消滅可能性自治体
戦後の日本は、人口が急激に増えていた社会から人口が減少する社会へと変わった。都市化と核家族化でかって賑わいをみせていた地方都市が急速に、人口流出による自治体人口の減少と平均年齢の上昇が顕著になっている。その結果、地方の活力が失われ、経済や文化など、あらゆる面において、大きな遅れが生じている。このような現状をみると、調和のとれた国土の発展という見地からも、早急に対策を講じ、その不均衡を解消する必要がある。
先日、民間の有識者らで作る人口戦略会議は、各市町村における将来の20歳~30歳女性の人口減少率を50%以上超える自治体を、「消滅可能性自治体」であるとして公表された。東北地方と北海道は6割以上の自治体が「消滅可能性自治体」となって、青森と秋田については、8割以上の自治体が「消滅可能性自治体」となっている。北海道では主要都市である函館市や釧路市のほか、小樽市や岩見沢市、網走市なども含まれている。北海道の約2/3を超える117市町村が将来的に「消滅の可能性がある」とされる。ここでは函館市を一例として見てみる。令和になってからの人口推移をあげる。(単位:人)
令和元年 255,766
令和2年 252,198
令和3年 248,901
令和4年 245,274
令和5年 241,126
令和6年 236,648
毎年、4,000人以上は減ってきている。函館の高校生は、卒業するとほとんどが東京へ上京、あるいは札幌へ進学・就職する。港湾都市として発展してきた函館市であるが、今や主な交通手段は船ではなく、航空機である。従来の基幹産業であった造船業や北洋漁業の衰退もあって産業が観光のみになっている。北海道に限らず人口減少の激しい地域では、巨大な建造物を作ったとしても廃業すると巨大な廃墟となることが予想される。
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