どうせ死ぬなら、パリで死のう
NHK総合で昨年3月に放送されたドラマ。長く録画したままでやっと観た。人生をこじらせた大学の非常勤講師(岡山天音)と、人生を諦めかけた少年が主人公の話です。ひょうなことから一緒に暮らし、共同生活を送る。タイトルにパリがでてくるのは、岡山天音が哲学講義でエミール・シオランを研究しているからだろう。シオランの思想には現代文明そのものを否定するペシミズムがある。「一般に人間は労働過剰であって、この上にさらに人間であり続けることなど不可能だ」という言葉が知られており、怠惰の奨励とも言われている。日本の昨年の流行語大賞「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という思想とは真逆である。ギリシアのディオゲネスの思想にも通じるが、シオランは「反出生主義」と結びつけられる。あまりに資本主義が人類を支配し、本来の人類の生の喜びを見いだせない現在、シオランの思想は現代に生きるわれわれに問いかけている。
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