言い間違え、思い違い、勘違いはどこまで続くよ
誰にでも人の名前や地名・言葉を、言い間違えや間違って覚えてしまうことがある。某局の女子アナが大谷翔平選手のことを「しょうたに・おおへい」と読んでしまった。すぐに突っ込まれて手で顔を覆いながら訂正したが、ネット上で大きな話題となった。
先日、キムタクが西田敏行さんを追悼の意を込めて、ラジオ番組で「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言した。しかしこの「虹の橋を渡る」という表見は、主にペットの死を表す婉曲表現で、人間が亡くなった時に使う言葉ではない。
思い違いで、何十年もずっと思い込んでいることがあるから可笑しい。長嶋茂雄引退の名スピーチ「巨人軍は永久に不滅です」。多くの人は「永遠に」とすり替えて記憶している。寺山修司が勘違いして書いたため、「永遠に」のほうが広まってしまった。▽息子の一茂はずっとHAWAIIを「ハウツー」、北海道を「きたかいどう」と読んでいた。▽「ランゲルハンス島」とは島の名ではなく、膵臓に散在する細胞の1つ。村上春樹のエッセーに「ランゲルハンス島の午後」という一編がある。生物の教科書に出てくるこの名に魅かれ、空想上の理想郷のような感じがしてくる。▽東京の青海(江東区)と青梅(多摩地区)。▽「蚤の市」ノミのことを英語でfleaという。発音は「フリー」だが、freeと勘違いしている人がいる。▽大島紬の産地は奄美大島(鹿児島県)。あんこ椿の伊豆大島と間違える。▽京都の東寺に伝えられた古文書、東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)。「ゆりぶんしょ」と読み間違い。▽「康範詩集」川内康範の詩集ではない。宋の汪晫の詩集。▽「さよなら」などのヒット曲で知られるオフコース。バンド名は草野球チームに由来するらしい。ところが「off course」と「f」が2つあるので、「もちろん」の意味ではなく「道を外れる」ということ。小田和正が建築から音楽の道に進んだことを含んでいるらしい。▽「マスクメロン」マスクとは「仮面」の意味ではなく、麝香のようないい香りがするという意味。▽×武蔵の森総合スポーツプラザ○武蔵野の森総合スポーツプラザ。▽菅直人と菅義偉。「すが」を「かん」と言い間違い。
漢字の誤読もよくある。フジテレビの原田アナは「何卒」を「なにそつ」と読んでいた。御用達を「ゴヨウタツ」、順風満帆を「ジュンプウマンポ」などもよくある。正しくは「ゴヨウタシ」、「ジュンプウマンパン」。▽国際政治学者で美人の三浦瑠璃麗さん。「大喪(たいそう)の礼」を「たいもの礼」と読み間違い。▽乳幼児の病気「川崎病」をずっと神奈川県川崎市の公害病の一種と思い込んでいたが、実は発見者の川崎富作にちなんだ病名である。▽「おばけのQ太郎」における名脇役ラーメン大好き「小池さん」のモデルはアップダウンクイズの司会者小池清だと思い込んでいた。正しくはアニメイターの鈴木伸一である。
中居正広は元AKBの河西智美を「かわにし」と呼んでいた。正しくは「かさいともみ」。▽桜田五輪相が「れんぽう」発言を謝罪した。立憲民主党の蓮舫氏は「れんほう」が正しい。人の名前を言い間違えるのは失礼。▽和歌山県の有田みかん。「ありだ」と濁って発音するのが正しい。▽「焼け木杭に火がつく」を「焼けぼっ栗に火がつく」と思っている人がいる。▽青森県五所川原の十三湖(じゅうさんこ)。民謡「十三の砂山」は「とさのすなやま」。中世都市遺跡「十三湊遺跡」は「とさみなといせき」。▽インディラ・ガンディーはマハトマ・ガンディーの娘ではなく、ネルーの娘。▽俳優の筒井道隆を小説家、筒井康隆の息子だと思っている人がいるが、名前が似ているだけで親戚でも何でもない。▽「板垣死すとも自由は死なず」岐阜の板垣遭難事件は有名であるが、このとき板垣は死なず、本当に亡くなったのは事件から37年のちのことである。▽京都市左京区一乗寺にある金福寺。「きんぷくじ」ではなく、「こんぷくじ」が正しい。▽アメリカ合衆国の国歌を「星条旗よ永遠なれ」だと思っている人がいる。スーザの曲は国の公式行進曲。アメリカの国歌はジョン・スタッフォード・スミス作曲の「星条旗」。▽シェリーの詩「西風に寄せる歌」。有名な一節「冬来たりなば春遠からじ」と訳した人を上田敏と思っている人がいる。本当は木村毅(きむらたけし)である。▽向田邦子のエッセイ「眠る盃」。タイトルは「荒城の月」の「めぐる盃かげさして」の一節を「眠る盃」と誤って覚えた少女時代の回想。▽木村拓哉はクイズ番組で「シザーサラダ」と回答。正しくは「シーザー・サラダ」Caesar salad。シザーサラダだと「ハサミ入りサラダ」という意味になる。ロメイン・レタス、クルトン、パルメザンチーズをオリーヴオイル、ニンニク、レモン、アンチョビーのドレッシングで和えたサラダ。古代ローマのシーザーとは無関係。メキシコのティワナにあるシーザーズという名前のレストランで考案されたから。▽ブランデ―のナポレオン。特定銘柄の酒ではなく、熟成年を指す記号。▽「少年老い易く学成り難し」朱熹の作ではなく、日本の室町時代の禅僧・観中中諦の作である。▽小倉智昭アナは「ブリ、カンパチは白身の魚」と発言。身の色から勘違いしやすいが、ブリ、カンパチはともに回遊魚であるアジ科に属し、赤身の魚である。
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