宇野千代、青春放浪記
NHK2026年後期の連続テレビ小説「ブラッサム」。宇野千代をモデルにした物語で、主人公葉野珠役は石橋靜河が演じる。宇野千代とはどのような女流作家だったのか。明治30年、山口県玖珂郡横山村(現在の岩国市)に生まれる。舞台は郷里岩国から朝鮮、京都、東京と転変する。宇野千代は処女作「脂粉の顔」が「時事新報」の懸賞に入選してから、70数年にわたり発表した作品は、量的には多くない。長篇というよりは、中篇小説として「色ざんげ」「おはん」などあるほかは、「刺す」「風の音」「幸福」「それは木枯らしか」など短編小説ばかりである。尾崎士郎、東郷青児、北原武夫、梶井基次郎らとの恋愛遍歴や奔放なくらしぶりで女流作家としての話題性が豊富であること、出版社スタイル社の経営、きものデザイナーなど実業家としての社会的活動もあり、宇野千代流の生き方が彼女のファンを魅了しているようである。しかしながら、文学性において寡作といいながら、彼女の作品はいずれも文学上の理想を純一に保っており、通俗小説や中間小説に向かわせないものがある。しかし宇野千代自身はあまり文学に理屈をつけるタイプではないことは、つぎの瀬戸内寂聴との対談にあらわれている。宇野は「瀬戸内さん、あなたは小説家を特別の職業のように思っているらしいけれど、そうではないのですよ。小説家はパン屋や八百屋と同じような、ただの仕事なのよ」といったという。「おはん」「幸福」その他により女流文学者賞を受賞、昭和63年、日本近代文学館主催の「女性作家十三人展」には現役作家として宇野千代、佐多稲子の二人が選ばれている。樋口一葉、与謝野晶子、田村俊子、野上弥生子、岡本かの子、宮本百合子、平林たい子、林芙美子、円地文子、壺井栄、有吉佐和子、宇野千代、佐多稲子の13人である。
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