アルコール・ハラスメント
4月は送別会や歓迎会、大学のコンパなど酒を飲む機会も多い。テレビコマーシャルでは広瀬すず、芳根京子など旬の女優たちがビール片手に可愛く微笑む。これらはどれがキリンかアサヒかサッポロか意識しない。購買意欲を高めることを意図しているため、日常生活にビールが必要だと感じさせれば良いのである。テレビ局は視聴者の健康面よりも、スポンサーが大事なのである。かつてアメリカ映画にはアルコール依存症の悲劇を描いた映画が多かった。「失われた週末」「酒とバラの日々」などが代表例である。現代の日本でもアーコール依存症は100万人を超えるといわれる。浅野忠信の新作映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」もアルコールに悩む家族の物語である。大学でもコンパなどといって学生が当たり前のように酒を飲んでいる。20歳までは飲酒してはいけないことは当然であるにもかかわらず、新入生歓迎などと称して(当然18歳くらいか)、無理やり飲ませて、死亡するという事件が後を絶たない。ある調査によると、飲酒を強要されたことがある、と答えた人は11.7%もいる。2010年5月、神奈川歯科大学でアメリカンフットボール部の新入生歓迎会で男子学生が飲酒のあと急死した。学生には糖尿病があったそうだ。京都精華大学では11月に学園祭の打ち上げで18歳の女子大生が急性アルコール中毒で死亡している。学校内での飲酒は禁じられていないそうだが、未成年の飲酒を放置しているのが現状である。また飲んだあと飲酒運転で検挙される学生も多い。関西学院では秋から連続しての学生の飲酒運転があった。酒で人生を失敗するのはつまらない。テレビコマーシャルで酒やビールを見る度に飲みたいと思うだろう。横山やすし、朝青龍、草薙剛、中川昭一、中村七之助、市川海老蔵を思い出すべし。テレビコマーシャルは、アルコールに限らず、クルマ、ゲーム、ギャンブル、スマホなど依存症を生み出し、購買意欲を促すものが多く見られる。大量消費は資本主義経済の健全な発展を促すという意見もあるだろうが、アルコール依存症になると、彼らが病欠や仕事中の事故、犯罪などのために国にもたらす損害は、国民総生産の5.4%に達する。もちろん、その代償はもっと高価だ。アルコール依存症、ギャンブル依存症などは、その配偶者や子供に及んだ感情面の被害はお金に換算できないからである。(参考:斉藤学ほか編「アルコール依存症」 1975年)
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