カタカナ「ヴ」の話
ヴィーナス、ヴェルサイユ、ヴィトン、エヴァンゲリオンなどカタカナ「ヴ」は日常しばしば用いられている。最初に考案したのは「増訂華英通語」(1860年)において福沢諭吉といわれる。ところが外務省は2019年4月1日から外国の国名でのカタカナ「ヴ」の使用をやめると発表した。例えば、セントクリストファー・ネービスとかカーボベルデとなる。ただし都市名や人名などにおいては従来のとおり「ヴ」は残るもようである。イタリアのヴェニスやリトアニアのヴィリニュス、人名はダヴィデ、ダ・ヴィンチ、ヴァスコ・ダ・ガマ、ヴィクトリア女王、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、ヴィルヘルム1世、ヴァーグナー、ヴォルテール、ヴィヴィアン・リーなど使用例には事欠かない。旧約聖書に登場する最初の人間「アダムとイヴ」などを見ると、単純に「イブ」と書きかえることができない。
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コメント
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ウィキペディア(Wikipedia)で「ヴ」の項目を見ると(4月1日参照)「ゔ」の文字も考案され、更に「ラ゜リ゜ル゜レ゜ロ゜ - 外来語のL音をR音と区別して表すために考案されたが、ヴと違いほとんど用いられなかった。」とあります。どこまで日本語表記を原語に近づけるかの問題ですが検索に手間取るのも現実です。
投稿: 大槻文彦 | 2024年4月 1日 (月) 15時26分