秋は灯火親しむべし
この一行に逢いにきた
10月27日から「秋の読書週間」が11月9日まで行われる。今年で第78回を重ねるが、第1回はまだ戦火の傷痕がいたるところに残っている1947年11月17日から開催された。それから70有余年、「読書週間」は日本の国民的行事として定着してきた。今年の標語は「この一冊に、ありがとう」、コロナ禍のなかでも全国各地でさまざまな本に関する展示や行事が開かれる。
どうして読書の秋といわれるのだろうか?すでに1918年の読売新聞には「読書の秋」という表現が使われている(1918年9月21日付)から日本語としておよそ100年以上の歴史を経ている。それ以前から「燈火親しむの候」という時候のあいさつは定着していた。一説によると「読書の秋」はどうやら中国の風習にあるといわれる。故事は唐の詩人、韓愈が息子に贈った詩に由来する。
時 秋にして積雨霽(は)れ
新涼 郊墟に入る
燈火 稍 親しむべく
簡編巻舒すべし
降り続く長雨がやんで、空がすっきりと晴れ渡り、郊外の丘では、秋を感じさせる涼しさが感じられる。そんな秋の夜長は、明かりをつけて、そのもとで読書をするのに適した季節だ。図書館で一日おこもり読書も贅沢な時間のすごしかた。
唐代の詩人、韓愈は愛息に対して詩を贈って勉強を勤しむことを励ましたのである。ここから「灯火親しむべし」という語が生まれた。
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