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2024年11月 7日 (木)

ゲーテ「愛の書」

  愛の書

 

書物の中の最も驚くべき本は

 

愛の書。

 

注意ぶかく読むと

 

喜びのページはまれで

 

全編みな悩み。

 

一章は別れが占め、

 

再会は、短い章で、

 

断片。悲しみの巻は

 

説明でひきのばされ、

 

はてなく、節度もない。

 

おお、ニザミよ。だが、しまいに、

 

おん身は正しい道を見つけた。

 

解き難いものを解くのはだれか。

 

再び相会う愛するふたり。

 

           *

 

まこと、わたしを見たのは、

 

わたしにキスしたのは、

 

あの目、あの口であった。

 

腰は狭く、胴はまるかった。

 

天国の快楽を受け入れるためのように。

 

あの人はあそこにいたのか。

 

どこに行ったのか。

 

まこと、あの人であった。あの人がそれを与えた。

 

逃げながら身を与え、

 

わたしの命をすっかり捕えた。

 

               高橋健二訳

 

 

 

 

 

すばらしい人生を送りたいと思ったら、

 

過ぎ去ったことは気にせず、

 

腹もたてないよう努め

 

いつも現在をたのしみ、

 

とりわけ誰も憎まず、

 

先のことは神様にまかせること

 

           木原武一訳

 

 

 ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、1749年8月28日にドイツのフランクフルトで生まれた。






 

 

 

 

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