無料ブログはココログ

« 河川の語源 | トップページ | 文学忌 »

2024年8月10日 (土)

芥川賞と直木賞

Md20090409625617_web

 1935年のこの日、芥川賞と直木賞が発表された。第1回の芥川賞は石川達三「蒼氓」、直木賞は川口松太郎「鶴八鶴次郎・風流深川唄・その他」受賞した。そもそも芥川賞と直木賞とは何か。文壇が個々の作品を2種に分類し、純文学と大衆文学、第一文芸と第二文芸、あるいは雅なるものと俗なるもの、このように判定する方式は、多くの国にみられる現象だそうだ。北杜夫や遠藤周作はユーモア小説と純文学とを書き分けた作家だった。芥川賞、直木賞、どちらを受賞したのか。北杜夫は1960年に「夜と霧の隅で」で芥川賞を受賞している。では次の作家は芥川賞か直木賞のいずれを受賞したのであろうか。

松本清張、宇野鴻一郎、梅崎春生、井伏鱒二、高橋三千綱、西村賢太。

    答えは、松本・宇野・高橋・西村は芥川賞で、梅崎、井伏は直木賞。日本の芥川賞、直木賞の選考基準はわからないところがある。中国の書物の題名に「中国俗文学史」というのがある。そのものズバリと明確に表現するのが中国で、日本は万事、あいまいにぼかすことを好むようである。評論家の巽孝之は「仮に今日、芥川本人が復活したとしても、芥川賞をとれないだろう」とマジメに論じている(「芥川龍之介は何故、芥川賞をとれないか」別冊新評1976年夏季号)もちろん芥川賞、直木賞を受賞しなかった人で優れた作品を残した作家も多い。小松左京、広瀬正、星新一、筒井康隆、小林信彦、椎名誠、田宮虎彦、阿部昭、黒井千次、後藤明生、太宰治、三島由紀夫、村上春樹など。

   今年で171回を数える。芥川賞は朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」、松永K三蔵「バリ山行」、直木賞は一穂ミチ「ツミデミック」。(8月10日)

 

 

« 河川の語源 | トップページ | 文学忌 »

日本文学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 河川の語源 | トップページ | 文学忌 »

最近のトラックバック

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30