河川の語源
人にそれぞれ名前があるように、河川にもそれぞれ古くから名前がある。河川の色から名づけられたのは中国の黄河、日本の緑川(熊本県)、白川(熊本県)、黒川(福島・栃木県)、赤川(山形県)など。
アメリカのミシシッピ川(Mississippi)はインディアン語の「メスシピ」(Messipi)「水の父」が語源である。その支流オハイオ川(Ohio)はインディアン語地名で「美しい川」「丘と丘」の意味がある。ミズーリ川(Missouri)は「濁れる水」の意味。セントローレンス川(St.Lawrence)は1535年8月10日フランスの探検家ジャック・カーターがこの地を発見。当日が聖ローレンスの祝日にあたっていたのでこの名がつけられた。
ヨーロッパ大陸を北流するライン川(Rhein)はケルト語で「川、水」を意味する語から生まれたとするのが定説である。イタリア北部を流れるポー川(Po)はローマ時代にはパドス川(Padus)と呼ばれ、これが転化してポーになった。パドスは、リグール語のボデンクス(bodincas)「非常に深い」か、ボデゴス(bodeghos)「底なしの」が語源であるといわれる。
シベリア西部を流れるオビ川(Ob')は、上流地方の土着民が話したペルシア語の普通名詞アブ(ab)「水、川」と考えられる。この語が、同系の言葉タジク語に入り、アブ→オビとなり、川の名前に用いられた。
南アメリカ大陸を南下する大河のうち、パラグアイ川の下部よりラプラタ川の上流部までの間を、パラナ川(Parana)と称する。インディアン語のパラpara「川」が語源である。
中国東北部とロシアのシベリア国境を流れるアムール川(Amur)は、ツングース満州語のアマール(amar)「川」が語源。モンゴル人は、この川をハラムレン(Kharamuren)「黒い川」、中国人は黒龍江、黒河と呼んでいる。
東シベリアを流れ北極海に注ぐレナ川(Lena)。原住民エベンケ族は、川をエリヨエネ(Eljoene)と呼んでいた。16世紀にロシア人がシベリアへ進出すると、この地名は、ロシア語に表記され、短縮してレナ(Lena)と呼ばれるようになった。
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