世界で一番幸福な国ノルウェー
国連がさまざまな指標から世界でいちばん幸せな国はノルウェーであると発表した。ちなみに日本は第51位。地震や台風などの自然災害も多いし、競争社会で生きていくことが難しい国家で、国民から笑顔は消えている。
ノルウェーはスカンディナヴィア半島の北西半を占め、その面積は32.4万平方キロで日本よりわずかに広い。沿岸部は深く陸地に入り込んだフィヨルドによって複雑な海岸線をかたちづくっている。総人口はわずかに約470万人にしか過ぎず、人口密度はアイスランドについでヨーロッパ2番目に低い。農業は不振であるが、国土の24%を森林が占めており、その森林資源を利用した林業と製紙業が盛んである。また北海での漁業、海運業などが盛んであるが、北海油田が開発されて以来、原油、天然ガスが輸出の中心を占めるようになった。
ノルウェーの自然は神秘的なまでに美しく、しかも冷厳な様相を呈している。北欧の詩人や哲学者の作品のもつ神秘的な雰囲気も、この特有な自然環境の中にこそ生まれ育ったものだと思われる。画家のムンク、彫刻家グスタフ・ヴィーゲラン、音楽家グリーグ、劇作家イブセンなどがいる。
ノルウェーの歴史は複雑で、北欧3国といわれるノルウェー・デンマーク・スウェーデンとの連合時代と独立時代が繰り返される。885年ハーラルが国内を統一し、ノルウェー王国が成立する。1397年にカルマル同盟が成立して、デンマークの支配下に入る。1814年、ナポレオン戦争時代のキール条約によって、ノルウェーが独立宣言をする。クリスチャン・フレデリック(クリスチャン8世)が即位。しかし翌年にはノルウェー人に反対にもかかわらず、スウェーデンとの同君連合時代になる。19世紀後半に独立運動が高まり、1905年スウェーデンからの独立を宣言する。
ノルウェー第2の都市ベルゲンから北のトロンへイムへ、またベルゲンから南のスタバンゲルへと向かうフィヨルド見物の遊覧船は外国からの観光客を集めている。観光客相手の土産物にはトロールといわれる人形が売られている。トロールとはノルウェーの森に住む妖精である。日常生活でふっと物が無くなった際には、「トロールのいたずら」と言われている。ノルウェーの森は妖精たちがひっそりと静かに息づいている秘密の楽園のような場所だ。(Norway)
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