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2023年3月23日 (木)

わが愛読書

  大谷翔平の愛読書は中村天風の「運命を拓く」、岸田文雄首相の愛読書はドストエフスキーの「罪と罰」だとネット記事でみた。著名人の愛読書を雑誌の特集などでしばしばみかけることがある。だが一個人の愛読書が何かという一覧表を探したが見つからなかった。今日、人事採用などで愛読書を問うことは、思想調査に当たるので禁止事項になっている。サミュエル・スマイルズ(1812-1904)は「人の品格はその読む書物によって判断できる。それはあたかも、人の品格がその交わる友によって判断できるがごときものである」といっている。さすれば著名人がどのような本を愛読しているかを研究することも全く無意味な労とはいえまい。

  「大和古寺風物誌」で知られる評論家の亀井勝一郎はゲーテの「イタリア紀行」を読んで、大和の古寺を訪れることにしたと書いている。芥川龍之介が「西遊記」、大江健三郎が「ハックルベリー・フィンの冒険」や「ニルス・ホーゲルソンの不思議な旅」、北杜夫が「星の王子さま」など児童書をあげている。心理学者の河合隼雄もアルス社の日本児童文庫にあった「グリム童話集」をあげている。政治家の菅義偉はマキャヴェリの「君主論」だという。漫画家の水木しげるが上田秋成の「雨月物語」、文芸評論家の磯田光一が三島由紀夫「金閣寺」、歴史小説家の司馬遼太郎は「史記」、将棋界のレジェンド、ひふみん(加藤一二三)の愛読書は「聖書」、坂東眞理子はトーマス・マンの「トニオ・クレエゲル」など古典をあげる人が多い。芸能界の仕事で高校に行けなかった宮沢りえの愛読書はなんと漢和辞典。水木しげるには戦地に赴くときも肌身離さず持っていたエッカーマン著「ゲーテとの対話」(岩波文庫)がある。究極の愛読書かもしれない。

「三国志」オタクがいるように、読書人口からいえば世界中でいちばん読まれている本かもしれない。芥川龍之介は「西遊記」である。ちなみに中国の八大小説とは、三国演義、水滸伝、西遊記、金瓶梅、儒林外史、紅楼夢、今古奇観、聊斎志異である。ところで相葉雅紀くんは宮部みゆきの「模倣犯」を読んでいる途中と聞いたが、読了したのだろうか。

 

 

 

 

 

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コメント

水木しげるさんの「雨月物語」のマンガ本は持ってます。

水木さんの「遠野物語」は描き物屋商売の身過ぎ的な手際よさがある後期の仕事です。生きている人の語りを感じる。


雨月物語は、草の庵とか人物が手探りで模索しながら描いてあるようなマンガであります。ぼんやりしながら飛躍がありがあります。死者、白骨が語るような絵柄があります。

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