夏王朝は実在した!
NHKスペシャル「中国文明の謎」第1集「中華の源流 幻の王朝を追う」 司馬遷「史記」では三皇五帝に次いで禹が夏を建国したと伝えるが、中国最古の王朝「夏」については長い間その実在性が確認できず、伝説の王朝とされてきた。しかし近年、考古学の発掘成果によって、現代中国の史学界では夏王朝が実在したことはもはや常識となっている。中国の中学校歴史教科書では、夏王朝について原始社会から奴隷制社会に移行に伴って紀元前21世紀に成立した中国史上最初の世襲制王朝であるとしている。その最初の王都の陽城の位置は不明であるが、夏の後期の宮殿跡が黄河流域河南省の二里頭遺跡である、と定義している。1959年から発掘が進み、後に夏の王宮跡と2万人以上の大集落跡が発見された。そこから銅爵(画像)や「トルコ石の龍」が出土している。紀元前2300年前後のことである。わが国の京都大学岡村秀典教授も「夏王朝 王権誕生の考古学」(2003)を刊行し、最古の夏文明を紹介している。夏は紀元前1600年ころ、殷に滅ぼされた。だが殷は夏から宮廷儀礼など多くの文化をそのまま踏襲している。2016年アメリカのパデュー大学の研究チームによる放射性炭素年代測定によれば、大洪水がおこったのは、従来の説よりおよそ400年の遅い紀元前1920年のことと推定される。
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歴史は、新たな事実の証拠が発掘されると、それまで学習していた過程が変わってしまう。それがまた驚きであり、過去なのに新鮮でもあるのですけれど。
投稿: | 2017年4月 6日 (木) 21時33分