孔明の嫁えらび
一般的に異性に対して、男性は見た目を、女性は経済力を重視する傾向があるらしい。それは金色夜叉の時代からあまり変わっていない。会社の人事採用で容姿端麗という基準はタブーだと思う。ところがイケメンとかカワイイという若者文化がビジュアル、ルックス重視に拍車をかけている。老人からすれば見た目の差は若い時だけで、年をとれば人間みな同じだよ、といいたい。たとえば各局の女性アナウンサーを見ると、やはり容姿端麗で選考していることは一目瞭然である。現実の日本社会では、人を見た目や外見を第一とすることが多い。
三国志の英雄、諸葛孔明のお話。歴史伝説では孔明の妻は醜女だといわれている。孔明は襄陽の西約20里(8キロ)のところ隆中で隠れすんで心身の練磨に励んでいた。ある日、黄承彦から「自分の娘は髪は赤く、色黒の醜女だが、才能は優れ、嫁として恥ずかしくないが、いかがでしょうか」と縁談を申しこまれた。孔明は笑ってうなずき、黄承彦の娘を妻として迎え入れた。これを聞いた人々は、「学ぶ莫れ、孔明の嫁えらびを。ただ得たり、阿承の醜女を」と、はやしたてたという。のちにこの醜女が賢夫人となり、おおいに内助の功をあげることになる。ある日のこと、孔明が訪ねてきた客のために、妻に麺を作るように命じたところ、たちまちのうちにできあがった。孔明は不思議に思って、そっと厨の中をのぞいてみると、人形が麦をきり、臼をまわしていた。孔明は妻からその木人形のからくりを聞き、それがのちに、かれが戦闘に使って役立てた木牛・流馬のヒントとなったという。黄夫人の名は史書には残っておらず明らかではない。黄月英、黄婉貞という名は後世の創作である。(『桂海虞承志』)
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