名前によく使われる漢字「泰」
「泰」を使った熟語には「天下泰平」「安泰」などがあり、「ゆったり穏やか」な印象を与えます。漢字の成り立ちは両手に汲んだたっぷりの水で体を洗うという様子を表すために、「人」「水」「両手」の字が組み合わさってできました。そこから「ゆったり」「おだやか」なイメージがあります。ところが名前に使うにはよくないという理由もいくつかあります。1.「おごる」という意味があります。手元の漢和辞典にも「ぜいたくなさま」「えらそうなさま」とあります。2.外国人に間違われやすい。中国では尊ばれる漢字であることや、「泰」がタイという国名だからという理由です。3.電話で漢字を説明するのがむずかしい。4.「秦」や「奏」と紛らわしい。5.画数があまりよくない。これは「泰」1文字だと10画でよくありませんが、「泰+〇」で画数をかえればOKです。
それにもかかわらず「泰」がとてもよい漢字であることは、多くの事例で明らかです。何と言っても「泰山」があるからです。山東省泰安市にある泰山は、道教の聖地五岳の中でもっとも尊い山とされる。秦の始皇帝や漢の武帝など歴代皇帝が封禅の儀式を行っている。李斯は、伝説的な帝王の称号である天皇・地皇・泰皇の三皇のうち、最も尊いのは泰皇といっている。そういうことで、あまりに尊い漢字なのでさけられる方もいるかもしれないが・・・。
最後に名前に「泰」を使用している著名人
石坂泰三(経団連会長)、武田泰淳(小説家)、田村泰次郎(小説家)、加藤泰(映画監督)、布袋寅泰(ギタリスト)、原田泰造(タレント)、松雪泰子(女優)
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