読書療法
みなさんは夜中に不安を感じてなかなか眠れないとき、本を読んで気持ちを静めたりすることはありませんか。これは一種の読書療法です。読書療法とは、読書によって問題が解決されたり、なんらかの癒しが得られることをいいます。ちょうどビタミン剤の投薬に似ています。元来、読書は読者自身の心の投影であることから、読書傾向や読後の感想などの分析によって、診断の一つの手がかりを与えることができます。適度の孤立化の傾向がある者への、治療の効果をあげることが期待できます。
読書が治療的価値があると考えられたのは、歴史的に古く、古代ギリシアの都市テーベにあった図書館の入口に「魂の癒す所」という意味の銘刻が掲げられていたといわれる。イスラムのカリフ・マルマンスールはカイロに建てられた病院でコーランを日夜患者に読ませて病気を治療したといわれる。フランスのラブレーは、患者に与えた処方箋に文学書を加えた。また17世紀の医師シデンハムも、「良好なる書は百の医薬に勝る」と述べている。しかし、精神療法の一つとして科学的に取り上げられたのは20世紀になってからの事であり、1937年アメリカのメニンジャー・クリニックが始まりであり、20世紀半ばに精神療法のひとつの技術としてビブリオセラピーの研究が広まってきた。(参考文献:「読書療法」阪本一郎・室伏武 明治図書 昭41年)
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