ネアンデルタール人は「人間らしい心をもつ」のか!?
1856年にドイツのジュッセルドルフ近くのネアンデルタールの谷から人類化石が発見された。初め病理学の権威フィルヒョーらが、これらを人類化石とみることに反対していたが、その後、類似の化石が続々と発見されて、今世紀初めには旧人としての位置づけがなされた。イラク北部クルディスターンにあるシャニダール洞窟で1960年に9体のネアンダルタール人骨が発掘された。そのうち4体は埋葬されたもので、化石とともに数種類の花粉が発見された。アメリカの考古学者ラルフ・ステファン・ソレッキは「ネアンデルタール人には死者を悼む心があり、副葬品として花を添える習慣があった」という報告をしたため、約6万年前のネアンデルター人が現代人と同じような感情があるものとして世界的に知られるようになった。だが近年になって、ソレッキの説に否定的な意見を持つ学者も現れた。ネアンデルタール人が埋葬をしていたことは事実であるが、花粉が死者を悼むための花であったかは疑問も多い。ネアンデルタールがDNA解析で現世人類と異なる系統にあること、現代人のような前頭葉を持たないこと、などが理由にあげられる。近年、これらの花粉は洞窟の中に巣くっていたネズミが持ち込んだものという説が出されている。
ネアンデルタール人の埋葬といえば、1938年発見されたウズベキスタンのテシク・タシュ(Tsehik Tash)も知られる。洞窟からネアンデルタール人の特徴をもつ子どもの頭の周りに6頭の山羊の角を立ててあった。A・オクラドニコフは葬礼の起源を示すものと考えている。(Shanidar,Neanderthalensis,Ralph Stefan Solecki)
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