ゲーテ「愛の書」
愛の書
書物の中の最も驚くべき本は
愛の書。
注意ぶかく読むと
喜びのページはまれで
全編みな悩み。
一章は別れが占め、
再会は、短い章で、
断片。悲しみの巻は
説明でひきのばされ、
はてなく、節度もない。
おお、ニザミよ。だが、しまいに、
おん身は正しい道を見つけた。
解き難いものを解くのはだれか。
再び相会う愛するふたり。
*
まこと、わたしを見たのは、
わたしにキスしたのは、
あの目、あの口であった。
腰は狭く、胴はまるかった。
天国の快楽を受け入れるためのように。
あの人はあそこにいたのか。
どこに行ったのか。
まこと、あの人であった。あの人がそれを与えた。
逃げながら身を与え、
わたしの命をすっかり捕えた。
高橋健二訳
すばらしい人生を送りたいと思ったら、
過ぎ去ったことは気にせず、
腹もたてないよう努め
いつも現在をたのしみ、
とりわけ誰も憎まず、
先のことは神様にまかせること
木原武一訳
ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、1749年8月28日にドイツのフランクフルトで生まれた。
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