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2026年4月 4日 (土)

「おはなはん」放送開始(1966年)

53fdad72 NHK連続テレビ小説「風、薫る」。明治時代に日本で初めて近代看護学を学んだ大関和と鈴木雅をモチーフに、2人の生き様をフィクションとして再構成している。俗に明治物は当たるというジンクスがあり、王道朝ドラ。それは昭和41年のこの日、「おはなはん」の放送が開始されたことから始まった。四国に生まれ、青年将校早見謙四郎に嫁いだ浅見はなの一代記であるが、平凡な女の一生が、平凡なゆえに教育ママブームの主婦層の共感を呼び、朝ドラのスタイルを確立した作品である。そもそも朝ドラとは何か。昭和36年「娘と私」(獅子文六)、昭和37年「あしたの風(」壺井栄)、昭和38年「あかつき」(武者小路実篤)、昭和39年「うず潮」(林芙美子)、昭和40年「たまゆら」(川端康成)、昭和41年「おはなはん」(林謙一)と第1回から第6回までを一覧する。そもそも連続テレビ小説というのは、新聞小説のような味わいで文芸作品をドラマ化するという試みであろう。現在のような新進女優の登竜門となったのは第4回の林美智子と第6回の樫山文枝の人気によって、朝ドラ・ヒロインが定着したのである。

 その中で「たまゆら」は川端康成の初のテレビに書き下ろし、映画界の名優・笠智衆はテレビ初出演という意欲作であった。川端の1回分の分量が400字詰め1枚半。これを山田豊、尾崎甫が脚本にする。扇千景、直木晶子、亀井光代の3人の娘は美人ぞろい。平和な家庭である。これだけ条件がそろいながら、評判はあまり良くなかった。家庭内の平凡な生活ばかりがダラダラつづき、事件らしいものは一つもない。ようするに「つまらない」の一言に尽きる。川端文学の世界と昭和40年時代の視聴者のテンポとには大きな隔たりがあったようだ。続く「おはなはん」は無名の新人で誰もが期待していなかった。しかし初回から木に登って婿殿をみつめるとき、新しいテレビのヒロイン誕生が予感された。朝ドラ・ヒロインのたくましさと聡明さ、明治の近代的女性の魅力、次々起こる事件、多くの視聴者は「おはなはん」に感情移入できた。6年目にしてようやく連続テレビ小説のスタッフは成功の方程式をつかんだようだ。(4月4日)

 

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