オリーヴの下に平和はない
イタリア中部の丘陵地帯のチォチャリア。ある日、一人の若者が復員してきた。彼はフランチェスコといい、戦前は羊飼いだったが、彼の以前所有していた羊は今では村のボスであるアゴスティーノに盗まれていた。フランチェスコはこの事件を訴えたくとも証人がアゴスティーノに脅迫され沈黙しているのでどうすることもできなかった。そのわずかな証人の中にはフランチェスコのかつての恋人リチアもいた。彼女は今でも彼を愛していたが両親のためには好きでもないアゴスティーノの婚約者にならなければならなかった。
その婚約披露の晩、フランチェスコは妹のマリアを連れて自分たちの羊の群を取り戻しリチアと一緒に逃げようとアゴスティーノの家を襲った。だが家の外で逃げ遅れたマリアはアゴスティーノに掴まって暴行を受けてしまった。
翌朝フランチェスコは窃盗のかどで逮捕され、間もなく開かれた裁判はことごとく彼に不利なものであった。フランチェスコが投獄されてもなお、アゴスティーノは満足せず、貪欲な彼は高い地代で羊飼たちに牧場を貸そうと、この地一帯の牧場を手に入れることに成功した。このことは、彼に対する反感を一層はげしくした。
一方、監獄を脱走して山に逃げ込んだフランチェスコは妹のマリアの復讐のためにアゴスティーノの間隙を狙っていた。それを知ったルチアは矢も盾もたまらずフランチェスコの隠れている山へ走った。彼はルチアと手を携えて警官隊の包囲を逃れアゴスティーノの家へ向かった。
いち早くフランチェスコを見つけたアゴスティーノは機銃をとって発射した。フランチェスコはかすり傷を負った。既にアゴスティーノに犯され行く処もなく彼の家にいたマリアはアゴスティーノと逃げた。恐怖に襲われた彼は、羊飼たちに助けを求めた。しかしすべての家の戸は閉められていた。気狂いのように逃げまどう彼は逆上のあまり怒りをマリアに向けてついに彼女を絞殺した。
マリアの屍体を発見して激怒した羊飼たちはアゴスティーノの逃げ道をすべて封じた。フランチェスコは死にもの狂いで機銃を撃ってくるアゴスティーノに一歩一歩と近づいていった。やがて、弾丸を射ちつくして崖ぎわまで追いつめられたアゴスティーノは足をふみはずして、まっさかさまに谷底へ落ちていった。今は復讐を終えたフランチェスコは駆けつけた警官隊に潔く両手を差し出すのであった。(イタリア映画 1950年、ジュゼッペ・デ・サンティス監督 ラフ・パローネ、ルチア・ボゼー)
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