明窓浄几
人類は地球上における動物の進化の過程で、その一分岐として出現した。近年エチオピアで発見された440万年前のラミダス猿人と呼ばれる化石は、明らかにチンパンジーとは異なる特徴をもっており、これが現在知りうる最古の人類=猿人 Ape man とされている。その特徴は直立して二足歩行し、両手で道具を用い、火を扱い、労働して、言語を基礎とする文化をもつことだといわれている。だがこのような特徴だけであれば部分的には他の動物でも行える。ペンギンやカンガルーは直立して歩くし、動物園のゴリラやチンパンジーなどでもテレビを見る。室内で飼っているイヌやネコはテレビを見る。人間だけが行い、他の動物が絶対にマネできない行為とは何か。それは、読書するということである。人間以外の動物は本を読まない。ではケータイやアイ・パッドで読書すればよいのか。近頃、スマホを診ながら町を歩いている人をよくみかける。まるで人をやめた、サルがケータイを手にしているような感覚にとらわれる。読書とは毎日同じ時間にする生活習慣でなければならない。明窓浄几、明るい窓と清らかな机、書斎があってはじめて行える行為である。
手元にある市広報誌を何気なく開く。来年度の市職員の募集の記事。初任給は大卒で事務職は23万円くらい。入庁後のキャリアイメージは、30代で係長、40代で課長、50代で次長、部長へと昇進する。ただし真面目に努力すれば誰でも部長になれるわけではなく、人物評価や人間関係など煩わしいことがつきまとう。所詮は役所人生は出世レースである。そもそも「出世」というのは、本来は漢字3文字を略して「出世」といわれるようになった。仏語で「出世間(しゅっせけん)」という言葉がある。世俗艦の煩悩から脱して悟りの境地に入ること。その世界を目指す、もしくはそこにいる僧侶のことを出世者と呼んだ。つまり現在のわれわれが使う「出生」とは正反対の意味なのである。
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