傘の日
きょうは「傘の日」。この日が雑節である入梅にあたることが由来になって、1989年に日本洋傘振興協議会によって制定された。雨傘の語は世界中いろいろである。英語はアンブレラ、ドイツ語はシルム、フランス語はパラブリュイ、イタリア語はオンブレッロ、スペイン語はパラグワス、ロシア語はゾーンチク、ギリシア語はオンブレラ、韓国語はウサン。
傘がモチーフに扱われる映画といえばフランスの「シェルブールの雨傘」(1964)。結婚を年誓い合った恋人同士。だが、男に送られてきた徴兵令状が、ふたりの人生を大きく変えてしまう。ミッシェル・ルグランの甘美で哀愁漂うメロディが、涙をさそう。もう一本は「雨に唄えば」(1952)ジーン・ケリーがどしゃぶりの雨の中、キャシーへの愛を歌い躍るシーンがミュージカル映画史上の名場面。元歌は古くトーキー初期の名作「ハリウッド・レヴュー」(1929)の中で評判になったナンバーで、クリフ・エドワーズがガラスで張ったフロアでウクレレをひきながらうたい、ブロックス・シスターズの合唱がそのあとを受け、また盛りあげにはレインコートを着たコーラス・ガールのラインダンスとなる。「私は雨の中で歌う。この素敵なフィーリング!私はまた幸せをとりもどし、雲に微笑をなげかける。暗い心の中にだって太陽が輝きはじめる。私は恋をしているのだ・・・・」。
日本には「相合傘」という乙な言葉がある。雨の中を一つの傘をさして男と女が歩く。男は女が濡れないようにと女の方に傘を寄せて歩く。川柳に「相合傘 惚れてる方が 濡れている」とある。(6月11日)
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