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2024年2月19日 (月)

「猫が魚を大好物」というのは誤解だった! (猫の珍談奇譚)

 2月22日は「猫の日」。イザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」の中で、「旧約聖書にはネコという言葉が全く出てこない」とある。ネコが登場するのは外典「エレミヤの手紙」の中の一ヶ所だけらしい。「エッセンシャル聖書コンコーダンス」などの聖書語句辞典を調べてもネコが見つからない。ユダヤ人はネコ嫌いの民族だった。ところが隣国の大国エジプトでは、ネコは穀物を荒らすネズミなどを退治するので昔から大切にされた。ヘロドトスは「エジプトではネコが死ねば、家人はミイラにして手厚く葬る」とある。バステトの祭りが行われ、ネコの女神として崇拝される。前525年ペルシアのカンビュセス2世は最前列にネコを配してエジプトを攻め、矢を放つことができないエジプト軍は滅ぼされてしまったという。▽ネコは気まぐれで、思いどうりにならない。ナポレオン、カエサル、ヒトラーといった権力者はみんなネコが嫌いだった。

Minnekepoeskattenstoet1▽ヨーロッパ中世では、ネコは魔女の手下とされて、多くの黒猫が殺された。3年に1度開かれるベルギーのイーペルのネコ祭りは、黒猫を時計台から放り投げて、下で受け止めると幸福が訪れるという奇習がいまも残っている。▽唐の則天武后は猫が嫌いで、宮中で猫を飼うのを禁じたとされる。▽ネコが魚好きというのは日本だけの話だそうだ。日本のネコが魚を好んで食べるようになったのは、日本人の食生活と関係している。江戸時代までの日本人には肉を食べる習慣がなく、動物性たんぱく質は主に魚肉からとっていた。そして、猫は人の食事の残りをもらっていたため、自然と魚を好むようになったと考えられている。つまり島国の食生活からつくられたものだろう。▽ネコの髭はどんな役目をするのか。ネコの髭は「触毛」と呼ばれて、毛根には神経が集中し、レーダーのような働きがあります。▽ことわざ「猫に小判」「犬に論語」「馬の耳に念仏」「豚に真珠」その意味は価値のあるものを、価値の分からない者に与えても無駄ということだが、「豚に真珠」だけは外来のことわざ。聖書に「豚の前に真珠を投げるな」に由来する。国木田独歩は「君等に美術の話をしたって無益だ。豚に真珠を投ずる如しだ」(園遊会)と書いている。最初は「豚に真珠を投げるな」がそのうち「豚に真珠」と簡略化されたのだろう。(Basted,Kattenstoet,Ieper,雑学)

 

 

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