マリモ記念日
長かった北国の冬も4月になると、春と夏が競り合って一度にやって来るような気がする。阿寒湖に春を告げる風物詩は、遊覧船の運航再開に向け、氷をばりばりと割りながら氷砕船が航路をつくる作業が4月上旬ころから行われる。そして湖畔には太陽の光を浴びて小さな緑の芽がいきづきはじめ、水芭蕉が白い花を咲かせる。森の小鳥たちも待ちかねたように賑やかにコーラスをうたいはじめる。やがて5月も中頃になると湖岸のえぞむらさきつつじが一斉に咲き乱れ阿寒観光の序曲となる。
阿寒湖といえばマリモが有名である。明治30年、札幌農学校の川上瀧弥(1871-1915、農学博士・植物学)が採集し、翌年に学会に発表し、和名を「マリモ」と命名した。大正10年、天然記念物に指定、さにら昭和27年3月29日、特別天然記念物に指定されている。この日に因んで「マリモの日」が制定された。北海道帝国大学教授・西村真琴(俳優西村晃の父)は絶滅に瀕していたマリモの保護を提唱した。この濃緑の球は大きいものになると直径30センチに達するものもあり、現在、阿寒湖北部のチュウルイ島とキネタンペの二ヶ所にしか生息していない。昭和36年にチュウルイ島にマリモ展示観察センターを造り、遊覧船が寄航し容易にマリモの生態を観察することができる。
毬藻の歌
水面をわたる 風さみし
阿寒の山の湖に
浮ぶ毬藻よ なに思う
毬藻よ 毬藻 緑の毬藻
(作詞・いわせひろし、作曲・八州秀章)
「毬藻の唄」といえば安藤まり子。83歳になる現在もNHKの歌番組に出場し元気なところをみせている。ほかに美人歌手の九条万理子も「マリモの唄」をレコード化している。「まり子」「万理子」と毬藻つながりでか。異色では吉永小百合が昭和42年に「わたしは毬藻」をリリース。セリフもある。
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コメント
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ケペル先生へ:
時空を超えて、イランカラプテ。
北海道阿寒湖のマリモは、近年各地で個体数が減少しており、種として環境省のレッドリストで絶滅危惧種で掲載されている。
安藤まり子は、1988年(昭和63年)秋、故郷の北海道北見市で初のリサイタルを開催。
2014年3月29日
美幌音楽人 加藤雅夫
投稿: びほろのサユリストより | 2014年3月29日 (土) 03時51分