東西冷戦、終結そしてウクライナ侵攻
第二次世界大戦後のアメリカとソ連との対立は、殺戮を伴う直接手段にはいたらなかったが、国際緊張が続く状態であったため、この情勢を「冷たい戦争」と表現した。「冷戦」(Cold War)という語は、バーナード・バルーク(画像、1870-1965)が1947年4月16日に初めて使い、ウォルター・リップマン(1889-1974)がこの年に出版した著書のタイトルに使い、1948年10月24日、バルークが上院で「冷戦」という言葉を使った事から、ジャーナリズムに定着した。だが、この冷たい戦争も長くは続かなかった。両陣営は平和のうちに共存することができる、という声が高くなり、ここに「雪どけ」が始まった。「雪どけ」は、ロシアの作家イリヤ・エレンブルグの小説(1955年)の題名である。
東西の対立が続くなか、ドイツ、ベトナム、朝鮮半島が二分された。そして朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争など米ソの代理戦争が起こり、巨額の軍事費は、米ソ両国の経済にとって大きな負担となった。そして日本は西側諸国の一員として冷戦体制に組み込まれ、ベトナム戦争では米軍の出撃基地となった。今なお米軍基地がおかれるなど、沖縄は米軍のアジアでの前線基地となっている。ソビエト連邦はアメリカと肩を並べるほどの大国となったが、経済政策の失敗などから、1989年11月ベルリンの壁崩壊からおよそ2年後、ソ漣は解体し、1991年冷戦は終結した。冷戦後は国を越えた世界の一体化(グローバル化)が進展したが、地球規模での環境問題や格差問題などの課題が浮き彫りになった。2001年9月、ニューヨークの世界貿易センタービルにハイジャックされた2機の飛行機が突入して多数の死傷者がでた。アメリカはアルカーイダの犯行と断定し、潜伏先のアフガニスタンへの攻撃を行った。またロシアのプーチン大統領は冷戦後東へ拡大するNATOに徐々に不満を強め、2022年3月ついにロシアはウクライナに侵攻し、戦争はいまも継続している。( Barnard Baruch,Walter Lippmann,Ilya Ehrenburg、世界史 )
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アゴタ・クリストフの「悪童日記」「ふたりの証拠」と、読んでいるのですが、第二次世界大戦の終わりの数年間から、その後の冷戦下のハンガリーの小さな国境の町を生きた少年の物語、とのことで、タイトルからしても、過酷な時代をやんちゃにたくましく生き抜いた子供を想像して読み出して、見事に裏切られました。と同時に、読んだ経験の無い独特の文体にぐいぐい引き込まれ…。戦争が終わったと思いきや、冷戦下の息苦しい体制に取り込まれた国の庶民の日常、突然奪われる日常が戦後何十年も続いていたことに改めて驚きです。
投稿: | 2014年11月 9日 (日) 11時46分