琵琶湖という呼称
「鳰の湖」という珍しい四股名の力士がいた。滋賀県大津市出身であることから納得される方は古典の教養のあるかただろう。「鳰海(におのうみ)」は琵琶湖の古称で歌所である。古歌に「にほ鳥の潜く池水こころあらば君が我が恋ふる情(こころ)示さね」「にほの海やかすみて暮るる春の日にわたるも遠し瀬田の長橋」など。「鳰」とは「かいつぶり」のこと。「水に入る鳥」という国字である。かもに似た小さな水鳥で、琵琶湖には古くから多かったことから、琵琶湖を「鳰海(にほのうみ)」と呼んだのであろう。琵琶湖の呼称は古代から一定していなかった。「近淡海(ちかつあわうみ)」「淡海の海」と呼ばれていた。他にも淡海、水海、細波(さざなみ)、水海(すいかい)などと表記されていた。
琵琶湖が楽器の琵琶の形に似ているから琵琶湖と言う名前がつけられたといわれる。では古名から現在の琵琶湖と呼ばれるようになったのは何時ごろからだろうか。14世紀初頭の文献に最古の記録が発見された。比叡山延暦寺の学僧光宗(1274年~1347年)が記した「渓嵐拾葉集」に「琵琶の形に似たり」と表記されたことに始まる。
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