看護の日
本日を「看護の日」とするのは、1820年フローレンス・ナイチンゲールの誕生日に由来します。ナイチンゲールは、世界の偉人に必ず入るほどの人物ですが、彼女が残した信仰の姿についてはあまり知られていません。ナイチンゲールは、敬虔なクリスチャンだったイギリス人の両親のもとに生まれました。17歳のある日、彼女は不思議な体験をします。その時ことがこう書き残されています。「1837年2月7日、神は私にみ言葉をかけられ、われに仕えよと、語られた」。これが彼女の原体験となりました。やがて彼女は、医療奉仕に当たる病院で働き始めました。1853年、トルコとロシアの間にクリミア戦争が始まりました。イギリス、フランスらがトルコを支援しました。この戦争には19世紀を代表する2人の人物が関わっている。ナイチンゲールとトルストイです。1853年、ナイチンゲールはロンドンのハーレー街の小さな婦人施療院で看護婦として働いていました。これが陸軍大臣シドニー・ハーバートの目にとまりました。翌年10月、ナイチンゲールは38人の看護婦とともにクリミアに向かいました。同年7月、ロシアの青年将校トルストイは激戦地セバストーポリに従軍しています。信仰心の篤い2人が戦場でみた光景が何であっのかそれは知りません。ただ戦争が青年たちの人生観を大きくかえる出来事だったことは間違いありません。ナイチンゲールとトルストイは同じ年の1910年に亡くなっています。ナイチンゲールが亡くなるとき、国葬にしてウェストミンスター寺院に葬ることが話されましたが、ナイチンゲールは遺書で拒否し、ハンプシャーのイーストウェロウの小さな教会墓地に埋葬されました。世間が偉人と認めながら、偉人であることを拒みつつけた2人はよく似ています。(5月12日)
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