近代趣味生活のはじまり
むかし趣味といえば盆栽か囲碁・将棋くらいであった。徳川吉宗は大の将棋好きで知られるし、伊東巳代治は盆栽。近代日本人の知的生活のスタイルは科学者である寺田寅彦(1878-1935)から始まったというても過言ではない。俳句はもちろん、美術、音楽、映画などのハイカラ趣味があった。夏目漱石はレコード鑑賞や活動写真をみることはなかったが、寺田はレコードを聴き、銀座を歩き、浅草で映画をみている。「秋の歌」という随筆には、チャイコフスキーのピアノ曲集「四季」(1876)の中の一曲を鑑賞したという、ただそれだけの内容ものである。演奏者はエフレム・ジンバリスト(1889-1985)である。つまりテレビ俳優エフレム・ジンバリストJRはその息子である。大正時代になって、「今日は帝劇、明日は三越」という宣伝文句が現れた。この名コピーは三越宣伝部の浜田四郎(1873-1952)の作。現在、百貨店はやや時代遅れになっている。百貨店の分類は鉄道会社が運営する鉄道系と、呉服屋を祖業とする呉服系がある。西武、小田急、東急、阪急阪神が鉄道系で、高島屋、三越伊勢丹が呉服系である。参考文献: 浜田四郎「百貨店一夕話」 日本電報通信社 1948
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