漢字一文字の題名
作家が小説の題名をつけるとき、どのような思いが込められているのかさまざまであろうが、漢字一文字という場合はことさらに印象が強い感がある。すぐに思いうかぶ作品は、芥川龍之介「鼻」、夏目漱石「門」、森鴎外「雁」の三作品。それから山本有三の「波」「風」、長塚節「土」、島崎藤村「春」、谷崎潤一郎「卍」「鍵」、カフカ「城」。室生犀星「蝶」、志賀直哉「兎」、上林暁「野」、三島由紀夫「剣」、司馬遼太郎太郎「峠」、竹西寛子「蘭」、中上賢次「岬」、富田常雄「面」、藤井重夫「虹」、河野多恵子「蟹」、丹羽文雄「顔」、宮尾登美子「蔵」「櫂」。綱淵謙錠には「斬」など48作が漢字一文字である。夏目漱石の「こころ」は自身が装幀した単行本の箱の背には「心」と漢字一文字である。
演歌界の御大・北島三郎の唄にも一文字タイトルが多い。「歩」「盃」「誠」「祝」「道」「母」「宴」「橋」「城」「友」「竹」「夢」「命」「川」「空」「柵」「恩」「舵」「山」そして「塒」は「ねぐら」と読む。頑張れサブちゃん。
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