蘇東坡と海南島
むかしからミョウガを多く食べると物忘れする、馬鹿になるといった。これは蘇軾の「東坡詩林」に「庚申三月十一日薑の粥を食ふに甚だ美なり、嘆じて曰く吾が愚をあやしむなかれ、吾れ薑を食ふことを多し云々」とある。「薑」とはショウガのことである。つまりショウガを多く食べたので愚になったというのである。それがショウガとミョウガとを混同して、ミョウガを食べると物忘れする、と言い出しのである。科学的な根拠はまったくない。
宋代は優れた詩人が多いが、その中でも偉大なのは蘇軾であるというに異論は少ないであろう。蘇軾は王安石の新法に反対したため地方官に転出された。その後も政争の渦に巻き込まれ、しばしば左遷された。3度目の左遷の地が海南島であった。儋県には蘇軾を記念するために造られた「東坡書院」がある。
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