校正ミスはなぜおこるのか
NHKニュースのテロップで学習指導要領の「かいてい」が「改定」になっていた。「改訂」が正しい。校正しているのだろうか。2023年1月14日に行われた大学入学共通テストの世界史Bの問題で「科挙」を「科拳」、ウマイヤ朝初代カリフ「ムアーウヤ」を「ムアーウィア」と誤記があった。「科挙」とは中国隋代からはじまる官僚登用試験のことで、清末まで1300年間にわたり行われた。有能な人材を採用するものであるが、日本の大学入試試験もある種の科挙制度に類似するものであるといってもあながち間違いではない。ほかにも生物で「勾配」を「匂配」というミスがあった。なぜ厳正なる試験問題に単純な校正ミスが頻発するのか、情けない話である。印刷所、校正者など秘密性を保持するため少人数で行っているのであろう。3月には尼崎の中学校で卒業証書の校正ミスが起きた。「課程」を「過程」と変換ミス。欧米ならABCと直接入力するだけだが、日本語の場合、漢字変換するので同音異義語の選択にミスが生じることが多い。
高級官僚の集まる政府でも菅政権の看板であるデジタル法案の関係資料に大量の誤りがあった。例えば「地縁」が「地緑」に、「昭和六十六」(実際には存在しない)や「海上保安長長官」(正しくは海上保安庁長官)といった誤記が計45カ所に上る。あり得ないようなミスで、「それこそデジタル技術でチェックできないのか」という声が上がっている。校閲ガールの河野悦子ならどんなリアクションをするのだろう。
よくあるミス。
×すいません。 〇すみません
✕運賃の改訂 〇運賃の改定
✕教科書の改定 〇教科書の改訂
✕専問学校 〇専門学校
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