督)など。イタリアン・ネオリスモは国際的ブームとなった。その後もフェデリコ・フェリーニの「道」「「カビリアの夜」「甘い生活」、ピエトロ・ジェルミの「鉄道員」「わらの男」「刑事」、ミケランジェロ・アントニオーニの「情事」「太陽はひとりぼっち」、ヴァレリオ・ズルリーニの「家族日誌」、エルマンノ・オルミの「就職」、マウロ・ボロニーニの「堕落」など芸術性の高い作品がイタリア映画界から生まれた。

   日本でのイタリアブームは映画だけではなかった。1960年ローマオリンピックの影響もあって、ポピュラー音楽では、「ボラーレ」「コメプリマ」などカンツォーネブームが1965年頃まで続いた。森山加代子の「月影のナポリ」(ミーナ)、ザ・ピーナッツ「ブーべの恋人」、弘田三枝子「砂に消えた涙」(ミーナ)などのカヴァ曲がヒットパレードでアメリカン・ポップスを抑えてカンツォーネが第一位を飾っていた。ホイホイミュージックスクール出身の布施明の発声法はいまでもカンツォーネ風なのはその影響によるものである。伊東ゆかり「恋する瞳」のサンレモ音楽祭入賞を頂点として、日本でのカンツォーネブームは衰退に向かう。

2017年7月28日 (金)

韓国映画史

 今年もまた「夏」を感じる季節となってきた。「夏」という季節は戦争を思い起こさせる。第二次大戦中、軍艦島と呼ばれる端島(長崎県)に徴用された朝鮮半島出身者らの脱出劇を描いた映画「軍艦島(クナムド)」が公開される。主演はファン・ジョンミン、ソ・ジソブ、ソン・ジュンギら。

ほかに代表的な韓国映画を記す。

「青春の十字路」 1934年 アン・ジョンファ監督

「半島の春」 1941年 イ・ビヨンイル監督

「下女」 1960年 キム・ギヨン監督

「ロマンスパパ」 1960年 シン・サンオク監督

「春香伝」 1961年 ホン・ソンギ監督

「誤発弾」 1961年 ユ・ヒョンモク監督

「霧」 1967年 キム・スヨン監督

「糞礼記」 1971年 ユ・ヒヨンモク監督

「星たちの故郷」 1974年 イ・ジャンホ監督

「馬鹿たちの行進」 1975年 ハ・ギルチョン監督

「森浦への道」 1975年 イ・マニ監督

「桑の葉」1985年 イ・ドゥヨン監督

「風の丘を越えて 西便制」1993年 イム・グォンテク監督

「太白山脈」 1994年 イム・グォンテク監督

「八月のクリスマス」  1998年 ホ・ジノ監督

「シュリ」 1999年 カン・ジェギュ監督

「我が心のオルガン」 1999年 イ・ヨンジェ監督

「猟奇的な彼女」 2001年 クァク・ジェヨン監督

「永遠の片思い」 2002年 イ・ハン監督

「ラブストーリー」 2003年 クァク・ジェヨン監督

「シルミド」 2003年 カン・ウソク監督

「私の頭の中の消しゴム」 2004年 イ・ジュハン監督

「僕の、世界の中心は、君だ」 2005年 チョン・ユンス監督

「トンマッコルへようこそ」 2005年 パク・クァンヒョン監督

「四月の雪」 2005年 ホ・ジノ監督

「グエムル 漢江の怪物」 2006年 ポン・ジュノ監督 

「建築学概論」 2012年 イ・ヨンジュ監督

「王になった男」 2012年 チュ・チャンミン監督

「アトリエの春、昼下りの裸婦」 2014年 チョ・グニョン監督

「不汗党 悪い奴らの世界」 2017年

「軍艦島」 2017年 リュ・スンワン監督

2017年7月27日 (木)

夏クールのドラマ「過保護のカホコ」は予測不能の面白さ

  朝ドラ「ひよっこ」みね子と島谷の切ない別れ、現代版湯島の白梅に涙。朝から記憶喪失の父親との再会に涙。月9「コード・ブルー」山下智久・新垣結衣。初回16.3%の好発進。続編の安定感とガッキー人気、「僕たちがやりました」火曜21時、窪田正孝・永野芽郁。「カンナさん」火曜22時、渡辺直美。「マジで航海してます」火曜深夜、飯豊まりえ・武田玲奈。「過保護のカホコ」水曜22時、高畑充希・竹内涼真、主題歌は星野源「Family Song」。「わにとかげぎす」水曜深夜、有田哲平・本田翼。「黒革の手帖」木曜21時、武井咲。「セシルのもくろみ」木曜22時、真木よう子・吉瀬美智子。「脳にスマホが埋められた」木曜深夜、伊藤淳史・新川優愛。「ハロー張りネズミ」金曜22時、瑛大・深田恭子。「下北沢ダイハード」金曜深夜。「悦ちゃん」土曜ユースケ・サンタマリア・門脇麦・石田ニコル・安藤玉恵・村川絵梨。「ウチの夫は仕事ができない」土曜、錦戸亮・松岡茉莉優、見た目よし・学歴よし・収入よしの理想の夫だったはずの夫が、実は職場では足を引っ張りまくる「お荷物社員」だったことを知ってしまった妻が夫と共に繰り広げるお仕事ホームドラマ。「ウツボカズラの夢」土曜、志田未来。「定年女子」日曜22時、南果歩。「愛したって、秘密はある」福士蒼汰。いちばんの注目は長瀬智也、吉岡里帆の「ごめん、愛してる」現代版「瞼の母」。原作はソ・ジソブ主演の韓国純愛ドラマ。主題歌は宇多田ヒカル「Forevermore」。演技派池脇千鶴も注目。韓国ドラマ「太陽の末裔」ソン・ジュンギ、ソン・ヘギョの軍事&医療ドラマ。ソン・ヘギョが4歳年上。クリスティナ・リッチー主演「リジー・ボーデン事件」。シエナ・コールマン主演「女王ヴィクトリア 愛に生きる」。「ごめん、愛してる」「黒革の手帖」も面白いが、「過保護のカホコ」は今後の展開が予測不能なドラマだ。8月からはトルコのドラマ日本初「オスマン帝国外伝」16世紀スレイマン皇帝の宮廷劇。中国テレビは「聶栄臻(じょうえいしん)」日中戦争時の軍人、科学者。韓国ドラマは「師任堂サイムダン」イ・ヨンエ、ソン・スンホン。

2017年7月26日 (水)

人の記憶は薄れていく

Anne_baxter    チャーリー・ブラウンという漫画にこんな話があった。ある人が若い頃に見た映画「愛欲の十字架」にバテシバが出ていた。その女優はずっとアン・バクスターだと思っていた。だがあるときテレビの深夜映画でみたらスーザン・ヘイワードだった。これだけの話である。当時、漫画を読んだときアン・バクスターとスーザン・ヘイワードはまだ生きていたし、2人は全然似ていないので変な話だと感じていた。だが自分も年をとると記憶が薄れていき、そのような錯覚はすることがあるとわかった。アン・バクスターの「十戒」ネフレテリとスーザンのバテシバとが頭の中で混乱するようになる。映像の記憶はあいまいである。

実は何が言いたかというとCMの効果である。ビール会社がいつも宣伝しているが、いまだに「男は黙ってサッポロビール」は記憶にあるが、イチローや檀れい、竹内結子が何の銘柄か区別できますか。

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   最近クイズ番組で「コード・ブルー」に出演中の新垣結衣が「blue」という簡単な英単語が書けず大恥をかいた。やさしい漢字や英単語のスペルが書けない。パソコンやスマホを使うようになって字を書かなくなったからだろうが、さすがにヤバイ。文字は日常的に書かないと忘れていくので注意しよう。

2017年7月25日 (火)

毎晩シネマで1万本

   映画の製作本数の正確な統計データはないが、およそ世界中で1年間におよそ1万本以上の映画がつくられている。ナイジェリアやインドのボリウッド映画が多い。そのなかで日本で劇場公開される映画は1割ほどで、2016年は邦画610本、洋画539本の映画が公開されている(日本映画製作者連盟の統計)。世界を代表するような作品をあげる。
アメリカ 風と共に去りぬ 1939年 ヴィクター・フレミング
メキシコ 赤い薔薇ソースの伝説 1992年 アルフォンソ・アラウ
フランス 天井桟敷の人々 1945年 マルセル・カルネ
イギリス 第三の男 1949年 キャロル・リード
ドイツ  嘆きの天使 1930年 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
ドイツ  朝な夕なに 1957年 ヴォルフガング・リーベンアイナー
ドイツ  橋 1959年 ベルンハルト・ヴィッキ
イタリア 道 1954年 フェデリコ・フェリーニ
スペイン 汚れなき悪戯 1955年 ヴァイダ・ラースロー
ホルトガル 青い年 1963年 パウロ・ローシヤ
スウェーデン 野いちご 1954年 イングマル・ベルイマン
ロシア  戦艦ポチョムキン 1925年 セルゲイ・エイゼンシュテイン
ポーランド 灰とダイヤモンド 1958年 アンジュイ・ワイダ
ポーランド 砂時計 1973年 ボイチェフ・イエジー・ハス 
ハンガリー 連隊長レドル 1985年 サボー・イシュトヴァーン
スロベニア スロベニアの娼婦 2009年 ダムヤン・コソレ
ナイジェリア アラロミレ 呪いの女神像 2010年 グレン・アフォラヤン監督
イラク・トルコ サイの季節 2012年 バフラン・ゴバディ監督
インド  大地のうた 1955年 サタジット・ライ
中国  菊豆 1990年 張藝謀
香港・中国合作 さらば、わが愛 覇王別妃 1993年 チェン・カイコー
韓国  八月のクリスマス 1998年 ホ・ジノ
日本  七人の侍 1954年 黒澤明

   現存する最古の日本映画「紅葉狩」(1899)から岡田准一主演の「関ヶ原」(2017)まで何でも観ちゃうぞ! ▽「西部戦線異状なし」(1978年CBS)リチャード・トーマス、アーネスト・ボーグナイン。第一次世界大戦中、ドイツの小さな町の学校では戦争の話でもちきりだった。先生は生徒たちの愛国の精神を説き、それにのせられたポールら6人が出征志願する。しかし、現実の戦場はなまやさしいものではなかった・・・・。1930年の映画をリメイクしたエリッヒ・マリア・レマルク原作のドラマ化。主役のリチャード・トーマスは「去年の夏」「朝やけの空」など青春スターだった。▽「日本のいちばん長い日」(1967)原作は大宅壮一。阿南惟幾に三船敏郎、米内光政に山村聡。今年夏にも同名の映画が公開される。原作は半藤一利。阿南に役所広司、米内に柄本明、昭和天皇に本木雅弘、鈴木貫太郎に山崎努。ほか松坂桃季、堤真一らオール男優スターの超大作らしい。▽「陽だまりの彼女」(2013)上野樹里、松本潤。真緒は猫だった…。▽「ナイルの宝石」(1985)マイケル・ダグラス、キャスリーン・ターナー。▽「スフィンクス」(1981)レスリー・アン・ダウン、フランク・ランジェラ、モーリス・ロネ▽「大いなる西部」(1958)グレゴリー・ペック、チャールトン・ヘストン、パール・アイヴス、チャールズ・ビッグフォード▽「富士に立つ影」(1942)阪東妻三郎。幕府は富士の裾野に築城を命じた。牛車合戦はベン・ハーのチャリオット・レースのようで圧巻の迫力がある。▽「滅びのモノクローム」(2003)国仲涼子が若くて可愛い。▽「紙屋悦子の青春」(2004)原田知世、永瀬正敏。▽「薄化粧」(1985)別子銅山の社宅で起きた妻子惨殺事件の犯人の逃亡生活を描く。逃走中に関わった4人の女たち、なかでも藤真利子の官能的な濡れ場がよい。▽「影なき男」(1934)ウィリアム・パウエル、マーナ・ロイ、モーリン・オサリバン。▽「初雪の恋」宮崎あおい、イ・ジュンギ。▽「ポーリンの冒険」(1947)連続活劇の女王パール・ホワイトの伝記。ベティ・ハットンが演じるミュージカル映画。▽「女子ーズ」(2014)山本美月、藤井美菜、桐谷美玲、高畑充希、有村架純。怪人カメムシゲルゲが臭くて戦隊から「うんこ、うんこ」と連呼される▽「ぼっちゃん」(2012)水澤伸吾。▽「学校」(1993)山田洋次監督。西田敏行、田中邦衛、裕木奈江。▽「私の愛した女」(1983)伊藤かずえ、小野寺昭。▽「ホットロード」能年玲奈。▽「江ノ島プリズム」(2013)福士蒼汰、本田翼。▽「ドグラ・マグラ」(1988)夢野久作の小説の映画化。松田洋治、桂枝雀。▽「もらとりあむタマ子」(2013)前田敦子、康すおん。▽「100回泣くこと」(2013)桐谷美玲。▽「love letter」(1995) 中山美穂、豊川悦司、酒井美紀。▽「遺体 明日への十日間」西田敏行。

Marawilson「マチルダ」(1996)マーラ・ウィルソンも28歳になった。▽「グエムル 漢口の怪物」(2006)韓国初のモンスター・ムービー。ソン・ガンホ、ぺ・ドゥナ。怪物に咥えられ連れ去れる少女にコ・アソン。▽「レ・ミゼラブル」(1998)リーアム・ニーソン、ユア・サーマン。▽「ぼくたちの家族」(2013)妻夫木聡、原田美枝子▽「悪い奴ほどよく眠る」(1960)三船敏郎。▽「ハウスメイド」(2010)チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ。▽「ジェレミー」(1973)ロビー・ベンソン、グリニス・オコナ―。▽「卒業」(1967)ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス。▽「スーパーマン」(1978)クリストファー・リーヴ、マーロン・ブランド―。▽「海炭市叙景」(2010)熊切和嘉監督 谷村美月。▽「洟をたらした神」(1978)神山征二郎監督 樫山文枝。▽「海のふた」(2015)豊島圭介監督 菊池亜希子。▽「グッド・ストライプス」(2015)菊池亜希子。▽「神様はバリにいる」(2015)堤真一、尾野真千子。▽「一粒の麦」(1958)吉村公三郎監督 菅原謙二。▽「豆大福ものがたり」(2013)菊池亜希子。▽「あの空の果てに星はまたたく」(1962)丘さとみ、水木襄。

▽「サンクタム」(2011)アリスター・グリアソン監督。▽「バンド・ワゴン」(1953)ビンセント・ミネリ監督 フレッド・アステア シド・チャリシ―。▽「サンタモニカの週末」(1967)トニー・カーティス、クラウディア・カルディナーレ、シャロン・テート。▽「トリコロールに燃えて」(2004)シャーリーズ・セロン、ペネロペ・クルス、スチュアート・ダウンゼント。▽「スタンド・バイ・ミー」(1986)ロブ・ライナー監督 ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリ―・フェルドマン。▽「合衆国最後の日」(1977)バート・ランカスター、リチャード・ウィドマーク。▽「スカイフォール」(2012)ダニエル・クレーグ007が好きになってきた。▽「ハミングバード」(2013)ジェイソン・ステイサム。▽「存在の耐えられない軽さ」(1988)ダニエル・デイ・ルイス、ジュリエット・ビノシュ。▽「ツイン・ピークス 劇場版」(1992) カイル・マクラクラン。▽「ストックホルムでワルツを」(2013)スウェーデンのジャズ歌手モニカ・ゼタールンドの伝記映画。▽「江南ブルース」(2015) イ・ミンホ、キム・レウォン。▽「ムーンライト」(2016)。

   「金融腐蝕列島」(1997)役所広司、椎名桔平▽「暁の挑戦」(1971)幻の映画といわれる川崎市の誕生期を描いた実録もの。中村錦之助、渡哲也、若林豪、財津一郎など出演。大正14年に実際に起こった鶴見騒擾事件をもとにフィクションを加えている。▽「カラスの親指」阿部寛、石原さとみなど主演の詐欺師の話。ブレイク前の能年玲奈やピコ太郎が出演しているのも面白い。▽「石榴坂の仇討」(2014)中井喜一、阿部寛。

2017年7月17日 (月)

あじさい忌

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    本日は俳優石原裕次郎の命日。没後30年。彼が主演した映画「あじさいの歌」にちなんで「紫陽花忌」といわれる。集英社の日本文学全集「石坂洋次郎集」巻末の「作家と作品」に引用された写真(画像)には石原裕次郎と石坂洋次郎が和室で会食している。同席には芦川いづみ。映画「陽のあたる坂道」(昭和33年4月封切り)のときとある。石坂洋次郎は信次を石原裕次郎をイメージしながら書いたという。だがこのとき何故主演の北原三枝ではなく、芦川いづみがいるのだろう。芦川の役は足の悪い妹役で家庭教師役の北原三枝に比べると助演といった役どこである。石坂・石原・芦川のコンビの作品は「陽のあたる坂道」(昭和33年)以外にも「乳母車」(昭和31年)、あじさいの歌」(昭和35年)、「あいつと私」(昭和36年)がある。芦川いづみは石原より年齢は1歳下。つまり「陽のあたる坂道」の役は当時23歳で実年齢よりもだいぶん幼い女学生役を演じていたことになる。痩せていた芦川は少女の役が似合っていた。ところがケペルの記憶では確か芦川いづみの女学生は髪は長かったし、この写真の雰囲気とは異なる。「私はこんな体だけど子供ができるでしょうか」と町医者に診察してもらう場面は秀逸である。文学全集の写真の芦川の髪はショートである。この会席の写真は、おそらく「陽のあたる坂道」より数年のちの写真ではないだろうか。「あじさいの歌」の芦川(:けい子の役)も長い髪をしている。「あいつと私」の時の芦川(このときも役名は同じで「けい子」だった)はショート・ヘアーである。前年昭和35年12月封切りの「闘牛に賭ける男」を最後に北原三枝との共演作品はなく、12月2日に結婚式を挙げている。翌年1月24日、志賀高原でスキーによる骨折により長期入院している。この会席写真は退院後の「あいつと私」(昭和36年9月封切り)打ち合わせではないかと推測する。石原裕次郎27歳、芦川いづみ26歳。あるいは石原、芦川が半袖なので、昭和33年4月封切りの「陽のあたる坂道」の打ち合わせだとすると、昭和32年の夏頃、石原23歳、芦川22歳ということも考えられないことではないが。どちらにしても20歳前半の若者が大作家と気軽に対談できるというのはたいしたものである。(7月17日)

2017年7月11日 (火)

あなたと私の合言葉

  市川崑監督の「あなたと私の合言葉 さようなら、今日は」(1959)。東京で働くOLの若尾文子は24歳適齢期。許嫁の菅原謙二が大阪にいるが、父の面倒を見ているため結婚にふみきれない。彼女は大阪にいる友人、京マチ子に結婚の断わりを告げることを頼む。ところが何と、その京マチ子が彼に一目ぼれして、菅原と結婚する。東京と大阪、女性のたくましさ、洋風と和風の融合、昭和モダンな映像美があふれる。眼鏡の若尾文子が可愛い。今見るとなかなかの佳作だ。

2017年7月 7日 (金)

借りぐらしのアリエッテ、その後

   翔「君は僕の心臓の一部だ」。翔の手術は成功したのだろうか。原作「床下の小人たち」第2部ではアリエッティはスピラーと恋仲になる。だが、新たな恋人も現れ、なんと三角関係になる。とはいうものの、原作は児童向けのため、それ以上の展開はないようだ。

2017年7月 6日 (木)

シネマに乾杯

  夜更かしで映画を観る。「ベンガルの槍騎兵」「血と砂」「マルタの鷹」。スウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンの作品は難解なテーマを扱ったものも多いが、この「不良少女モニカ」のストーリーはいたってシンプルでわかりやすい。フランスのヌーヴェル・ヴァーグの作家たちに影響を与えたといわれる。現代のアダムとイヴを描いたのではないだろうか。

2017年6月30日 (金)

ヒーローの恋人は何故それほどの美人じゃないの?

 シルヴェスター・スタローンの出世作「ロッキー」。ヒロインはニューヨークの小さなペットショップで働く眼鏡と毛糸の帽子をかぶった気難しそうな女性エイドリアン。なぜかロッキーは死ぬほど愛してしまう。ヒロインがいるからヒーローは頑張れる。でもタリア・シャイアはスタイル抜群のセクシー女優というタイプではない。スーパーマン(1978)の恋人の記者ロイス・レーンを演じるマーゴット・キダーも神経質で内気そうなタイプ。なぜかハリウッド・ヒーローの恋人はとびきりの美人じゃない。スター・ウォーズのレイア姫キャリー・フィッシャーは見た目残念なほう。スパイダーマンの恋人キルスティン・ダンストはましなほうか。

 これと真逆が「男はつらいよ」シリーズ。毎回寅次郎が恋する女性は絶世の美女。目が細くて四角い顔の中年男が美女に恋する気持ちがペーソス漂う人情喜劇となる。

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