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2009年12月10日 (木)

アン王女とジョーの再会

Img_0015 ジョージ・スティーブンス監督(右)を祝う式典でオードリーとペックの再会があった

    1951年に渡米したオードリー・ヘプバーンは女流作家コレットに認められて舞台「ジジ」の主役を演じることになった。翌年「ジジ」を見たウィリアム・ワイラーが新作「ローマの休日」のヒロインに選んだ。相手役にはケーリー・グラントを考えたが、無名の新人女優だったので、ケーリーは断わった。当時グレゴリー・ペックは離婚が成立し、フランス人記者のヴェロニク・パッサーニと恋愛中だったので、ロケ地がローマと聞いて引き受けた。1952年の夏の暑い盛りにロケが行われ、翌年映画は公開された。予想外の大ヒットでこの映画1本でオードリーは世界のスターとなった。オードリーはイギリス人との結婚のため花嫁衣裳まで用意していたが、婚約は破棄せざるをえなかった。共演のペックから紹介されたメル・フェラーと、舞台「オンディーヌ」で共演する。その後、ペックとオードリーの映画での共演は一度もなかった。

映画はアイデア勝負!!「電送人間」

    東宝特撮映画、液体人間、ガス人間、そして電送人間と続くシリーズ。「電送人間」(昭和35年)は主演が鶴田浩二だが、本当の主役は完全に中丸忠雄だ。太平洋戦争末期に殺された須藤兵長(中丸忠雄)が河津清三郎らに復讐する。電送写真というのは昔からあるが、物質電送機というアイデアで映画にした作品は珍しい。タイムマシンに近いものであろうか。電送機を発明した仁木博士を演ずるのは、佐々木孝丸。この俳優は労働組合などで昔歌った革命歌・インターナショナルを訳詩した人である。警察の部長に横綱若乃花が出演している。ところで鶴田浩二主演のテレビ「新選組」では中丸忠雄は佐々木只三郎という見廻り役の頭として出演している。電送人間の仕組みはともかく、ラストシーンで仁木博士がレバーを引くと、火山が大爆発をおこす原理は謎だ。あれが本当なら火山大爆発機のほうがスケールがでかいのではないか。

新選組テレビヒーロー全員集合

    鶴田浩二・近藤勇の「新選組」を毎日見ている。昨日第七話は、藤岡重慶ら4人が新選組に加入したが、その中の北原健介(石田信之)が主役の話。(石田は芸名を延之と改名)浪士が祇園の民家に潜入し、人質をとって立てこもっている。藤岡は手柄をあせって、町民2人もまきぞえにして、浪士3人を斬る。そして石田にその責任をおわす。女中の四方正美(チャコちゃんのお姉さん)の通報により、藤岡の悪事がばれる。近藤は藤岡を斬る。

    このシリーズの「新選組血風録」「燃えよ剣」と大きく異なる点は、前2作は司馬遼太郎の原作にもとづくが、今回は結束信二のオリジナル脚本。結束もかなり新選組の史実を調べ上げて脚本を書き上げているのはわかるが、やはり前作と比べて見劣りがする。ドラマは歴史物なので歴史的、時間的進行が必要だろう。それと近藤勇の人間像にどれだけ迫れるかが焦点となる。やはりスター鶴田浩二のカッコよさが目立ちすぎという印象があることは否めない事実である。心やさしき近藤と厳格な土方の対立。菅原文太が芸者幾松に匿われていたとき、見逃した温情、鉄砲導入に反対し、鳥羽伏見の戦いでの敗北の原因をつくったことなど、ドラマから見ると近藤が本当に薩長を撲滅する風はみえず、時代のニヒリストのように感ぜられる。その静かな主役に比べ脇役陣の賑やかなること。仮面ライダーの藤岡弘、無用之介の伊吹吾郎、白馬童子の山城新伍、月曜日の男JJの待田京介、ミラーマンの石田信之、おれは大物の長谷川明男、37階の男の中丸忠雄。おまけにキイハンターのユミちゃん大川栄子が毎回登場している。まるでTVヒーロー大集合のお祭り新選組だ。

2009年12月 8日 (火)

透明人間

Photo

    映画「透明人間」は「ゴジラ」(昭和29年)に次ぐ東宝特撮SF作品である。お話は旧日本軍の特殊部隊「透明人間特攻隊」はサイパン島で玉砕を遂げたが、そのうちの2人だけは助かって帰還していた。この透明人間は一度透明人間になってしまうと、元に戻ることができない。キャバレー黒船のサンドウィッチマンのピエロが透明人間(河津清三郎)である。ともかく昭和30年頃の東京の風景はアーカイブものの珍品である。街頭テレビ、ナイトクラブのショー、路面電車、トラックの荷台に乗った大勢の警官たち、スクーター、競馬場、すべてが戦後風俗の貴重な昭和の記録。盲目の美少女を演ずるのは、なんと童謡歌手の近藤圭子ちゃん。(なつかしい~)映画が大人向けなのか子ども向けなのか定まってなかったようだ。

2009年12月 5日 (土)

ドロン誕生秘話

Estellablain エステラ・ブラン

    アラン・ドロンを世に送った女優たち。といってもロミー・シュナイダー、ナタリー・ドロン、ミレーユ・ダルクといった有名女優の話ではない。エステラ・ブラン(1934-1982)やミシェル・コルドウである。二人の女優の名前を知っている方は相当のフランス映画ファンであろう。もちろん1950年代後半は日本でも彼女たちの映画が公開されたが今ではほとんど忘れさられたといってよいだろう。

    エステラがインドシナから帰って来たドロンと親しくなったのは、1957年ころで、おそらくカンヌ映画祭の後であろう。ドロンは18歳くらいで自慢の美貌を武器に映画界入りのチャンスを狙っていた。当時の青春スターだったエステルのボーイフレンドになったことは映画界の切符を手に入れたに等しいことだ。エステルは友人の先輩女優ミシェル・コルドウにドロンを紹介した。ミシェルはこのナルシステイックな青年をたいへん気に入り、夫の映画監督であるイヴ・アレグレに紹介した。こうしてドロンは二人の女優たちの力によって映画出演ができた。エステラのその後はどうだったろうか。俳優のジェラール・ブランと結婚したが、まもなく離婚。ミシェル・ボーシャンと再婚したが、1982年1月1日、パリ郊外のアパートで自殺している。

2009年12月 4日 (金)

60年代セクシー・アイドル

Img_0012 アン・フランシス

    「逃亡者」第35話「闇の世界」ではチューズディ・ウェルドが盲目の女性で出演している。火曜日がチューズディであることは彼女から教わった。当時21歳。「シンシナティ・キッド」「かわいい毒草」など悪女が多い。現役の女優らしい。子役出身なので芸歴60年以上にわたる息の長いセクシー・アイドルだ。ウィキペディアでは13歳の時にヒッチコックの「間違えられた男」がデビューとあるが、4歳のときダニー・ケイの「五つの銅貨」という有名なジャズ映画でダニー・ケイと掛け合いで歌う少女はチューズディ・ウェルドだった。

    息の長いセクシー・アイドルといえば、同じく「逃亡者」にゲスト出演するアン・フランシスもいえる。TVシリーズ「ハニーにおまかせ」以前から「禁断の惑星」「日本人の勲章」など戦後数々の映画で男性ファンを楽しませてくれた。彼女たち懐かしい女優が毎回ゲスト出演する「逃亡者」はまことに貴重なドラマである。

映画「乱れる」と銀山温泉

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  江戸時代の宿場町として栄えた山形県尾花沢には「芭蕉・清風歴史記念館」がある。清風とは鈴木清風のことで、尾花沢の豪商で紅花商人であった。芭蕉も奥の細道の旅で尾花沢には10日ほど滞在している。この尾花沢には寛永の頃には延沢銀山で銀が採掘され、また延享年間から温泉も出て、湯治場として繁昌した。最上川の支流銀山川の清流にのぞむ静かな銀山温泉。成瀬巳喜男監督の「乱れる」の後半部分で、高峰秀子と加山雄三が銀山温泉を訪れるシーンがある。年の離れた義弟から愛を打ち明けられた高峰の揺れる女心が、鄙びた湯治場の場面でよく生かされている。ラストで加山が事故死する幕切れはかつて批判されたらしいが、歳月がたちビデオで観賞すると、むしろドラマチックで「乱れる」は成瀬・高峰コンビの名作の1本であることを確認する。

「燃えよ剣」と「新選組」

    CS放送でまた鶴田浩二・近藤勇の「新選組」を第3話まで見ている。このフジテレビ昭和48年版は先の「新選組血風録」「燃えよ剣」(NET)と配役が重なることろもあるが(三作品とも栗塚旭=土方歳三)だいぶん先の二作品に比べて劣っている感じがする。豪華キャストでトップスターの鶴田浩二なのに何故なのかを考えてみたい。もちろん鶴田ファンならこの「新選組」が一番というだろう。しかし「新選組血風録」「燃えよ剣」を見たファンにはどうにも不満の残る作品であった。最大の弱点は近藤勇(鶴田浩二)と土方歳三(栗塚旭)との人間関係の描きかたである。義兄弟の契りを交わした二人であるが、その親密さが「新選組」には見られない。むしろ鶴田は栗塚をあまり信用せずに単独行動にでることが多い。意見や思想の違いもはっきりしていて、一枚岩ではない。もちろん「燃えよ剣」は土方が主役で近藤(舟橋元)は土方の傀儡のようなところが、かえって面白かった。スター鶴田浩二によって一人だけの見せ場をつくることになり、集団時代劇としての面白さを半減した。思えば舟橋元もかっては映画スターであった。新東宝が倒産し、古巣東映に戻り、テレビ出演が多くなった。愛嬌ある朴訥さが武州多摩の田舎農家の出の雰囲気があった。(舟橋は糖尿病を患い、後半は痩せてきて悲壮感がでていた)鶴田浩二ではカッコ良すぎる近藤勇で、これでは任侠映画のようであった。また沖田総司=島田順司というイメージがつよく、有川博では健康的すぎる感じがする。それでもファンは栗塚旭=土方歳三に満足して「新選組」を見続けるだろう。

2009年12月 1日 (火)

なつかしの子役たち

    「逃亡者」第33話「小さな探偵」を見ていたら、ジェラード警部の息子役がカート・ラッセルだった。「バックドラフト」の消防士の役で今ではハリウッドの大スターだが、この頃は10歳くらいの少年。ハリウッドでも子役からスターに成長するのは稀であろう。日本映画でも戦後多くの子役たちが映画に登場し、人気をえたスターも多い。松島トモ子、二木てるみ、浜田光夫、市川好郎、太田博之、風間杜夫、江木俊夫、池田秀一、中山千夏ら。今はだいたい60歳前後の年齢で各分野で活躍している。最近も大橋のぞみ、加藤清史郎ら子役が活躍しているが、はたして彼らが成長した姿を見ることができるだろうか。

2009年11月30日 (月)

「坂の上の雲」日本人の生き方を考えさせてくれる骨太のドラマだ

   「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている」という有名な書き出しで始まる司馬遼太郎の「坂の上の雲」がついにNHKでドラマ化され、昨夜第一回を見た。日清日露の軍人の生涯を描いた内容のドラマ化には賛否両論の意見がある。朝日新聞「声」の欄にも日露戦争は侵略戦争に繋がるもので美化されることは許されないとする趣旨のものは多い。では過去を反省した反戦ドラマでないとダメなのか。自分は戦前を否定する考えの人たちとは与しない。明治という時代を21世紀を生きるわれわれがどう考えるのか、祖先の歩みをわかりやすい形で映像化して考えることは、ひとつの手がかりとなりうると思う。昨夜のドラマで薪割りのシーンがあった。子ども時代、風呂を沸かすのは子どもの仕事で、薪を割って紙をつけて、たき付け火をつけて、それから燃えだして、風呂に水を汲んだ。それが今ではボタンを押したら風呂が沸く。ボタンを押すとなんでも勝手に機械がやってくれると今の子どもは思っている。はたしてボタンを押すのが進歩だろうか。この150年、都市化は止まらない。地球環境を守れと今頃になって政府は言っているが、国土を破壊したのは昭和という国家だった。サラリーマンが増えたことが最大の悲劇だ。社会やマスコミは大多数のサラリーマンに有利な環境を作っている。農林水産業を見捨てて自活できない国になってしまった。学校へ行って就職するというレール、そんな生き方しかないと日本人みんなが思っている。ドラマでも職業軍人を選んだのは給料が支給されるからだといっていた。福沢諭吉の思想「独立自尊」が背景にある。司馬遼太郎は「明治というのは、あらゆる面で不思議で大きくて、いろんな欠点がありましたが、偉大でしたね。ただ明治時代という時代区分で話さずに、明治国家という、この地球上の、地図の上にはない、1868年から44、45年続いた国家が、この世にあって、できれば他の国のひとびとにも知って欲しいというか、聞いてほしい」と語っている。ドラマの続きを楽しみにしている。そして未来志向で「平成が偉大な時代だった」と100年後の子孫にいわれるようにしたいものである。(ちょっと無理だろうなあ・・・)

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