朝型人間と夜型人間
古今東西を問わず、言い慣わされている言葉がある。「早起きは三文の徳」。もともと宋の楼譄が詠んだ詩「早起三朝當一工」(3日続けて早く起きれば一人分の働きとなる)という句から来ている。三文は、江戸時代の通貨で現代に換算すれば100円くらいなるという。
早寝、早起きに象徴される規則正しい生活習慣は、健康に欠かせない。肉体と精神の健康を保って仕事に励めば、お金もたまるし、賢くもなるのである。より古い形では「朝寝八石の損」という。それだけとりいれが減るというのを、お金に換算して「朝起三両」などともいう。
The early bird catches the warm.
早起きの鳥は虫を捕らえる(イギリスのことわざ)
夜更かしをせずに、早く起きなさい、とよく親から叱られた。NHKシブ5時で精神科医の名越康文は生活のリズムを整えて、早寝早起きを主張する。年を取ると夜はなかなか眠れない。不眠症という病名があるほど眠れないと不安になる。そこで処方箋をもらって睡眠薬を飲んでいる。朝型生活が正常だろうか。教育学の斎藤孝はこの朝型至上主義に違和感をおぼえる。むしろ、静寂が知を育み想像力を醸成する。積極的に夜の時間を知的に過ごすことがいいと主張している。詳しくは著書「夜型人間のための知的生産術」(ポプラ新書)をご覧あれ。しかし脳医学の最新成果でも学習で得た知識ゃ情報は十分な睡眠に定着できるという研究成果がでている。他方、イギリスの研究によると、朝型夜型のタイプは本人の生活習慣や志向ではなく、脳内に先天的に決まっているという報告がある。
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