岩波新書が刊行される(1938年)
来年の大河ドラマ「豊臣兄弟」はオリジナル脚本のため原作はとくにない。だが過去に堺屋太一の小説「豊臣秀長」があり、関係書は無数にあるだろう。岩波新書の福田千鶴の「豊臣家の女たち」(新赤版2086)もタイミングよく刊行された。実母「大政所」や寧々、浅井三姉妹。女たちの豊臣家を描く。
岩波新書の「新書」とは何か。文庫本より大きくて、解説的な教養書を中心とした叢書という意味だろうか。命名者は竹久夢二の研究家でも知られる長田幹雄(1905-1997)である。昭和13年11月20日に「岩波新書」が創刊されたが、この年の1月に女優の岡田嘉子が新協劇団の演出家の杉本良吉と共に樺太国境を越え、ソ連に亡命したことが話題となった。「岩波新書の新は新劇という言葉の連想から生れた」という説がある。新劇とは、新協劇団、新築地劇団、文学座である。新劇とは左翼的であったし、革新的な意味合いで「新書」という命名を好んだのであろう、と推測している。
ところで岩波新書には、赤版、青版、黄版、新赤版の4種類がある。新赤版が一番点数が多くて現在、1336点刊行されている。新赤版の名著といわれるものを若干、列挙してみる。
日本社会の歴史 網野善彦
日本語練習帳 大野晋
日本の経済格差 橘木俊詔
コンクリートが危ない 小林一輔
市民科学者として生きる 高木仁三郎
ボランティア もうひとつの情報社会(235) 金子郁容
地球環境報告(33) 石弘之
インターネット(416) 村井純
イスラームの日常世界(154) 片倉もとこ
大往生(329) 永六輔
新しい文学のために(1) 大江健三郎
日本語(1)(2) 金田一春彦
新哲学入門(5) 廣松渉
原発はなぜ危険か(102) 田中三彦
ハイデガーの思想(268) 木田元
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