中国と日本で意味が全く異なる漢字
「中国語はいいね。言葉がわからなくても、筆談で何とか通じるから」という。同じ漢字を使っているから、そういう面があることは確かだが、それで安心していると思わぬ勘違いをしてしまうこともある。日中間で共通する単語の中に、語感や意味が異なるものが少なくない。同字異義語、あるいは同形異義語という。たとえば、「愛人」という日本語は、不倫関係の相手に使われることが多い。そして日本語の「愛人」は女性を指している。しかし、中国語の「愛人(アイレン)」は性別に関係なく、文字通り「愛する人」「最愛の人」の意味で、正式な「配偶者」を意味している。ちなみに、日本語の「愛人」は、中国語では「情人」あるいは「第三者」という。ただし、日本でも、戦前までは不倫相手という意味は無く、恋人という意味で使われていた。「愛人」が不倫相手という意味になったのは戦後からである。「勉強」という漢語も日中で少しニュアンスが異なる。中国語の「ミエンチャン(勉強)は「無理に」「しぶしぶ」何々する、といった強制的なときに用いる。勉学の意味には「学習」あるいは「トゥシュ(読書)」を使う。
このほかに「手紙(ショウズイ)」はトイレの紙のことで、手紙は「信」という。「飯店」はホテル、「麻雀」はスズメ、「走る」は中国語で「歩く」こと。「挨拶」は、なんと「拷問」を意味するそうだ。
「工夫」は時間、ひま。「空中小姐」はスチュワーデスのこと。「老婆(「ラオポー)」は妻のこと、「娘」は母親のこと、「汽車」は自動車・バスのこと。中国語で汽車は「火車」と言う。自転車は「自行車」あるいは「、バイクは「摩託車」。「刺身」は文字通り身を刺すこと。「器用」は有用な人物。「大丈夫」は男の中の男。「便利商店」はコンビニ。
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