ルソーとアポリネール
一風変わった素朴画家として知られるアンリ・ルソー(1844-1910)は、1906年、ジャリの紹介で詩人のギョーム・アポリネールに出会った。ルソーはアポリネール(1880-1918)よりも36歳も年長だったが、アポリネールを尊敬し、特別なノートに、新聞から切り抜いた記事を貼り付けたり、また彼の愛人で画家のマリー・ローランサンと一緒にいるアポリネールの肖像画「詩人に霊感を授けるミューズ」を描いている。 アポリネールもルソーにピカソやドローネーなどの多くの指導的な前衛芸術家たちを紹介し、ルソーの生前にもまた死後にも、ルソーをたたえた詩をいくつか残し、彼を敢然と擁護し、賞揚した。1910年9月2日、ルソーは生前は世間から認められることなく、パリの病院で亡くなった。翌年に友人たちはルソーの墓をつくった。墓碑銘には、次のようなアポリネールの詩が刻まれている。
やさしいルソーよ 聞えますか
私たちの挨拶が
ドローネー夫妻とケヴァル氏と私
私たちの持ち物は天国の門では無税で通してください
あなたに筆と絵の具とカンバスを持ってきました
永遠の真実の光で描いて
あなたの神聖な余暇が過ごせるように
かつてあなたが
星を見ながら私を描いたように
« 関東大震災から100年 | トップページ | 王貞治756号達成の花束プレゼンターは? »
「今日は何の日」カテゴリの記事
- 中秋の名月(2023.09.29)
- 後拾遺和歌集(2023.09.16)
- 今日は何の日(2023.08.14)
- 剣豪スタア・阪妻没後70年(2023.07.07)
- サディ・カルノー暗殺事件(2023.06.24)
コメント