イースターが日本人に受け入れられないのは時期がお花見と重なるから?
「代助は面白そうに、二三日前自分の観に行った、ニコライの復活祭の話をした」(「それから」)と夏目漱石は書いている。明治42年の小説で、当時の日本人のなかでどれほどの人が「復活祭」を知るっていたであろうか。それから100年以上が経過したが、日本人に「今年の復活祭はいつか?」と尋ねても知らない人が多い。クリスマスやバレンタインデー、ハローウィンなどと比べても、日本人に認知度が低く、デパートやマスコミでもイースターを周知することはしない。ところがこのイースターはクリスマスと同じくらい、あるいはその以上に重要な典礼である。イースターは「復活祭」とも言い、主イエス・キリストの復活を祝う祭りである。単なる生誕よりも、1回人類の罪を背負って亡くなった後、復活されたことにこそ、キリストの生きた意味があると信じられているからである。イースターの日は、クリスマスと違い移動する祭日(movable feast)である。毎年春分の日の後の最初の満月の後の日曜日と決まっていて、本年は3月31日である。この時期が日本社会の会計年度の切り替わりに当たることや、進学・就職・人事異動など変わり目、そしてなんといってもお花見シーズンであるのが理由なのか。そして「キリストの復活」というコンセプトそのものが、一般の日本人にとって理解できないのであろうか。
« どうなる優勝の行方? | トップページ | 蓮如忌 »
「キリスト教」カテゴリの記事
- 宣教医ベッテルハイム(2023.04.05)
- トビアの晩(2019.01.02)
- Buck to 1970(2022.02.04)
- 21世紀はなぜ2001年からなのか?(2016.03.17)
- ヴィア・ドロローサ(2016.01.10)
コメント
« どうなる優勝の行方? | トップページ | 蓮如忌 »
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。
投稿: 履歴書の封筒 | 2013年4月 2日 (火) 12時56分