歴史総合
現代社会とは何か。
わたしたちが生きている現代社会は、過去の長い歴史のなかで形成され、発展してきたものである。この現代社会は大衆社会・高度産業社会・情報化社会といった特質をもっている。とくに機械の時代、組織の時代といわれる現代社会においては、エリートや権力に支配される人間が増加し、人間はエリートに忖度して個性や主体性を失って、自由で創造的に生きることがむづかしくなっている。
産業革命
人間は道具を使うことによって、他の動物から区別されるようになってきた。道具によって自然環境に働きかけて、農業・漁業・牧畜などを営んで生活していた。有史以来の数千年にわたる道具のみ労働生活に決別したのは、18世紀後半にはじまった産業革命であった。産業革命は、機械をおよび動力を使用し、多数の露労働力を1カ所に集めて生産を行う工場制機械工業を成立させた点で、人類の歴史の上で画期的な役割をはたした。また、産業革命は資本主義的な生産のしくみを発展させた点でも画期的であった。つまり、工場制機械工業は、工場をつくり、労働者を雇い入れるための巨額の資金を必要とするので、資本主義を基盤にしてはじめて可能であった。この産業革命は18世紀後半のイギリスからはじまり、以後、フランス・ドイツ・アメリカ・日本などへ波及していった。イギリスは、産業革命と植民地の拡大によって「世界の工場」とよばれる経済力を獲得し、世界に大きな影響を与えた。工業化に成功し力をつけた列強は「帝国主義・社会主義」を掲げて植民地獲得に乗り出し、世界を二分するかつてにい大きな戦争がおきた。
現代の危機
現代、核兵器の脅威は全世界にひろまっている。また地球規模の大災害が頻発している。われわれはこの危機の時代にいま「何をなすべきか」。わたしはこの現代的危機は「人間性の落伍」とよんでいる。世界は人間自らが作り出した機械・経済・政治よって、もはや制御できない事態が生じている。これを解決していくただ一つの道は、諸国の利害を超えて、世界平和の維持の道を歩み、問題を一つ一つ解決していくことである。
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