ヴァスコ・ダ・ガマとインド航路
16世紀大航海時代をもたらした要因の一つは、香辛料をはじめアジア物産に対するヨーロッパ人の欲求であったが、ヴァスコ・ダ・ガマ(1469-1524)とカリカット領主のやりとりはアジア物産の豊かさを物語っている。1497年7月8日土曜日、ヴァスコ・ダ・ガマはインド航路開拓のためリスボンを出発した。1498年5月20日、ガマは香辛料や宝石の交易で賑わうカリカットに上陸すると、この地の領主ザモリンに面会を求めた。ガマが領主に用意した贈物は、布、帽子、珊瑚玉などである。領主の執事はこれを見て、「とても王様に差し出す品物ではない。アジアの最も貧しい商人でもこれ以上の贈物を持ってくる」と罵った。ガマはどうにか香辛料を手に入れたが、結局、贈物は拒否され、出航許可として税金を命じられた。しかし、ガマはその税金も支払わず、出航を強行したのであった。( Vasco da Gama,Zamorin )
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