作家の前歴しらべ
ほとんどの作家はさまざまな職歴を経て職業作家として独立している。なかでも新聞社や出版社に勤務していた人は多い。横山秀夫は上毛新聞社、船山馨は北海道新聞、井上靖は毎日新聞社、司馬遼太郎は産経新聞社、そして松本清張は朝日新聞社の広告部だった。そのほか伊藤永之介は新秋田新聞社、北原武夫は都新聞社。古いところでは国木田独歩の国民新聞社。向田邦子は映画雑誌や雄鶏社の編集員。吉行淳之介や椎名誠は雑誌の編集員。教師も多い。石坂洋次郎、中島敦は女子高。海音寺潮五郎は中学教師。宮沢賢治は稗貫農学校。坂口安吾は小学校の代用教員。官公庁関係では芹沢光治良は農商務省、小田嶽夫は外務省、梅崎春生は東京市教育局、野間宏は大阪市役所。阿刀田高は国立国会図書館、中村地平は宮崎県立図書館長、又吉栄喜は図書館司書。医者では森鴎外は軍医、藤枝静男は眼科医、なだいなだ・北杜夫は精神科、伊藤左千夫は牛乳屋。
会社員では山口瞳・開高開高健が洋酒の寿屋宣伝課。筒井康隆は展示装飾の乃村工芸社。
変わったところでは、水上勉はお坊さん、吉川英治は横浜ドッグ会社の船具工。江戸川乱歩、出久根達郎は古書店。山本周五郎は質屋の店員。室生犀星は裁判所事務員。井上光晴は炭鉱夫。椎名麟三は車掌。村上春樹はジャズ喫茶店主。ほかにももっと意外な職業の作家がいるだろうが只今調査中。
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