創見は難く、模倣はやすし
世界史上における最も重要な業績の一つとして、すぐ思いつくのは、コロンブスのアメリカ大陸発見であろう。1492年10月12日、コロンブス率いるスペイン艦隊が西インド諸島に初上陸した。アメリカの多くの州では10月第2月曜を「コロンブス・デー」の祝日としている。
クリストファー・コロンブス(1451-1506)は「地球は丸い」とする学説に基づき、大西洋を西に進めばアジアに到達できると考えていた。第1回航海(1492-93)は船3隻、乗員120人で、1492年8月、パロス港を出発し、カナリー諸島を経由して西航した。配下の者が航海について不安になって反抗を起こそうとするのを抑えて航海をつづけ、10月12日バハマ諸島の一つグアナハニ島に到着した。彼はこの島をサン・サルバドルと名づけた。現在のワトリング島がこれに当たるものと推定される。次にサマナ・ケイ島付近にも立ち寄ったとされる。これがアメリカ発見の端である。帰還するとコロンブスは英雄として迎えられた。しかしこの偉業をただ西へ向かって航海したら偶然に出くわしただけではないか、と評する人々もいた。コロンブスは目の前の卵を立てることができるかと質問した。誰もできないのを見た彼が教えた方法は、卵の尻をたたいて平らにすることだった。創業というものが、最初に考え、最初に実行するところに意義があるのだということを示したというコロンブスの有名な逸話は残念ながら史実ではない。この話はイタリアの建築家ブルネレスキ(1377-1446)のことといわれる。そうなると、ブルネレスキの卵という方が正確かもしれない。(Columbus)
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