フランス人の愛国心と現実主義
復讐心に駆られた市民にズボンを脱がされ、辱めを受ける対独協力者
映画「カサブランカ」。リックが経営する酒場でドイツ軍人が大騒ぎしてドイツ国歌を歌う。そのうち、反ナチ活動家が立ち上がり「ラ・マルセイエーズ」を高らかに歌い、「自由、フランス万歳」と叫ぶシーンがある。このようにフランス人は愛国心と自由を希求する国民と一般には知られている。1940年6月14日、パリは陥落した。首相ペタン元帥は、6月22日、独仏停戦協定に調印し、ドイツに協力することになった。なぜ人口の多い大国フランスが少数のドイツ軍に降伏したのか。日本のように女や子どもまで竹槍で戦え、という話は聞いたことがない。徹底抗戦していれば、多くの一般市民の犠牲が出たことが予測され、そこに現実主義な判断が正しく働いたであろう。それと実はフランス国民の中に多数の者が、ドイツ軍に協力にしていたらしい。フランスでは恥ずべき行為があまりにも多く行われていたため。政府は1945年、対独協力者に関するファイルを、向こう50年間封印することにした。連合国の力によって、パリが解放されると、フランス人たちは対独協力者への報復が盛んに行われた。国民たちは自らの恥ずべき過去を隠蔽したことを示す行為であると考えられる。レジスタンスや英雄的なイメージとは裏腹にフランス人の悲しい本性がみえる。
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